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学生竜騎士  作者: 雨後吹雪
一学期
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32/284

悪魔の死

『サクラちゃん』を『サクラナちゃん』に直しました


 薄暗い森の中に一つ、ポツンと佇む古い屋敷があった。

 中では様々な種族や格好の者たちが集まり、酒を飲み騒いでいた。

 一同の左手の甲にはとぐろを巻いた蛇の模様が刻まれている。

 これは、闇の道を行く者たちの印だ。

 この屋敷の名は『悪魔の法(デーモンルール)』。

 暗殺者から盗賊山賊海賊など、世に悪と呼ばれる者たちの憩いの場である。

 そんな男ばかりのむさ苦しい場所で一人椅子に座る女がいた。

 フードの下から覗く美しい赤髪は、それだけで女を美しいと思わせる存在に仕立て上げていた。

 そんな女にすっかり酔っ払った男が三人近づいていく。

「よぉ〜そこの姉ちゃん。 こんな所で何してんだぁ?」

「男でも漁りに来たのか? あははは!」

 男達の大声に周りの視線が集まる。

 しかし、酒瓶を手に喋りかける男達を女は眼中にないとでも言いたげに手を振ると、席を立とうとした。

 その時、

「さっきから無視しやがって顔見せろや!」

 無視されたことに苛立った一人の男が女のフードを強引に外した。

 はらりとフードが落ちると、女の素顔が露わになる。

 その素顔を見た誰もが息を飲んだ。

 女の顔は誰が見ても美しいと言ってしまうほど整っていた。

 フードを取られたことに怒ったのか女は、眠たそうなとろんとした瞳を周りに向けながら、男に歩みよると、

 バシンッ! と男の頬を叩いた。

「気持ち悪いから近づかないでくれるかなぁ? サクラナちゃんは忙しいので君みたいなバカに構っている暇は無いのですよぉ」

「え…………」

 突然のことにあっけに取られた男はしばらく呆然としていたが状況を理解すると、腰にかけていた剣を抜き、女に斬りかかった。

「何しやがるテメエ!」

 振り下ろされる刃を瞬く間に躱した女は男の首にそっと手を当てた。

 その瞬間、男は大量の血を吐きながら倒れた。

 突然人が死んだことに周りが騒つく。

「なんだ今のは? 毒か?」

「魔法じゃないのか?」

 次々と疑問が湧く中、一人の男があることに気づく。

「この女、印が無いぞ!」

 それまでコートの下に隠れていた左手を使ったことで全員に印の有無がバレる。

 同属の殺し合いだと傍観していた者たちも含め、全員が各々の武器を取り出した。

 闇の者たちの場に印が無いものがいるということは死を意味する。

 ここの情報を漏らされるわけにはいかないのだ。

 男達の中からひときわ大きな男が歩み出る。

「お前どこの国の者だ?」

 ドスの効いた低い声で問いかける。

「サクラナちゃんは自由が好きなんですよぉ〜? それに君たちに話すことはありませんねぇ」

「……そうかい。 それならここで消えてもらうまでだ! やれ!」

 大男の一括で周りが一斉に女に襲いかかる。

「しかたないですねぇ」

 めんどくさそうにそう呟くと、女の姿がブレる。

 その直後、大男を除く全てのものが大量の血を吐きながら倒れる。

「な、なにが……くそっ! 死ねぇ!」

 そう言いながら大男は大剣を振り下ろす。

 しかし、剣が女に届くことは無かった。

 ぼとりと、大男の両腕が床に落ちる。

「うっ、うわあああ!?」

 激痛に転げ回る大男に女は話しかける。

「人を殺すのにそんなものは必要ないよねぇ? 首の中をぐちゃぐちゃにするだけでいいんだからねぇ? あー、もう話も聞けないですかぁ」

 残念そうに呟くと大男の首に手を当てる。

 大男も又他の人と同じように血を吐きながら絶命した。

「もう、誰もいないねぇ〜。 早く帰ってクロちゃんに会いたいなぁ〜」

 屋敷を見回した女は楽しそうに笑いながら屋敷を後にした。


 この日、『悪魔の法』は森の中から消滅し


サクラナちゃんは後々出てくるはず……

クロちゃんは言わずもがな

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