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学生竜騎士  作者: 雨後吹雪
一学期
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57/284

種族のお話

 作戦らしい作戦が決まらずに刻一刻と日にちが経つ中、珍しくも俺は真面目に授業を聞いていた。

 内容は『人またはそれに近いものに分類される種族について』だ。

 俺はいろんな種族のついての話を両親からあまり聞いたことが無かった。 あったとしても、『エルフは長生き』、『ドワーフはほぼ絶滅』みたいなザックリとした話ばかりだった。 一つ例外としてみっちり教え込まれた種族もあったが。

 ——その種族の話は出るだろうか?

 ユリアさんの話に耳を傾ける。

「みなさんの知る通り、この世界には様々な種族が存在します。 今日はその中でも人やそれに近い種族について話ます。 まずは、どんな種族があるか……カーラさんどれくらい知っていますか?」

 ユリアさんの目の前、最前列のおさげ髪少女が当てられる。 確か、座学では超がつくほどの天才だった気がする。 実技はご愛嬌だ。 そして一班である。

「人族、エルフ族、ドワーフ族、巨人族、魔人族が大半で、その他は名も知らないような少数種族や人の姿をしていない種族です、そのはずです」

「ありがとうございます、カーラさん。 今あげられた種族でほぼ正解ですよ。 まずは人族から説明しましょう」

 さすがに人族については知ってんねん。

「人族は他の種族と比べで寿命が短く、力も弱いですが統率のとれた集団戦法が可能です。 そして、様々な状況への適応力の高さも際立っています。 そのおかげで死滅せずに済んでいます。 それ以外はまぁ、普通です。 次はエルフ族について」

 途中、人族の説明を端折ったのは気のせいか?

「エルフ族は静かな森林を好み、それに合わせ手足が長く長身で繊細な事も完璧にこなしてしまいます。 寿命が木々と同様に非常に長く、物の考え方が異質です。 因みにガロウ校長もエルフですよ。 一組の代表はエルフ四人で構成されているそうですよ? 小さな音も聴き逃さない優れた尖り耳も特徴です。 次はドワーフ族について」

 果たしてガロウ校長の年齢とはいかに。

「ドワーフ族はエルフ族ほど長寿ではありませんが人族の倍は生きます。 人族の肩ほどの身長にずんぐりとした胴、一度も剃ることの無いモジャモジャの髭が特徴です。 力が強く、鍛治の種族でもあります。酒が大好きで四六時中飲みまくるそうです。 しかし、150年ほど前の内乱で種族のほとんどが滅んでしまい、僅かにしか残っていません。 次は巨人族ですね」

 ドワーフ族なにやってんの!? 内乱? まじかよ……

「巨人族は子供ですら人族の三倍はあり、大きいもので小山並みに成長します。 巨人族の寿命は特殊で、大きければ大きいほど長く生きます。 幹よりも太い豪腕から繰り出される衝撃は、ドラゴンの骨をも粉々にする威力を持っています。 三人いれば国が滅ぼせるとか。 性格は非常に温厚で、友好的です。 しかし、怒らせると歯止めが効かず疲れ果てるまで破壊の限りを尽くすそうです。 最後は魔人族について」

 巨人族怖い。 鉄より硬く、どんな高熱にも耐えるドラゴンの骨をワンパンとかオーバーすぎるだろ。

「魔人族はほとんどが人族と同じにも関わらず、大量の魔力を兼ね備えた魔の種族です。 髪の色が毒々しい紫色なので見分けはつくはずです。 魔人族はここの大陸から遥か南にある『黒の大陸』に広く分布しています。 その見た目や魔力の量から忌み嫌われていますが、その実彼らは人族となんら変わりません。 他種族を蔑む愚か者はこのクラスにいないことを願います」

 魔人族——一度会ってみたい。 多すぎる魔力の操作方法を知っているかもしれないから。

「種族ごとの正確な分布について話ましょうか。 人族はおもに——」

 もういいや、寝よう。

 〔終わったら起こしてくれ〕

 〔えっ!? ちょっと……〕

 ユリアさんの話を子守唄にしてすぐに意識が沈んだ。



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