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椿の発見
久しぶりによう寝た。
この子、全然泣かへんええ子やな。
あれ、目ぇ開いてるやん、起きてたんか。
私の顔見てくすくす笑ってるみたいやわ、そんなに面白いんかね。
え。
なんやこの子。
目の色…右と左で違う色してるわ。
こらぁ引き取り手ないで。
いつも髪と目が墨色の子は幼いうちにそっと引き取ってもらうんやけど。
ちょっと蝋燭で照らそう。
夕暮れ時やから、見間違えたんかもしらん。
左目はてらてら光ってる。
青空みたいな、これは天色やな。
鮮やかですごい目を引くわ。
対照に右目は涅色や。
なんやはっきりせん、あんまり綺麗でない色やな。
右目が墨色やったら綺麗やったかもな。
あらあら光当てたから泣き出したで。
そんなわんわん泣かんといて。
眩しかったんかいな、ごめんよ。
私は赤子をあやしながら抱き上げ、台所へ向かった。
台所に繋がる通路でこちらに背を向けて立ち止まっている昭利さんの肩を叩く。
異常に吃驚する昭利さん。
強く叩いたかな。
何故か少しほっとした顔の昭利さんに赤子を見せる。
赤子はまだぐずっているが、少しばかり落ち着いたみたいや。
昭利さんは言葉を失っていた。
このような赤子を見たことがないからか。
昭利さんは物知りやと思ってたけどまだ知らんこともあるんやな。
天色:晴天の空のような鮮やかな青色。
涅色:水の底に澱んだ黒い土の色。最下級の服の色。




