補給
六組の宿舎まで来るとレインには先にフロース達のいるところに行って貰った。
俺はと言うと階段を上り自分の部屋に入ると扉を閉め、真っ赤な制服をベッドの上に脱ぎ捨てる。
さらに左腕に巻かれていた包帯を取って行く。
そうすると、左腕の傷が露わになった。
肩より下の部分には大量の切り傷が走っていた。
ほとんどの傷口はおそらく俺が気絶している間に治療されていて塞がっているが、一つだけ肘から手首にかけての長く深い傷が残っていた。
これは、うん。 多分、レインの左足に合ったやつだ。
しばらく傷口を眺めると、今度は机の引き出しを漁り始める。
えーっと、あれは確かここらへんに……あった!
俺が見つけたのは赤々とした液体の入っている小さな瓶だった。
この中に入っているのは父さんの血だ。
つまりはドラゴンの血。
少し説明をしようか。
知っての通り、俺は人とドラゴンの間に生まれた半竜だ。
当然、身体に流れる血も人のものとドラゴンのものが半分ずつ。
俺が気絶した時、大量の血を失っていたわけで、当然輸血されているだろう。
人の血のみが。
いつもの俺だったらこんな傷はすぐに治っていた。
しかし、今もなお傷が治らないのは血のバランスが崩れているからだ。
今の俺はドラゴンの血が足りないせいで人間の能力が大きく出ているのだろう。
そのせいか起きてからずっと頭痛や目眩がする。
そこでこの父さんの血の出番。
これをぐいっと飲むと——
「うっ……!」
左腕に一瞬の激痛が走り、なんとも言えないむず痒さがでる。
必死に拳を握りしめ痒さに耐えると、あの深い傷が徐々に塞がっていく。
肉がうねり塞がっていく様はなかなか気持ち悪いが、仕方がない。
これでも蜥蜴(リザードマン)に比べればまだましな方だ。
奴らは傷を負うと、そこから下をバッサリ切り落として、新しいものを生やすのだ。
それはそれは恐ろしく気色の悪い動きをしながらジュばっと生えてくるのだ。
アレはトラウマになりかねない。
とまあ、考えているうちに左腕の傷は跡形もなく消えていた。
手を開いたり握ったりしても問題無い。
はい、完治。
血のバランスが取れたおかげか大分スッキリしてきた。
このまま寝たいところだが、フロース達に顔くらい見せた方がいいかな。
押入れから適当な服を選んで着ると、俺は部屋を後にした。
今週から月曜以外も投稿したいと思います
だいたい九月あたりまで
俗に言う夏休みってヤツです




