早すぎる朝
翌日の朝、俺たちは第三闘技場に集まった。
マグニフィカトに戦い方を教えてもらうためだ。
第三闘技場は全体の大きさは第一・第二闘技場より小さいが、観客席を減らすことでフィールドの大きさは同じとなっている。
フィールドの真ん中では既にマグニフィカトが猫状態で座っていた。
確か、校長室に入れないから猫の姿になってたんだっけな。 べつに人の姿でも良さそうだが何か理由があるんだろうか?
そんなことを考えつつ、マグニフィカトの前に整列する。
少しすると、マグニフィカトの意識が全員に触れてくる。
〔遅い〕
そして一番最初に言ったのがそれだった。
「えっ!?」
俺はあくびをしようと開けた口をおもいっきり閉じてしまった。
まだ五時半なんだけど遅かったかぁー。 それは俺たちが悪いかったな、うん。
——なわけあるかっ! 阿呆か俺は。
「充分早いわ! 他の奴はまだ寝てるよ!」
今日は隠したいことがあるわけじゃないので声にだして叫ぶ。
人のほとんどいない闘技場に俺の声が響く。
〔嘘だ嘘。 むしろ早すぎるくらいだな〕
マグニフィカトがニャーっと鳴いて尻尾をゆらゆらさせている。
「こいつからかいやがったな……ガロウ校長に通報だな……」
〔やめんか! もう、ささっと始めるぞ〕
「あい、わかった」
マグニフィカトが素直になったところでようやく始めるようだ。
「特訓と言っても具体的に何をするのですか?」
眠いのか目を擦りながらフロースが質問する。
一応敬語を使っているのは相手が学校の長の相棒だからだろうか。 俺は半竜なんでドラゴン相手には基本、敬語なんて使いませーん。
〔まずはお前たちの実力が知りたいから二人で一戦交えてくれ。 もちろんドラゴンに騎乗してだ〕
昨日はドラゴン無しだったが今日は有りでフロースとやるのか。
——これは勝てる。 魔法の制御さえやってもらえば俺も魔法を使える。 魔法無しで力は五分五分だからきちんと魔法を使えば俺の方が強い、はずだ。
だけど、一つだけ問題がある。
「俺はレインとアティアのどっちに乗ればいいんだ?」
俺はレインとアティアの二頭と契約をしている。
これはイレギュラー中のイレギュラーだ。
ドラゴンとの絆の契約は両者の同意と魂によるらしい。 たとえ二頭のドラゴンから同意を得たとしても、二頭分の契約の負担に耐えられず精神が崩壊する。 だが、俺は契約できてしまった。
ガロウ校長いわく、レインが竜王の娘だから大丈夫だそうだ。 確かにそうかもしれないが、俺としては半竜なのが一番大きいはずだ。
人間の魂だから負担に耐えられないのであって、ドラゴンと人間の混ざった魂なら契約の負担をなくすことができるのではないか、と言うのが自論だ。
でだ、本題に戻ると俺は今までレインに乗っていた。 それはアティアがレインより年上で、一人でも竜騎士の相手をできるくらい強かったからだ。
レインはまだ人間でいうところの十二歳。
ただでさえ人数の少ない俺たちは一人抜けるだけでも致命傷になるから、全体のバランスを保つために俺はレインに乗る。
だが、一対一で本気でやれというなら俺はアティアに乗ったほうが良い。
マグニフィカトにチラと目線をやると、
〔どちらでも構わん〕
そう言われましてもねぇ。
「お前らはどうすればいいと思う?」
おとなしく話を聞いていたレインとアティアに考えを聞く。
「私はどっちでもいいよ」
「そう言われてもなぁ……アティア、お前はどうだ?」
アティアはなにやら考えてから、
「今日は私がやりましょう。 いい機会ですし、お互いに慣れるのも悪くありません。……それに、姫様にやらせるわけにはいきません」
最後の方はボソッとしか聞こえなかったが、驚きだ。 アティアから乗れと言い出すとは思わなかった。
隣でフロースも眠気が飛ぶくらい驚いている。
これも、俺が信用されたってことだな。 そうだよな?
〔どうやら決まったようだな。 ルールは通常の模擬戦と同じで、私が止めと言うまでだ。 さぁ、位置につけ〕
マグニフィカトの言われ互いにある程度の距離をとって向かい合う。
「昨日のリベンジと行こうか!」
「返り討ちにしてあげる!」
いい度胸だ、半竜の意地を見せてやる。
〔いくぞ、アティア!〕
ドラゴンの姿に変わったアティアの鞍に飛び乗る。
〔早く終わらせたいので、全力です〕
いつものように話しているがアティアもやる気に満ちているのがわかる。
〔よし、始め!〕
戦闘描写うまく表現できるかなぁ




