クズイヌ後にクズイム
話が飛んでるように感じたらすいませんm(_ _)m
全員の用事が済み集まると俺とレインはアティアの背に、フロースがミセリアの背に乗って湖を越えて学び舎についた。
説明した通り、要塞の如く聳え立っている学び舎の正門から中に入る。竜騎士だから、空から入れると思うだろ?
そんなことしたら壁に備え付けられている兵器に撃ち落とされるぜ?
操縦者が見えないと思って近づくと全ての物に宿っている魔力に反応して自動でバリスタとか魔法投射装置が攻撃してくるから。
素直に学生証を門の管理人に見せれば一発だから。
正門の高さはドラゴンが通ることも考えてかなり高いが、大抵はここで人化するから意味があったりなかったり。
門をくぐると最初に運動場がある。
運動場というか中庭が。
要塞要塞言ってるけどもはや城みたいなもんだよ、ここ。
四隅に塔が立っていて、そこは特別教室兼見張り台になっている。
特別教室ってのは竜騎士として勉強すること以外の一般的な知識を身につけるための教室のこと。
運動場を抜けると城の中に入る。
ここで竜騎士とドラゴンは別々の教室に行くことになる。
竜騎士の方は竜騎士長が、ドラゴンの方は竜騎士長のドラゴンが教えることになっている。
もちろん人化した状態で授業を受けるが、机に向かって必死に勉強するドラゴンの姿はなかなかシュールだ。
半竜の俺はどっちだってなるけど、入学の時に人で書類を通したから竜騎士の方だよ。
まず、俺が半竜ってことに気づいている人がほとんどいないから。
マグニフィカトは例外だね。それなりに生きてるだろうから直感でばれたのかね。
「また、後でな」
レインたちにそう言ってフロースと俺たちの教室、一年六組に歩いていく。
正門から見て左側が竜騎士の教室、右側がドラゴンの教室になっている。
因みに真っ直ぐいくと講堂がある。
全体に話があるときはここに集まったりする。
んで、一年六組の教室は三階の一番奥にある。
一階が三年、二階が二年と分かりやすい。
教室が奥だからって落ちこぼれじゃないぜ。
ただ単に六組だから奥なだけ。
たわいもない話をしながら教室に入ると黒板の前に人集りができていた。
「何があるのかしら?」
「さぁ?」
フロースに聞かれたが俺も知らない。
二人で人ごみを分けていくと教卓の上で着飾った制服を着た男が周りの人間に何かを言っていた。
貴族の息子、確か名前は…………クズイヌだ。
苗字は確か……あーあー……覚えてないわ。
貴族ってのはそれぞれの領地を治める領主。
大昔の——それこそ建国時代の——国を治める王が直々に任命した有力者の子孫だ。
その時に選ばれたのはしっかりと領地を治められる者のはずだったが、今となっては権力を馬鹿みたいに使うことしかできないアホばっかだ。
もちろん先祖代々しっかりと領主の務めを果たしている場所もあるけどほんとに少数。
クズイヌは前者の権力馬鹿の方だ。
権力と金の力で強引に入学してきたろくに実力もないアホだ。
クズイムは俺たちに気づくとニマニマと気色悪い笑みを向けてきた。
「あっれ〜? 誰かと思えば六組最弱のクロエ君じゃありませんか〜」
クズイムがそう言うと取り巻きの奴らがクスクスと笑うのが聞こえた。
「なんだよ、クズイヌ。 おおかた人の噂でもしてたんだろ」
「クズイヌじゃない! クズイムだ! クズイムだっ!」
おおぉ……どっちも変わんないじゃん……
何大声出してんだよ。
今度はクズイヌに対してクスクスと笑いがおきた。
「笑うな! ど〜せ、馬鹿でマヌケなクロエ君は人の名前も覚えられないよね〜」
ほんとイライラする二ヘラ笑いだな、こいつ。
さっさと話を終わらせよう。
「用がないなら行くから」
「まあまあまぁまぁ、話くらい聴いていきなよ。なんと来月、クラス対抗の試合があるらしいんだよ〜。それに伴って来週に、クラス内での代表決定戦があるんだ」
ほうほう、試合とな。
こいつにしては珍しく気になることを言うじゃないか。
「まぁ、代表の座は僕の班、一班が貰うから、最弱のクロエ君はせいぜい初戦に向けて頑張りなよ〜。ギャハハー!!」
クッソムカつくな。
何がかって?
さっきから俺のことを馬鹿するだけでフロースのことは完全に無視してるからだよ。
試合は一人でやるんじゃねーよ、クズイヌが。
「ハイハイ、クズイヌは黙ってよーねー。 フロース行こうぜ」
「えっ? あ、うん。ギャーギャー五月蝿いわよ、クズイヌ」
フロースってやっぱ毒舌だわ。
「だからクズイムだって言ってるだろ! 絶対後悔させてやるからな!」
後ろからギャーギャーなんか言ってる気がするけど、無視無視。




