リガートゥル
2017年もよろしくお願いします
リガートゥルは地面に転がっているアティアの割れたブレスレットを見ていた。
翼を掴まれながらももがいていたアティアは、リガートゥルから見て攻撃というよりも足止めに感じれた。
——仲間か……
それは相棒のいないリガートゥルには未知の領域だった。
何もリガートゥルが意図的に相棒を作っていない訳ではない。 過去には何度も相棒がいた時はあった。
しかし、その全てがリガートゥルの前からいなくなった。 命を落とした訳ではない。 皆、リガートゥルの元を離れていったのだ。
五十年以上前、初めての相棒と会った時は父親であるマグニフィカトとガロウ校長のような立派な竜騎士になれると期待に胸を膨らませていた。
恐竜種であるリガートゥルと相棒の努力で高評価を得ていく中、それは起こった。
相棒が校則を破ったのだ。 それ自体はごく些細なもので、黙っていれば誰も気づかないようなことだった。
しかし、父親の相棒が校長ということもありリガートゥルにはそれが許せなかった。 それ故に相棒に怒った。 たったそれだけのことでも十五歳の少年の中では気に食わなかった。
そこから徐々に二人の間は悪くなっていった。 成績も落ちていく中、リガートゥルが相棒を迎えに行くとそこには竜装だけが一人残されていた。 相棒はいなくなったのだ。
リガートゥルには何故相棒がいなくなったのかわからなかった。
しばらくして父親のサポートもあって二人目の相棒とあうが、またしても仲違い。 離れてしまう。
三人目の相棒はリガートゥルに必死に合わせようとし、リガートゥルも今までの経験をいかして、上手くいっていた。
それでも三人目の相棒がいなくなったのは、父親のような強さに固執したリガートゥルの行き過ぎた特訓が原因だった。
ある日、三人目の相棒がリガートゥルの目の前で竜装を投げ捨てた時にリガートゥルは悟った。
仲間は互いを縛りあうだけの枷なのだと。
そこからは一人で力を付け、ただひたすらに規律を守らせる存在になったのだ。
リガートゥルはブレスレットを踏み潰すと、空へと舞い上がる。
今日の仕事は襲撃役として戦いの妨害とそれぞれの班の力の見極めだ。
のはずだが、リガートゥルは日頃のストレス発散くらいにしか思っていない。
リガートゥルは大きく咆哮すると、獲物が逃げた方向へと飛んで行く。




