真実
「……世界が滅ぶ?」
そんなこと……急にそんなこと言われても、俺にどうしろと? 今まで、嫌われてはいたが普通に過ごしていた俺の体の中に魔弾?
……なんだよそれ。
「まあ。その反応が普通だろうな」
タバコを口から放し、白い煙を上へ飛ばす。
「話を戻すぞ」
俺の顔色を窺がいつつ話を、俺の真の記憶の話へと戻す。
どこか怖そうな見た目をしていながらも、俺の事を気にかけてくれていた。
「……お前の真の力が覚醒して約2日後、お前の暴走した力は治まった」
「2日後ですか。その間……その間俺は人を殺したりしたのでしょうか……」
俺の問いに、お姉さんのタバコを取ろうとした手が、ピタリと止まった。
「……殺したんですね」
「ああ。あの時の事は、今でも鮮明に覚えている」
やはり、俺は人をこの手で……。
俺が頭を抱えると、お姉さんは続けて、
「――あの2日間でお前は、この世界に生きる人類の半数以上を殺した」
「……は?」
その一言が出たのだ、俺は驚きを隠しきれなかった。
いや、驚きとはまた違う何かが、自分では整理できないほどの何かが、その言葉にはあっているのかもしれない。
「――うん。どうやら今のお前には話しても大丈夫だったようだ」
大丈夫? ふざけるな、今の俺は何も受け止めきれていない。ただ自分の行ったことに対しての罪悪感と、叶うなら罪滅ぼしがしたい、その感情が心と体を埋め尽くしている。
「死にたい」
気が付くと俺は、そんな事を呟いていた。
「はー、ほんとにもう……」
お姉さんがため息をつき、立ち上がる。
「痛って!」
お姉さんの容赦ない手刀の一撃を頭に食らう。
「いきなり何するんですか!」
「いやすまん。お前の死にたい発言にイラッとしてな」
イラッとして思いっきり手刀くらわすってなんですかそれ。まあ。俺が学校の奴らにしてた事とおなじかもな。
「お前が死んだら、誰が罪を償う。今回起こった事件の時も、お前の傷は特に酷かった。運がよかったと思え」
「運ですか」
運がいいなら、俺はこんな酷い人生を歩んでなかっただろうな。
「――だが、私は運が嫌いだ。運は実力のうちというやつがいるが、運を自分の実力といったやつは、自分の負けを認めたものだけだ」
結局、運なんてどこにもありはしない。
運が存在するのなら、俺はこんな世界に生まれてこなかっただろう。
「そうだ。お前の妹と彼女は無事だ」
彼女? ああ、知咲の事か。
あいつが俺の彼女だなんて、あいつが聞いたら怒るだろうな。
「知咲の事ですか。あいつは彼女じゃありません」
「そうか、すまなかった」
ミヤと知咲が無事ならよかった。
「――それと、お前には付いて来てもらいたい所がある」
「付いて来てもらいたい場所?」
「そう、この私、荒木咲折紙の研究所へな」
俺はその時思い出した。このお姉さん、いや、折紙さんは元々、爺ちゃんの助手だった。
昨日に投稿する予定でしたが、間違ってすべて消えてしまい、投稿する日がずれてしまいました。
すいませんでした!
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