二回戦
轟音からのフリーズから立ち直ると、アティアに向かって走る。
それと言うのも、昨日の夜、食堂では一日目の反省会をどの班も行っていた。 俺たちは騒いでたけども。
その途中、ちらっと聞こえたのが、『八班は卑怯な手を使うらしい』だった。
別に卑怯でもなんでもないんだが。
ドラゴンの狩りの仕方を真似ただけだしね。
世の中、狩られる奴が悪いんだよ。
とか思ったのも今日の朝なんだけども。
そういうわけで、昨日の作戦は全員にばれてますと。
アティアに乗ることで少しでも相手の想定外のことをしようとしたわけですよ。
アティアの背に飛び乗ると飛び立つ。
俺とアティアを先頭にして、右にフロースとミセリア、左にレインのトライアングルだ。
相手は四人を二つに分けて二人ペアで俺たちの周りを旋回している。
〔何がしたいんだが。 どうする?〕
〔とりあえず先手打っとく? ドカンと〕
〔いや、様子見で行こう。 迂闊に手を出して反撃じゃあ面倒だし〕
フロースとの短い相談で待機することに決める。
しばらくその場で待っていると、旋回していたドラゴンのうち一番小さなドラゴンに乗っていた竜騎士が手を挙げた。
その瞬間、四頭のドラゴンが一列になりこちらに突っ込んできた。
さながら蛇のように。
〔散開!〕
それぞれが離れた時、相手が進路をレインに向けた。
〔えっ!?〕
咄嗟のことに動けない俺たちの目の前を四頭のドラゴンが過ぎていく。
そして、あっという間にレインを囲んでしまった。
「レイン! 今行く!」
すぐにシルバードを呼び出す。
〔アティア!〕
〔この外道どもガァッ! 姫様に手をだすなッ!〕
レインの元に行こうとするが、先ほど指示を出していたドラゴンに邪魔をされる。
反対側では同じようにフロースとミセリアが止められていた。
レインは残る二頭のドラゴンに次々と攻撃を受けている。
すでに大小様々な怪我を負っている。
「クソガァ!」
巨大な氷を作り飛ばす。
魔力の制御をしていない、半暴走魔法だ。
しかし、それはドラゴンの尻尾に弾かれ落ちていく。
〔アティア! ミセリアたちと一緒にやるぞ!〕
アティアにそう声をかける。
しかし、反応が返ってこない。
〔アティア? どうしたんだ?〕
やはり、返事が返ってこない。
アティアは今も突破しようと攻撃を仕掛けている。
そこで俺はあることに気づいた。
アティアの目が赤く光っている。
(これは……狂気化か!)
狂気化は錯乱状態に陥ったドラゴンが自衛のために凶暴化する症状だ。
母さんの仕事にいつて行った時にこの症状のドラゴンを見たことがある。
そのドラゴンは母さんに一撃で殴り飛ばされていたが、危険だから気をつけろと言われている。
たが、対処法を教えて貰っていない。
逃げろとしか言われていない。
だけど、そんな選択肢は無い。
アティアをこのままにするなんて相棒と失格だ。
アティアを元に戻してレインも助ける。 そして勝つ!




