終戦
マグニフィカトが大きく口を開いたので、炎を吐くと思った。
が、何も起きない。
「……なんだ?」
何も起きない代わりに感じたのは、空気にズンズンと響く衝撃だった。
ジャギャアアアア!! ボン!
あたりに黒い鳥の奇声と小さな爆音が連続して鳴る。
リガートゥル先生の手の中でもっとよく見えるように体を捻ると、顔に何か生温かい液体が飛んできた。
「これって……血じゃないか……!」
顔に付着したものを手で拭って見て驚き、そして何が起きているのか理解した。
俺の目の前で、黒い鳥が次々と爆発していたのだ。
内側からブクブクと膨れ上がった其奴らは、断末魔と共に下の元草原へと血の雨を降らせていた。
——それで、血の池ってわけか。
思わぬ所でガロウ校長の二つ名の由来を知ってしまった。
〔あれが父さんと校長の奥義『狂葬曲』だよ。 エルフの中でも随一の耳を持つ校長は他の生物には聴こえない魔物の刻む命の音が聴こえるんだ。 そして、それを妨害する魔法の音を作り出した。 それを父さんの咆哮に上書きするように発動して広範囲に聴こえるようにしたんだ。 『狂葬曲』は一致した生物以外には衝撃しか感じられないけど、聴こえてしまったら最後は死あるのみ〕
「最強クラスの竜騎士ってのはみんなこんな感じなのか……」
しみじみと思って見たものの、すぐに母さんと父さんの顔が出てきてアホらしくなった。
程なくして全ての鳥が爆発して、謎の襲撃は幕を降ろした。
幸いにも竜騎士長が宿舎を守っていたおかげで被害らしい被害もでず、むしろ校長がやった血の池の処理が一番問題になったくらいだ。
クラス対抗戦については一組と俺たち六組以外は全員倒されていた。 最終的な結果は無くなったが、その結果だけは学年に広まっている。
そのせいか六組のみんなの俺たちに対する敵愾心が減ったのは良かったかな。
いずれにせよ、長くて短い一学期は終わった。
つまり……夏休みですよ!
一学期終わりです
夏休みはクロエの家とかフロースの家とか行きます




