束の間の休息
開く瞳孔、光る八重歯。滴る唾液、近づく頭部。
そう、俺たちは今スーパーの惣菜コーナーに来ている。
「ほわぁ~…」
ちなみに、先ほどからよだれなどを垂らしているのは椿である。俺がスーパーで買ってきた”油揚げ”を見てこの反応だ。
まぁ、響が言ってたから好物なのは間違いないのだろう。
「外で寂しくなかったか?」
んで、椿には外で待っててもらってたというわけよ。
なぜ中に連れていかなかったのかって?それは、どうやら椿たちは動物の姿に変身出来るようなのだが…さすがにスーパーに動物は連れ込めないし。
かといって人間の姿で入られても、俺が変なプレイをさせている不審者扱いになりかねない。(狐耳少女にくノ一って…)
「だい…じょうぶ…」
「そうか。」
というわけでそろそろ帰ることにする。一応、今はもう夜だ。いつまた響のような危険な輩が襲ってくるかわかったもんじゃない。
俺は人目につかないところに隠れていてもらった響をこっちに読んだ。なぜ隠れていてもらったかというと、あいつの場合、変身しようとしていまいと姿が目立つからな。
—————それから家に帰宅して
俺は椿の晩飯のメニューを考えていた。
「さて…何を作ろうか」
「あげ…あげ…」
この椿がつぶやいている”あげ”というのはどうやら”油揚げ”のようだ、というか油揚げを使う料理は何があったっけな。
「”おいなりさん”なんかどうだ」
「うわっ!?」
直後、窓から響が侵入する。
「おま、いきなり…!」
「いきなりも何も、言ったではないか。私も手伝うとな。」
というか不法侵入だからな、勝手に家に入ってきてるからな。しかも勝手にメニュー考えてるし…
「どれ、包丁はあるか?」
「お、おう…」
そう言って俺が包丁を渡すと、即座に料理を作り始めた。意外と家庭的なのか?まぁ、よくわからんけど…
「ほら、よく見ておけ。こう作るんだ。」
「ほうほう。なるほど」
そして、意外にも料理が上手い。食べても旨いだろう。
「よし、できた。」
「さいですか」
こうして俺たちは席につく。
『いただきます!』
一口食べてみるが、予想どうり…
「うまい…」
「そうであろう、そうであろう。」
なんか、このどや顔が腹立つなぁ…
ていうか、不法侵入には変わりないよな?料理を教えてくれても不法侵入だよな?
「さてと…そろそろ準備をするとしよう」
響が席を立つ、どうやらそのまま二階へ上がっていくようだ。
(二階…?二階には俺の部屋しかないはずだが…)
気になった俺は、椿に自分の分の油揚げを食わせて二階へ向かった。無論、
椿は台所だ。
「おーい、ひび…!?」
二階の自分の部屋へ行き、響に声をかけようとした瞬間。驚くべき光景を目にした。
「なんだ?」
その響が手にしていたものは布団である。
「何だっていうか…何その布団…」
すると、ひき終わったのかこっちに歩いてくる。俺の部屋は四畳半なので布団は結構きつい。
「今日から私も止まるぞ、よろしく」
「は…?」
「はぁぁあああああああああ!?」




