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学生竜騎士  作者: 雨後吹雪
夏休み
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障壁越えて

「もっと高く飛ぶんだ。 雲を抜けるほどに」

 母さんの指示で三頭のドラゴンがぐんぐんと空を駆ける。

 王都の姿はすでに豆粒ほどにしか見えない。

 ちなみに王都を出るのには門を通る必要はない。

 来る者は審査するが、去る者は追わずの精神だ。

「ここからずっと南に行くんだ」

 南……南って山ばっかじゃないか。

 記憶の中の家は平原だったような……

 しばらくして、ドラゴン達が雲を抜ける。

 真夏の太陽が身を焦がすほどの熱波を放っている。

 その暑さはドラゴンの炎に匹敵している。

「そろそろいいか……下がるぞ」

「わざわざ下がるくらいなら最初から真っ直ぐ行けば良かったんじゃないの?」

「それは無理。 家の周りには障壁を張ってある。 近づく者を迷わせ、通ろうとする者弾く壁だ。 ドラゴンでも衝突すれば骨が粉々になるぞ」

「恐ろしいな……」

「まぁ、ある程度の高さまで行けば障壁が無くなるから入れるんだけどな。 それこそドラゴンにしか無理だ」

 雲の海からでると、深い森の山脈が見えてきた。

「このまま真っ直ぐ行けば家が見えて来るはずだ」

 母さんがアティアの背で立ち上がる。

 とてつもなく危ない行為だが、母さんは微動だにしない。

「私は先に行く。 しっかり到着してくれよ」

 そこまで言って母さんはアティアの背から飛び降りた。

「あ、無事につけるといいな」

 母さんが最後に言った言葉の意味がわからなかった。

「なんと言うか……クロエのお母さんって不思議な」

「よく言われてただろうね」

 母さんの指示通り真っ直ぐ飛んでいると、雷のような轟音が辺りに響いた。 それもなんども。

 素早くあたりを見回す。

 母さんの言っていた障壁を抜けた魔物がいるのかもしれない。

 ふと、見上げた時、何か光るものが落ちて来るのを見た。

 〔レイン! 上だ!〕

 〔え、うん!〕

 素早く横に移動したレインの横を、大きなものが通りすぎる。

 俺は、それが何かを見逃さなかった。

 ドラゴンだ。 それもかなり大きい。 百年は生きたサイズだった。 背には竜騎士を乗せていなかった。 もしかしたら障壁の内側に迷い込んだ里のドラゴンかもしれない。

 〔クロエ! いっぱいくるよ!? どうするの?〕

 レインに言われて周りを見ると、俺たちを囲むように数十頭のドラゴンが飛んでいた。

 色とりどりの鮮やかな鱗の鎧を纏ったドラゴン達は皆、レイン達よりもずっと大きい。

 一頭のドラゴンが、ズラリと並んだ凶悪な牙でレインの首を噛もうとした。

 すんでの所で避けることができたが、噛まれたらタダでは済まないだろう。 それこそ、死ぬことだってありえる。

 その瞬間、俺は理解した。

 こいつらは明確な敵だと。

錬成コール竜装りゅうそう

 手綱を握っていない左手に光が集まり、白い剣が形作られる。

 〔レイン、アティア、フロース、ミセリア。 強行突破しよう。 全力でな。 家まで行けば母さんがいるはずだから〕

 〔それはいいけど……これ、突破できるの? かなり多いんだけど……〕

 フロースの心配もわかる。

 圧倒的な不利だ。

 〔たぶん、母さんはこいつらの事を言ってたんだよ。 だから、多分、大丈夫!〕

 〔ざっくりだわね〜〕

 〔よし、いくぞ!〕

来週は無理かもしれないです

テストがやばくて

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