王都の現状
「随分と物知りなんですね」
俺は怪訝な目を向ける。
「そらぁ、オレはアマデウス家の諜報員だからな。 これでも色々調べてんだぜ」
「それって……」
言っても良いのだろうか?
「はぁ……言っちゃダメでしょ」
フロースがやれやれとため息を吐いた。
「ゴートおじさんはお母さんのお兄さんなの。 内は基本女のが強いから、裏方に回っているの」
「女は怖いぞ……特に頑固なおばさんには気をつけろよ。 身内でも関係なくシゴいてくるから」
そんな青ざめて言うことだろうか?
そもそも女の人が強いのは当たり前だろ? 母さんとかね。
「その話は終わり。 ゴートおじさんには王都の現状を聴きに来たんだから」
「そうだったな。 何から話そうか……お前ら、隣国のティタンは知ってるか?」
「ティタンって、あれよね。 竜騎士嫌いの珍しい国」
ティタンか……確か母さんが魔竜王を見つけた国だったはず。 怪しさ満載。
「そのティタンからな、物が来なくなったんだ。 鎖国だぜ、鎖国」
「どう言うことです?」
「元々あそこの国は王様が竜騎士嫌いなだけで、国交は友好的だったんだがな、近年人が変わったように何かの研究をしてるらしいんだ」
俺は母さんが見つけた研究所のことを思い出した。
確かそこで見たのが魔石を埋め込まれた、
「魔物だ……」
「魔物がどうかしたか?」
「いや、ナニモ」
「そうか」
危なかった! 秘密にしろって言われてたのに、口にだしてしまった。
幸いあまり気にしていないようだが、人間余計なことに限って覚えているものだ。
「まぁ、そういうわけで今の王都は活気が減ったんだわな。 あの国の特産品もあったしな」
「他にはないの?」
フロースの問いにゴートさんは目を瞑って考えると、声を潜めて言った。
「ここだけの話、王様の右腕が無くなったらしい」
「腕が無くなった!?」
俺は少しだけ焦ってしまった。
母さんがやったんじゃないよね?
俺がそう考えるのは母さんが王様のドラゴンの手首を切り落としたのを見たからだ。
母さんならそれくらいやりかねない気がした。
「風の噂によるとな、ゴブリンの爆発に巻き込まれたらしい」
「ゴブリン!?」
「クロエ、さっきから何よ?」
「いや、ごめん。 今のは気にするな」
ちょっと安心からふざけてもうた。
「最近起こった事はそれくらいだ。 これから家に行くんだろ? オレも行くわ」
「ゴートおじさん、母さんと喧嘩してるでしょー、十五年も」
十五年!? 長すぎるだろ。
「オレはあんなモヤシみてーな義弟認めねーよ!」
フロースがまたもため息を吐く。
「私が生まれる前からずっとこんな感じらしいの」
「兄馬鹿でいいじゃないか」
苦労してんな、フロースよ。




