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第13話 目的地①

 森を抜けると、日は高く昇り少し汗ばむほどの陽気だった。


「3つめのキャンプ地まではどのくらいかかるんだ?」


「2つ目と3つ目のキャンプ地は、森を挟んで同じくらいの距離感なんですぐっスよ。」


「そうなのか。俺は特に寄っていく理由が無いけどルカは?森でポーション消費しただろ。」


「んーー、そうっスねぇ。お金に余裕はあるんで補充はしたいっスけど、王国価格ってのはどうしても気が引けるんスよねぇ。」


 ルカはここが悩みどころといった様子で、気乗りしないような返事をした。

 ん?ということはルカは王国出身の人間ではないということだろうか。


「そういえばルカって、年の割には物知りだよな。いつから冒険者してるんだ?」


 まぁ本人から直接年齢を教えてもらったわけではないが、どう見ても小学生くらいの見た目だ。


「あれ?言ってなかったっスか?13で冒険者登録して、今15になるっス。」


 15歳!?それじゃ年頃の妹くらいの年齢じゃないか。

それにしても13歳で冒険者になって、15歳でCランクということはかなりの腕利きなのではないだろうか。


「この世界って13くらいから自立するのか?俺なんか18過ぎてもフラフラしてたのに、偉いもんだな。」


「まぁ自分は身寄りのない自治領の出自っスからね。

 そっからギルドに拾われて、割と小さい頃からスキルの訓練とか仕事の手伝いしてたっス。同い年の中ではレベルもそこそこ上がってた方だったんで、さっさと冒険者になったっスね。」


 そっか、と返事をしつつ歩みを続ける。

ルカの話を聞いて少し、いたたまれなくなった。

 それはルカの出自がどうだということではなく、生き方に迷いが無いことを羨ましく思いつつも自分の情けなさを思い知らされたような気がしたからだ。


 そうこう言いつつ、第3キャンプ地に到着した。

結局ルカは凄まじい値段交渉の末、ポーションをいくつか安く購入していた。

 店主は今にも泣きそうな顔をしていたのでどのくらい値切られたのかは想像がつく。


「ここから第4キャンプ地までっスけど、結構な数の真魔が出るっす。戦闘を完全には避けられないっスけど大丈夫っスか?」


「Fランクの依頼なのに、真魔の相手すんのかよ。真魔の相手はDランクからじゃないのか?」


「あいつらは自然災害みたいなもんスからね。むしろFランクの依頼なのに真魔が出てきやすいポイントがあるから、誰も手を付けてない依頼なんじゃないスか?」


 なるほどな、一理ある。

今度から依頼を見るときは、真魔の情報を集めてからにしないとな。


「まぁ、ゴブリン級とかコボルト級ばっかっスよ。2~3体同時くらいなら自分一人でも処理できるんで、ミコトでも良い感じにやれるハズっス!

・・・・調子に乗ってヘマしなければっスけど。」


「ぐっ、それは俺が一番分かってるよ。こないだみたいな無理攻めはしないって。」



 それから俺たちは第4キャンプに向かうまでの間、低級真魔を相手にしながら進んだ。以前戦った真魔の騎士から習得したスキル【廻転パリィ】が非常に役立った。


 このスキルは普通のパリィのように通常攻撃を受け流しつつ、回転動作からカウンター攻撃に1度の行動で防御から攻撃に隙がなく繋げられるので1対1なら無類の強さだ。


・・・ただ発動代償として体幹がしばらくダウンして、重力攻撃に弱くなるらしい。

 そのスキル説明文を見て、あの騎士が俺の下段攻撃で盾を大振りしたことに合点がいった。

 

 ということは、あの騎士戦は無理攻めしなくても足払い程度でもどうにかできたということだ。


「俺も角度をつけてきた攻撃には注意しないとな。」


 スキルの特性や相手の行動パターンさえ見極めてしまえば何ということはないが、なにぶんHPが1なのでダメージ覚悟で行動パターンを探るということが出来ない。


 鑑定スキルのようなものがあれば話は別なんだろうが、ルカ曰く鑑定士は職業には存在せず、鑑定のようなことが出来るのは探索スキルに極振りされた転生者が稀に発現するスキルなんだそうだ。



「とりあえず戦ったことがある敵の記憶はちゃんとしておかないとな。」


 ウィンドウメニューの敵情報の中に戦ったことがある敵情報は蓄積されていくので、この辺は細かくチェックせざるを得ないな。


――ドガァンッ!

ルカが戦闘を繰り広げている場所で小さな爆発が起きる。


「ルカ、どうしたっ!?」


「ゴブリンメイジとコボルトウィザードっス!!」


 どうやらゴブリン級とコボルト級の魔法タイプのようだ。その手には杖のようなものを所持している。


「厄介だな。魔法だと弾ききれないから複数だと相手できないな。」


「それもそうっスけど、魔法タイプが複数ってのはそれ以上に厄介っす!恐らくリーダークラスが居るっス!!」


 そう言われ、周囲を警戒し見回す。


 すると奥の方の茂みから、帽子のようなものをかぶったゴブリン級とコボルト級のタッグが現れた。


「あれがリーダーか。ルカ、退却準備に入るぞ。」


「ダメっす。あいつらは重力系の魔法を使えるんでこちらを鈍足状態にできるっス。しかもあいつら自体はCランクっスけど、協力して魔法を使うんでスキル自体はB相当の強さっス。」


 逃げられないということか。ということはどうにかこの戦闘で勝利する方法を考えないとな。

拝読いただき厚く御礼申し上げます。

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