竜族
「フロースは竜族の階位についてどれくらい知ってんの?」
「王様が一番なのは知ってる」
「それは誰でもわかるだろ……」
さすがに呆れてしまった。
竜騎士として学ぶなら必須知識だろうに。
「竜族は上から順に竜王、竜帝、炎水地雷の王、長老達、竜騎士の相棒と力があってそこらから下は全てが平等になってる。 竜は女子供も全てが戦士だからな」
「シルバードはなんなのよ?」
「父さんは五代目竜帝だよ。 権力では竜王の次だけど戦いでは間違いなく最強だよ」
「竜鬼と竜帝の子供ってことはクロエって実は凄い?」
今更だぜっ!?
確かに境遇はウルトラレアだけど戦力的にはコモンだからなぁ。
「そういえばレインちゃんのお父さん——竜王だけど、今は行方不明なんでしょ?」
フロースの言葉にレインが俯く。
……怪物になってしまったとは言えない。
無理やり笑顔をつくりレインの頭を撫でる。
「お父さんのことは心配するな。 俺の父さんと母さんも探しているからさ。 きっとすぐに見つかるよ。 竜王はとっても強いんだから」
「…………うん。 そうだよね。 また、会えるよね」
「あの、ごめんね、レインちゃん」
「いいのいいの! どうせ、海の底に潜ってるんだよ」
「何故に海の底なんだよ……」
俺はついつい疑問を口にしてしまった。
「クロエは知らないのですか? 今代の竜王様は元水王ですよ?」
いや、知らねーよ。
竜王は竜王だろうよ。
アティアが俺を鼻で笑う。
「その代の竜王は亡くなった場合、竜帝と長老の話し合いによって炎水地雷の王の中から竜王に相応しい竜が決められるんですよ」
いや、初耳。 両親からそんな話一度も聞いてない。
「ふふん、だから私は水の魔法が得意だよ」
レインが僅かな厚みの胸を目一杯に張っている。
可愛い可愛い。 眼福眼福。
「ねぇねぇ、クロエのお母さん——竜鬼って何歳なの? 竜族やエルフでもないのに二百年前から生きてるってドユコト?」
ミセリアの突然の爆弾発言。
「今思えば確かに……人間の寿命だとおかしいわね……感覚がおかしくなっていたわ」
フロースまでも疑問を持ってしまった。
「実際のところどうなんですか?」
「どうなのー?」
「…………それだけは絶対に言えない。 何があっても、な」
「なんで、言えないのぉ?」
「お前らが知るべきではないから」
「意味わかんないわよ」
「気にしたら負けだ。 ほら、図書館に行きましたーっと……アレェ? キュウカンビ? 新しい野菜の名前か?」
「んなわけないでしょ!」
ゴスッ
ちょっとボケただけなのに殴られた。
「開いて無いし帰るか?」
「それもそうね。 また、明日」




