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第22話 成長

――激戦を終えて、抉れた地面にへたり込む。

すると目前にメッセージウィンドウが表示された。


【転生スキル「命定められし者」がLv1からLv2になりました。】

【忌《ネー》名《ムド》「蠍《ギルタブ》の王《ルガル》」のスキルがランダムに1つ解放されます。】

【忌《ネー》名《ムド》討伐報酬として下記のいずれかを選択できます。】


1.奇貨スキルをランダムに1つ発現させる。

2.刻印武具を取得する。

3.生来(転生)スキル以外の任意の所持スキルを1つまで代償無しで強化する。


 極度の緊張で休みを欲しているところに、もれなく気になる内容ばかりが表示された。

 まずは今のところ生存と成長に直結しているし、転生スキルから確認してみようと地面にへたりついたまま疲れきった指使いでメニューウィンドウを操作する。。


【転生スキル―「命定められし者」Lv2】

・HP上限が1になる。

・レベルアップによるパラメータ上昇補正が上がる。

・スキル習得と強化の代償を不要とするが、習得条件と強化条件は満たす必要がある。

・1日に1度だけ全ての条件を無視してスキル発動可能。

ただしこの効果でスキルを発動して24時間以内に同名スキルを使うとダメージを負う。

※このスキルは無効化出来ない。


(んー、さほど変わらず1日制限が付いたくらいか。)


 ただ1日に1度だけとはいえ、全ての条件を無視してどんなスキルも使えるのは戦略的優位性が高いしこれは大きい要素だ。


・・・問題はその強力なスキルを使えるようにするためにも今みたいな忌《ネー》名《ムド》とかボス級を攻略の必要があるって点だな。


「こうなると今倒した奴の解放されたスキルが何かってことだな。」


 俺は真魔スキルに「忌《ネー》名《ムド》」の項目が解放されているのを確認し内容を見てみる。


【落日《らくじつ》の穿晄《せんこう》Lv1】

―対象1体に突きの攻撃動作から防御力を無視した絶対必中の閃光を放つ。このスキルをガードスキルで防いだ場合、その武具ならびにスキルを破壊する。


発動代償:HP消費、発動に使った武具の破壊、戦闘終了まで利き腕の使用不可。

維持代償:スキルによるバフを一切受けられない。―


 代償さえ目を瞑《つむ》れば、分かりやすく強いのを引いたな。


 ただ発動自体は転生スキルで補える範《はん》疇《ちゅう》とはいえ、維持代償でバフを受けられないのはキツイか?でも隠し玉としてこういうの持っててもいいよなぁ。

 とりあえず転生スキルの成長をミリアにも伝えて意見を聞いてみる。


「え?・・えぇ、いいんじゃない?忌《ネー》名《ムド》のスキル取っても。」


 今までだったら大はしゃぎしそうなもんだが、流石に死闘が終わったことによる疲労感が拭えないようだ。


(まぁデメリットもあるが習得することにしよう。)


 今回の戦いも自力でどうにかできた部分はほとんどなかったし、俺一人でも今回のような強敵との戦いをどうにかできそうなスキルは持っておいた方が良いだろう。


「なぁ忌《ネー》名《ムド》の討伐報酬はどうする?俺が対象でなくても良いみたいなんだけど。」


「私はどの選択肢もパスね。前も言った通り自分のスキル以外は発現も使用も出来ないもの。」


 やっぱり生来スキルしか使えないってのは、スキルを無効化する能力の影響なのだろうか。


「じゃあルカは?」


「うぅ・・。奇貨スキルは遠慮するっス・・。刻印武具か、スキルアップが良いっスけど、とどめを刺したミコトに譲るっス。」


 どうやらルカも疲れ切っているようだ。譲ると言われても俺もルカの言う通り奇貨スキルは遠慮したい。


 となると刻印武具だが、今の戦いでも十分な強さを発揮していたことを考えると欲しいには欲しいが常時使用できるような代物でなければ使いどころを考える必要が出てきてしまう。


「刻印武器か、既存スキルの強化か。どっちもメリット大きいから捨て難いんだよなぁ。」


 高ランク真魔のスキルを手に入れたとはいえ、通常使用できる攻め手が必用であることには変わりないし、生存確率を上げるパッシブ系のスキル向上も捨てがたい。


 色々悩んだ結果、【混沌の一撃】を強化することにした。

 今はパーティーとして回ってるし、強力な真魔と渡り合うには比較的使い勝手が良い攻撃スキルを強くしておく方が良いだろう。


「・・それよりミリアさんなんスけど、あのスキルが使えるってことはセントリアの王族っスよね?」


 ルカの思い出したかのような唐突な質問に、ミリアは何と説明しようか苦笑いしながら言葉を選ぼうとしている。


「もうあれだけ堂々とスキルを使ったんだから、本当のこと言うしかないだろ。」


「・・それもそうね。ルカ、黙っていてごめんなさい。あなたの言う通り私はミリシア。この国の第2王女よ。

 ただ私のことは他には内緒でお願いできるかしら。」


(やっぱり名前も偽っていたのか。)


 しかし生来スキルのことにせよ、身分を偽っていることにせよやはりその真意は気になるところだ。


「承知しましたっス。ミリアさんには助けられたんで深くは聞かないっス。これからもミリアさんとして仲良くするっス。」


・・・ルカのこういうところは見習わないとな。

わざわざリスク承知で助けてもらったんだから、今は必要以上に詮索する必要もないだろう。


 俺たちは仲間なんだから、そう遠くないうちにきっと話してくれるさ。


拝読いただき厚く御礼申し上げます。

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