真実
久々に見た父さんの姿は、記憶にある通りだった。
やる気の感じられない無精髭の生えた顔に、鱗と同じ白銀の髪。 人化しているのにもかかわらず背中には白銀の翼がついている。 これは、人化の魔法を極めた結果、ドラゴンの部分を残せるようになっている。 レイン達も人化を極めれば翼をだせるようになるだろう。
「あー、腰いてぇ……」
父さんは、腰に手を当てながら壊した壁を魔法で直している。 無詠唱なのはさすがだ竜帝。
壁を直し終わった父さんは、俺とその側に座っているフロース達を見回していた。
そして、父さんの視線がレインに固定される。
「やー、レインちゃんお久! すっかり大きくなっちゃってー」
親戚のおっさんみたいなこと言ってんな。
「あれれ? 久しぶり? あの竜帝様? 初めましてじゃないですか?」
レインが困惑している。
「あー、覚えてないかー。 無理もないか。 まだ雛だったしねぇ」
「父さんはいつレインと会ったの?」
「うーん、丁度お前が生まれた後に、レインちゃんが卵から孵化してねぇ。 竜王に呼ばれてさ。 あぁ、俺と竜王は同世代なんだぜ」
使用人さん達から「おぉー!」と声が上がる。
ドラゴンからしてみれば、竜王と同い年ってだけで凄いようだ。
母さんはその上をいくけどな。
「あ、あの、竜帝様!」
「おっと、レインちゃん。 竜帝様ってのはやめよーか。 シルバードおじさんとかでいいよ」
「じゃあ……シルバードおじさん! 竜王……お父さんはどこにいるんでしょうか!?」
レインの声には様々な感情を感じられた。
母さんをちらっと見た父さんが、レインの目をじっと覗き込む。
そして、柔らかい声で話しかける。
「本当に知りたいかい?」
「教えてください」
「……竜王は——リーゲールは、悪い奴に捕まってるんだ」
そう言うか……
現在、竜王は母さん曰く、魔竜王になって我を忘れているそうだ。 それが実験の結果というなら、悪い奴に捕まっていると解釈するのもわかる。
「それは何処の何奴ですか?」
レインの声に怒りが混じる。
「隣国ティタン。 もとい、その黒幕の悪竜バグノート」




