覚醒?
「行ったな……」
光速で。
「はぁ〜クロエのお母さんって凄い人ね。 いろんなことを知ってるし、強いし」
「何を言われたかは知らんけど、強いのは認める」
「それより今からどうする? 明日の作戦会議でもしておく?」
「いや、無理だ」
「なんで?」
「眠たいです」
ゴフッ! グーで殴られた。なんの変哲も無いストレートで。
……このまま意識を手放せるので無いだろうか?
まぁ、そんなことはしないけど。
「昨日、母さんが来たせいであんまり眠れなかったんだよ。 今も思考に靄がかかってる感じがするわ」
「そんなに?」
「そんなに〜眠たい〜」
「はぁ〜しょうがないわね……いいわよ、寝ても」
マジで!?
「なによ、その顔……オークが畑を耕してるのを見たかのように……」
「いや、てっきり『寝言は寝て言え!」って殴られるかと」
ゴブッ! グーで殴られた。 なんの変哲も——いや、少し回転が加えられていた。
「私もやりたいことがあるから良いの。 そのかわり、明日はよろしく」
「そりゃもちろん。 明日は勝って、クズを殴る!」
俺の答えに満足したのかフロースはミセリアに乗ってレイン達と行ってしまった。
……なんか言えばいいのに。 恥ずかしがり屋め。
はいっ、てことで部屋に戻ってきました。
上着を脱いですぐさまベッドにダイブする。
枕に顔をうずめるとすぐに意識を手放した。
◇◆◇◆◇◆◇
ハッ!
不意に目が覚めた。
すぐに時計を確認する。
えーっと、七……七時!?
俺、丸一日寝てんじゃん!
予定では夜には起きるつもりだったのに。 そんなに疲れてたかなぁ……
まぁ、そんなことよりもだ!
実はさっきから気づいていたことがある。
記憶が戻っている!
何を言っているんだこいつと思うかもしれない。
事実、昨日までの俺は記憶が無いことに気づいていなかった。
理由はまぁ、お察しだ。 親が親なら子供も子供ってこと。
記憶を消したのが母さんで、記憶を戻したのも母さん。 口封じ的な意味で。
因みに失ってた記憶は主に母さんに教わったことのようだ——戦闘関連の。
つまり今の俺は『覚醒?』半竜なのだ!
コロナ? ドゥクス? 知らないね。
意気揚々と外に出るとすでにフロースとドラゴン三人が待っていた。
「おはよう」
〔おはよー。 クロエ、機嫌良さそうだねー〕
「そうか? まぁ、後でわかるよ。 行こうぜ、闘技場」
「なんでこんなに元気なのよ……」
「お? なんか言ったか、フロース?」
「なにも……決勝戦は第一闘技場よ」
んー、なにも無いならそれでいいけど。
「では、第一闘技場に向けて!」
◇◆◇◆◇◆◇
「————と言うわけで、皆さんの健闘を祈っております。 以上です」
長かった……
イカフ海底に潜れるかと思うくらい長い話だった。
イカタ山まで走っていけるかと思うくらい長かった。
さっきまでのやる気がどこかに行ってしまったわ。
禿げのデブ貴族の話が終わるとユリアさんが前に出てきた。
「それでは決勝戦を始めます。 一班と八班は前に!」
やっとか!
「行くぞ、フロース」
「とっておきを見せてあげる!」
フロースに、
〔狙うは?〕
「勝利!」
レインに、
〔勝ったら?〕
「クズを殴る!」
アティアに、
〔気張ってこー〕
「おー!!」
ミセリア。
この五人で絶対に勝つ!
「それでは、代表決定戦決勝を始めます。 始め!」
次話を月曜に投稿できるかちょっとわかりません
頑張ります




