『神隠し』
匿名で日記を書き始めました。また作者も誰かの日記を読んでいます。
日記を書くことって、こうやって物語を書くことに似ている気がしますね。
『言えないことが言える』
「なあ、『神隠し』って知っとる?」
スタジオの楽屋で、つくねさんが話題を振ってきた。
「神隠し…人が突然行方不明になる現象ですよね?」
「せやで。昔は神や天狗などの仕業やて信じられとったけど、自分はちゃうって思とる」
「…原因は何だと思っているんですか?」
「異世界転移や」
最近、私の友人がいなくなってから話題になり始めた単語。未だに帰ってきていない。
「そんなことって起きるんですかね?」
「科学の力でまだ証明されてへんやろ? せやさかい、ないとは言い切れへんねや」
この世は不思議なことばかりだ。つくねさんが言ったように、科学の力で証明されていないことが多い。
「そういや、何年も行方不明なままの子供が数人おるねんなぁ」
「そうなんですか? 初耳です」
「最初は10年前、その次が8年前、6年前、4年前、2年前、そして今年。2年おきに行方不明者が出とんねや」
「人数は合わせて何人で…?」
「情報が錯綜していてな、断定はできひんねや。せやけど、自分は合わして10人くらいなんとちゃうかって思とる」
10人、かなりの人数だ。
「それだけ多いと――—」
「雫さん、つくねさん、そろそろ準備お願いします!」
私のマネージャーである北海さんが楽屋に入ってきた。そろそろ出番らしい。
「まあ、そのことは忘れて、目ぇの前のことに集中しよか」
「そうですね」
これから大事な番組収録だ。気持ちを切り替えていこう。
私のGRヤリスは今も元気に走っています。もちろん私も。
翫さん、どのタイミングでもいいので返事をください。




