28話 合流(2)
一方、ミズハから少し離れたロータリーにて。
「翫さんたちはちゃんと合流できてるんですね…」
遠目で翫さんを眺めながら、私はそっと呟いていた。
もしかしたら巡先輩や怜太さんも来てくれるかと思ったけど、ここまでくると来ないのかな。
「……そのときは翫さんに」
ふと、聞きなじみのあるエンジン音が響いてきた。重低音、ターボ、そして『VTEC』…
「……あ」
「お待たせ…どうしたんだい? そんな泣きそうな顔をして」
「どうした。腹痛か?」
巡先輩のFK2だった。助手席には怜太さんも座っている。
認識した瞬間、涙腺が崩壊した。
「だって…だってぇ…」
「お~、よしよし。寂しかったんだね」
頭を撫でられた。それが余計に加速させる。
「巡、それ逆効果だぞ」
「おっと、そうだね…」
「それにしても…ほんと無事でよかったぞ。大丈夫だったのか?」
「…特に大きな問題はなく」
「そうかい、それは良かった」
すると、巡先輩の視線は翫さんに向けられた。
「…何を?」
「あの人が…ねぇ。…まあいいや。最後にお別れの言葉を交わしてきたらどうかな?」
「…そうですね。ラインくらいは交換しておきたいですし」
今の言葉で空気が変わった気がしたけれど、そんなものは無視した。
———Change Viewpoint———
「翫さん」
今までシビックの前で話し込んでいたかなでさんが向かってきた。手にスマホを持って。
「えっと…?」
「ライン、交換してくれませんか?」
「(沈黙)」
これは…どう返事すべきなのか。隣ではミズハがソワソワし始めてるし…。
いやでも、断るわけにはいかないかな。
「…いいよ」
「ありがとうございます!」
こうして手早くライン交換を行った。加賀谷たちの笑みが深くなったのは言うまでもない。
「また、会えますかね?」
「…会えるよ。メール一本で繋がれるわけだし」
「ですよね~!」
思えば、異世界に飛ばされたのが七月の頭だった。で、蜜柑星人な僕からすれば、「七月五日」はどうしても逃せない日。
そんな日を異世界で迎えてしまったわけで…。
ふざけんな覚えてろコノヤロー!
二度と異世界なんか行くかよ!




