弱点
助けるったってどうすりゃいいんだ?
狂気化の解き方の検討もつかん。
フロースに聞くか迷ったがそれも一瞬、向こうも大変そうなので却下する。
そもそもなんでアティアは狂気化した?
確かにアティアは怒りや焦りで錯乱状態だったかもしれない。
だが、それだけで普段、冷静なアティアが狂気化するとも思えない。
それにタイミングもおかしい。
アティアが狂気化するとすれば、おそらくレインが最初に攻撃された時になる。
しかしアティアはその後も俺としっかり意思の疎通を図れている。
ということは、アティアはさっきまでは普通だったというわけだ。
何か——何か原因があるはず。
アティアが大きく動いた瞬間、それまで見えていなかった相手の竜騎士の手元が見えた。
その手には何やら赤い球体のようなものが渦巻いていた。
それはアティアに対し魔力を放出しているようだ。
……あれか。 ……あいつが元凶か。
俺は足の止め具を外すとアティアの背で立ち上がる。
よし、ふぅー、よし、いける!
息を整えてシルバードをしっかりと握る。
再びアティアが相手のドラゴンに近づいた時、俺は思いっきり飛び上がりその背に飛び移った。
一見完璧そうに見えるドラゴンだが、一つ決定的な弱点がある。
それは背中だ。
空を飛べる生き物は大抵自分たちが見下ろす側であるが故に、背後からの攻撃に対応できないのだ。
ドラゴンは特に骨格の問題上、首も尻尾も足も背中に届かない。
竜騎士はある意味ドラゴンが背後を守るための最善策と言えるかもしれない。
相手の竜騎士がこちらを見て驚いている。
そりゃそうだ。
誰も飛び移って来るとは思わないだろう。
竜騎士は俺に向かって短剣で刺してくる。
それをシルバードであしらうと俺は、
「この野郎!」
顔面を思いっきり殴りつけた。
「ぶぁっ……」
竜騎士は鼻血を出しながら気絶した。
それと同時に手の平の赤い球体も消滅する。
〔アティア!〕
〔……ん? 私は何を?〕
すぐにアティアに呼びかけると返事が返ってきた。
よし! 元に戻った!
〔アティア! 説明は後だ俺をレインに向けて投げてくれ!〕
〔はっ? 何を言っているのですか?〕
疑念のこもる返事だか、かまってられない。
〔早くしないとレインがやられちまうんだよ!〕
〔姫様が……! わかりました。 では、こちらに来てください〕
そう言えばここはアティアの背じゃなかった。
次で二回戦終わるっかなぁ?
終わるといいなぁ〜




