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学生竜騎士  作者: 雨後吹雪
一学期
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45/284

竜鬼の秘密

「ふむふむ、どこにも傷は残って無いね。 さすが、サクラナちゃん!」

 母さんはレイン、アティア、ミセリアの全身をチェックすると満足そうに頷いた。

 〔ねぇ、クロエ。 古傷から新しい傷まで全部治ってるんだけど……どんな魔法を使ったらこんな凄いことできるの?〕

 ハキハキ動き回るレインにそう聞かれた。

 実は呼ばれてきた三匹のドラゴンを見た母さんが突然、治療を始めたのがことの始まりだった。

 レイン達に残っていた傷はカエルム竜騎士学校の誇る、治療魔法の使い手でも完全に消すことのできなかったものだ。

 それをものの数秒で治されたら驚かずにはいられないだろう。

 この事実を知ったら保険の先生達が発狂しそうな気がする。 今までの努力はなんだったのかと、ね。

 ちなみに、母さんが使ったのは魔法ではないんだなぁ、コレが。

 覚えているだろうか? 『傷喰(キズクライ)』と言う治療の概念を。

 これは母さん曰く、『魔法の元になった物』だとか。

 それを母さんはレイン達に使ったのだ。

 じゃあ、『傷喰』で受け持った傷は? ってなるのは当たり前だろうね。

 ここで竜鬼(母さん)の秘密を一つ。

 ①ドラゴン以外から受けた傷には驚異的な回復力がある。

 これは体質と言うよりは呪いに入るらしい。

 それに加え母さんは、普通に治癒魔法を最上級まで使えてしまうハイスペックぶりだ。

 それ故に竜鬼なんて呼ばれているのだが。

「話聞いてるのー? クロエー?」

 いつ間にか人化ひとばけしていたレインにポコポコ殴られた。

「いや、聞いてなかった。 なんだって?」

「クロエのお母さん、行っちゃうって」

 言われて母さんを見てみれば、見覚えのあるマントを羽織っていた。

「もう行くの? 母さん。 夜までまだ時間はあるけど……」

「そんな暗い顔をするな。 五年なんて短いものだったろ? 次はもっと早く逢えるさ。 そうだなぁ……夏休みに一度帰って来るといい。 それまでにはかたをつけるから」

「レインとアティアも一緒に?」

 母さんはにっと笑うと俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「もちろん、一緒に。 アマデウスのも連れてくると良い。 まだ話していないことがたくさんあるからね」

「それじゃあ今度は家で! 父さんも!」

 母さんは何も言わずにフードを被ると、フロースの方を見る。

「教えたことはしっかり守るんだよ?」

「はい! もちろんです!」

「フフッ、元気な子は好きだよぉ〜。 そろそろ行くね〜クロちゃん」

「頑張ってね、母さん」

 瞬間、強烈な風に目を瞑ると既に母さんはいなくなっていた。



サクラナの話を別に書こうか迷ってる今日この頃

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