27話 合流(1)
結局、98の簡易シートを引っ張り出して眠ることにした。(ちゃんと男女で分かれましたから…)
そうやって眠っていると、98の車体をノックする音が聞こえた。ようやくか…。
「はーい」
窓を覗き込むと、案の定制服に身を包んだ駅員たちがいた。
「あの、これって……」
「電話あります?」
「huh???」
ちなみに電話したって、その日のうちに区長たちが来るわけじゃあない。車でも電車でも十時間、飛行機なら一時間半…なのだが、あいにく台風が接近していて飛んでいないらしい。参った。
さらに面倒だったのが、フォールさんと福本さんの処遇だった。何せ長い期間も行方不明だったのだから。……まあ、そりゃそうなるわな。
で、肝心の98のブレーキの件。日本に帰還できたから正常になっているはず……と思っていた自分がバカでした。
戻ってないんだな、これが。
こうなると、やっぱりどこかで漏れているんだろう。
「また吹田行きだよ…」
翌日、ようやく区長たちがやってきた。
「翫くん!」
「翫さん!」
区長も加賀谷も般若みたいな表情だった。
「お前っ……心配かけやがって…」
「そうですよ…! 急にいなくなるんですから…!」
「……ほんと、すみません。あと加賀谷、首締まる…」
「え…あ、ごめんなさい! つい」
またノンブレスに(n番煎じ)
そんな状況の二人を、ミズハと共に慰めていた。すると、遠くから聞きなじみのあるエンジン音が響いてきた。
パシュッ
「かなでぇ!」
「お姉ちゃん…!」
目の前にGRカローラが停まり、運転席から白鷺が飛び出してきた。
「と、遠かったんじゃ…」
「別に850キロなんてあっという間なんだから!」
「は、850キロ!?」
まさか法定速度を軽々と…。
「…今、何考えた?」
「ナンデモナイデス」
こういう時は逆らわないのが一番である。
それよりも絵面がマズいと思う。お姉ちゃんに泣きつかれてるし、それを区長や加賀谷にも見られている。それ即ち…。
「「……」」
二人とも無言で、微笑みながら見つめていた。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
「お姉ちゃん、離れて…」
「やだ」
「いや、だから…」
「やだ」
うん、無理だ。諦めよう。




