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Scene4 -6-

  「それではレオンとノエルの”格闘”模擬戦闘をおこなう」


  レオンが少し前傾した。


  「はじめ!」


  号令と同時に深く踏み込んで胴回し蹴りを放ったのはレオンだ。その蹴りを一歩下がってやり過ごしたところで背中を見せたレオンに掌底突きを入れる。だがレオンは腰を深く落とし両足を踏みしめ、その掌を背中で受け止めた。

  ふたりの距離が開くとレオンは半身になってノエルとの距離を詰めて左のアッパー、右のフック、左のローキックと密着状態での三連撃をガードの上から叩き込んだ。


  「容赦ないな」


  ガイファルド同士の格闘戦に目を奪われるセイバーは、拳を握りしめながらその戦いを目に焼き付けていた。

  距離を詰めたまま一方的に攻撃し続けるレオンに対して、防御と回避を繰り返すノエル。明らかに格闘経験者とわかる動きをするレオンは体格差もあって圧倒的に有利に戦いを進めていた。


  「だぁ!」


  レオンの正拳がノエルのクロスした両腕のガードの上に衝突して吹き飛ばす。ここまでは手数も八対二でレオンが押しまくっていた。


  「ノエル、ツインダガー解禁だ」


  「はい」


  監視室横の壁にあるシャッターが開いて中から色々な武器が現れた。しかし、刀剣類は刀身部分に何か巻かれたような形状でノエルが掴んだダガーも棒状になっている。これは模擬戦闘なだけに安全面を考慮してのことだ。


  「レオンはどうする?」


  「俺はいつも通りこいつでいい」


  顔の前に握りしめた拳を上げる。


  「それじゃぁ二回戦、はじめ!」


  今度はノエルが掛け声と共に前に出た。

  右に左とダガーを振り回し、体の回転も加えて打ち込んでいく。レオンはそれを両腕で弾きながら反撃するが、さっきまでとは違い手数は五分だ。変わらず前に出る戦いをするレオンは、ダガーを持つことで動きが良くなったノエルの押しては引き、引いては押す動きに少しペースを握られているた。

  ノエルの攻撃は腕から肩、腰、脇腹と浅いながら少しずつ攻撃をヒットさせていた。


「このっ!」


  レオンの大振りの左フックを頭を下げてかわしたノエルはクロスさせた両腕を左右に広げて腹部を切り裂いた。

  刃は付いていないが相応の衝撃音でダメージの大きさがうかがえる。

 だが、次の瞬間ノエルの顎が跳ね上がった。レオンの体ごと突き上げた右膝を受けて体が反り返る。さらにその右足でノエルの腹に横蹴りを叩き込んだ。


  「スラスター及びフォース解禁!」


  勝負はついたかに思われたところで、博士がスピーカーを壊さんばかりに叫んだ。

  背中から床に落ちそうだったノエルは背部のスラスターの噴射によってバウンドするように起き上がりすぐさまレオンに接近。レオンも待ち構えていたかのようにそれを迎え撃った。

  突進のスピードが全く違う。振り下ろされたダガーを受けるレオンの腕に薄っすらと光が弾ける。レオンの攻撃をガードしたノエルの肩も何か光が弾けた。

 勢いを増すレオンの猛攻だったが奇妙な動きでレオンの周りを回るようにノエルは動き次々にダガーを打ち込んだ。時折レオンの強烈な拳がノエルに迫るがギリギリで避け、すぐさま連撃に繋げる。


  「ローズ・ルーレット」


  赤い光を放ったダガーがノエルの高速回転と共に弾け散った。今までとは違う衝撃を発し、今度は明確にレオンの腹部にダメージ痕が浮かび上がる。一瞬動きを止めたレオンだったが光と唸りをあげる右手のひらをノエルの頭部に向かって振り下ろした。


  「だりゃぁ!」


  回転技の硬直中で回避ができず、ノエルは床に叩きつけられる。


  「そこまで!」


  同時に博士が模擬戦の終了を告げた。

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