第3章:技能の実証
読者の皆さん、こんにちは。この新しい章を楽しんでいただければ幸いです。物語と登場人物をどのように展開させていくかについて、ますます深く考えるようになりました。
その一言の後、シツレは棒のように震え始め、声まで震えていた。
— くそ女……もういい。何度も謝る機会はやった。ここからは俺が片付ける。
その場にいた四人のうち三人は、エリカに飛びかかろうと身構え、シツレは後方で大げさに手を掲げている。
(何か起きそうだな。このまま様子を見るか、それとも俺が出て止めるか……)
判断する間もなく、エリカは前にいた二人へ一気に踏み込んだ。大柄な男の腹に一撃、続けて小柄な男の顔面へ拳を叩き込む。
三人目は防御の構えを取るが、彼女の動きはあまりに速く、反応は空を切るだけだった。顎へと直撃の一撃が入る。
*ぐっ*
残るは一人。
— この……クソ女!
原始的な怒号とともに突進してくるが、次の瞬間、風を切る蹴りが彼を捉えた。
*うぐっ*
下腹部への一撃だけで、男はその場に崩れ落ちる。
(うわ……今のはさすがに効く)とアキラは片目を細めた。
一分も経たないうちに、全員が地面に沈んだ。
— これで終わりにする?それとも、その役立たずの仲間と一緒に帰る?
そう言いながら、エリカはスカートの埃を払い、シツレをまっすぐ見据える。
シツレはしばらく呆然と地面を見つめていたが、やがて顔を上げ、歪んだ笑みを浮かべた。
— 見事だ……だが、次は俺の相手をしてもらう。
手を掲げたまま、不自然な笑みを保っている。
— おいおい、本気かよ……
アキラは壁に身を預けたまま、半身だけ覗かせて様子を窺う。
(やっぱり、出るしかないか)
— 校内の規則なんて関係ない。こんな無礼な奴を見逃すわけにはいかない。
その瞬間、シツレの手に武器が具現化した。巨大な斧――鉞だ。両手で扱うほどの大きさだが、重さを感じさせない動きだった。
— 最悪の選択ね。
エリカは小さく呟き、構えを取る。腕を顔の前で交差させ、引き戻す動作とともに――
— なんだそれ、ふざけてるのか!?ナイフだと!?
彼女の手にあったのは、前腕ほどの長さの刃。
(意外だな……あれだけ素手で圧倒しておいて、武器はナイフか)
— どうした?来ないのか。時間はない。
刃と斧が向かい合う。明らかに不釣り合いな対峙だった。
シツレが先に動く。牛のように突進し、斧を右肩に担いだまま距離を詰める。
エリカは動かない。ただ、その間合いを待っていた。
振り下ろしの一撃。薪を割るかのような軌道。
彼女は半歩ずれるだけでそれをかわし、同時に刃の角度を変え、反撃へと移る。顔面へ一直線の斬撃。
かろうじて避けたシツレだったが、その動きは乱れている。
本当に避けきれたのか――
一度距離を取り、斧を構え直すシツレ。しかし、考える暇は与えられない。
エリカが間合いを詰め、周囲を回り込みながら圧力をかける。
— ぁああっ!
再び突進。今度は下から斬り上げる連撃。
一撃、二撃、三撃。
だが、そのすべてを彼女は軽やかに回避する。動きは無駄がなく、洗練されていた。
攻撃の隙を突き、太腿へ蹴りを入れる。
体勢を崩したシツレは、膝をつきかける。
その瞬間、彼女は彼の身体を足場にした。ふくらはぎを踏み、さらに一歩。
次の瞬間には、首に脚を絡めていた。
均衡は完全に支配され、締め付けは逃れられない。
やがてシツレは力を失い、膝から崩れ落ちる。同時に斧は地面に落ち、消え去った。
その一連の動きはあまりに速く、現実味を欠いていた。
(なんて動きだ……あいつ、運がいいのか悪いのか……いや、それより、どこであんな戦い方を覚えた?)
アキラは目を凝らす。
エリカは立ち上がり、再びスカートを整え、周囲を見回した。
— これはナイフじゃない。バヨネットよ、バカ。
気絶したシツレを見下ろして言い放つ。
そのまま講堂裏の路地を抜け、寮へ続く道へ戻ろうとする。
だが、立ち止まった。
— 見ていたなら、誰か呼んできて。片付けてもらわないと。
顔は前を向いたまま、背後へ声を投げる。
— 分かった。教師を呼んでくる。この件は伝える……君のことは伏せておく、クリガーさん。
アキラは壁の陰から静かに姿を現した。
— ありがとう。
エリカはそのまま歩き去り、やがて視界から消えた。
(やっぱりな……最初から気づいてたのか)
あれが最初の戦闘シーンだった。私の言いたいことが伝わっただろうか。




