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タイトル未定  作者: niti
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第4話

塩辛い風の吹く中ジャリジャリと音を立てる人骨が作り出した真っ白な砂漠を歩いていると


無用になって久しい広域無線機のブザーがけたたましく鳴る


M...MX3G...MX3G1M、MX3G1M、聞こ...るか、聞こえるか。


(どうやってこの暗号通信に割り込んでるかは知らないけど短波通信...答えるべきかな)


「...」


こちらは貴車の東に...る、貴方の所属船団に属する上級科学者セミオン...スモリャコフ、


の身柄を確保している誘導信号に従い合流さ...たし


そでの端末で名簿を見ながら答える


(多分セミオンスモリャコフリャベンコヴィッチ、ミッテルオイローパ東方の魔道核物理学者ね、


この人が通信方法を教えたのかな)


「...コピー、こちらMX3G1M 誘導に従います」


.........


銃声が響く郊外でサンドイッチを片手に暴動を眺めていた


(あれから1週間と少し、理由は分からないけど暴動を制御してる...


 それにスナイパーが10時方向と5時方向に”2機”今回の相手はやっぱり機械かな)


「ごちそうさま、美味しかったです」


店員の亡骸の前に紙幣を置いて立ち上がると、


目の前に装甲戦闘車が現れ急停車しセキュリティボットがぞろぞろと隊形を組んで降りてくる


(レーザーカービン、私と戦うことも想定してるのかな)


機械兵「こちらの不手際によりお待たせしてしまい申し訳ありません、ご同行願います」


「それって人間の方?」


機械兵「執政委員会です、ご同行頂けない場合は武力での制圧も許可されています」


別のセキュリティボットが目の前に長い書類を広げる


「執政委員会...ね」


機械兵「では、こちらに」


装甲戦闘車の中に入り、座ると車が動き始めた。


「それで、どうして私が呼ばれたの?」


「...」


外から装甲戦闘車の戸を叩く音が聞こえる


機械兵「どうぞ、外へ」


外に出ると全てが真っ白で無機質な部屋にポツンと車両と自分が取り残されたかのような錯覚を覚える程の空間が広がっていた


(不気味)


機械兵「この先セーフエリアとなっているため武器、装甲ジャケットは失礼ながら預からせてもらいます、


    装備類を解除したら、ボディチェックに進んでください」


「なら、今私は丸腰だからこのまま通らせてもらうね」


(軍機レベルの機密の塊を不用意に手放せないし、あらかじめ外してきてよかった)


そのまま広い部屋に仮説で設置されたような検問所でボディチェックも済ませ


広い部屋を抜けると無数の窓がある部屋に出た、中央の椅子に男とも女とも見分けのつかない人物が座っていた


(一人だけ?)


???「立ち話もなんだ、こっちにこい」


中央にポツンと置かれているイスとテーブルに近づいて椅子に腰かけて聞く


「えっと...3つ聞いていい、まずあなた?は誰」


スパルナ「おお 自己紹介が遅れたな、我々は行政補佐AIのスパルナ」


「じゃあなぜ一人だけ?普通4権合議制じゃないの?」


スパルナ「今は3番コンピューターのスパルナが全権委任執政官をやっている、だから ここにいるのは”我々”だけだ」


「じゃあ最後、どうして私をここに呼んだの」


スパルナ「大陸の半分を手中にした今、更なる武力を得るためにこの近辺で最も強い個体の装備とDNAを吸収する必要があるからだ」


「それって、私と戦うってこと?」


突如天井から真っ白な人体のようなものが落ちてきた


(男性型...初めて見た、なんて勿体無いことを)


スパルナ「紹介しようこれは我々がお前たち倒すためにサルベージ、開発したAdamアダムだ」


「ふーん、完成度はどれくらいなの」


(体格差は172㎝の私に対して194㎝前後、まあまあだけど筋肉の装甲とパワーは無視できなさそう)


スパルナ「お前と”つがい”を作れば人造魔女を鼠算式に増やすことができる程度、だ」


「怖...うん、だいたい分かった」


「さてお喋りはここまでだ アダム、死なない程度に魔素が切れるまで遊んでやれ」


男がフッと消えると同時に、アダムが獣のような素早さで接近してくる


(流石にヒドラジンでブーストしないと攻撃が通らなさそう)


椅子から立ち上がると手足のカバーが開いて白煙が噴き出す、そうしている間にアダムが間合いに入ってきた


相手の右フックを両手で掴んで足を蹴折り、勢いそのままに投げ地面に叩きつけて首を踏み脊髄を粉砕した


「気持ち悪いからしたくなんだけど、ごめんね」


死角になるようにして隠しながら舌で口の中の3本の内一本の糸を引っ張って塊を引き出し


アダムの顎をつかんで頭を引きちぎりながら張り付け、頭の中身を見る


(当然頭蓋骨はない、電算装置は...)


「おわっ」


頭をなくした体が腕を伸ばして攻撃してきた


(これは...異化?適応?...というより羽化?)


むくりと起き上がり頭を再生させるがボコボコと乱痴気な再生しかできていない、流血しながら二つの血走った瞼のない目が開く


(目が生えた?保険でスラッグを入れておいたけど効いてるみたい、中枢神経系の治癒を魔法でやるのはこっちと同じね)


「それで...本当に人間ベースなの?」


こちらの動きを読むかのように肉体を変形させ嵐のような攻撃をしてくる


(ほとんど目を使ってないし、この攻撃の精度はまさか...)


攻撃を腕で逸らした後、移動しながら拾ったコンクリート片を投げる


(1...2...3...)


当然コンクリート片は弾き飛ばされた


(目で追ってたのは、だいたい3秒後...直近3秒間の未来を未来を見る未来視かな、どのみち直前で防げば同じこと)


「この体を作った人、あとお父様ごめんなさい」


足を止めたところで手足のカバーから蒸気とアフターファイヤーが吹き出し


手足の装甲の隙間から沸騰した油と溶けたゴムが染み出してくる


胸ポケットからペンを飛ばして相手の目に向かって投げ、タイミングを見計らい


最大力で踏み出し、体を押し出すとソニックブームが発生し爆音が響く


左手はアダムの頭を貫通した


(今ので手足の関節が壊れた...)


「んっ?」


相手の再生に巻き込まれて腕が抜けない


「なるほどね、施設からの給電で不死身...」


ここぞとばかりに肥大化した腕で仕掛けてくる攻撃を足で受け止め、腕は頭に刺さったまま千切れ吹っ飛ばされる


(左腕は残せた...)


何とか立ち上がったところでアダムが上から降ってきたライフルで撃ってきた


血だまりの中で膝をつくと、再びスパルナのホログラムが出てきた


スパルナ「ふん、旧式に形式不明の外装を取り付けただけの機体か、まあ勝負あったようだな」


そのまま床に倒れるようにして死角を作り口から装置を取出し指で潰すと大規模な停電が起こる


(サンドイッチ食べるフリしてる時に仕込んででよかった、できるなら私はこの装置は体の中に隠しときたくないんだけど)


施設の電源が復旧する


スパルナ「EMP発生装置か、だがそれも対策済みだ、アダム止めだ」


...


何も起きない


スパルナ「どうした?」


リボンに手をかけて言う


≪コード01、自殺しろ!≫


アダムは自分の首を折って倒れ、起き上がることはなかった


スパルナ「何をした」


「ちょっと私の一部を取り込ませて”正常に再生出来なかった隙間に”私のシステムを入れたのロボット三原則をね」


スパルナ「お前は機械だろ?」


「私達は組成が72%、構造が93%人間に近いんだよ、あくまでシステムの判定の話だけど


 0にも1にもなれる不自然を人間と定義するなら、限りなく人に近いAIの私達だって機械と人の垣根なんて選択の内


 それにその一点だけなら私達の方がよっぽど人間じゃない?」


リボンを解いて立ち上がる


スパルナ「そんなバカな話...」


ホログラム装置を蹴り壊して地面に手をつく


(できる限り狭く低出力で...)


周辺のコンクリートが一瞬赤熱して溶けて消え、部屋一面が鉄筋だけになる


(後始末終わり)


溶けた金属窓を乗り越えて施設内の通路に入り込む


「電算室はあっちね」


隔壁をこじ開けて引きちぎった隔壁を守備の機械兵に投げつけて倒し電算室に突入する


(何か使える物は...)


目に入った消防用斧を手に取る


「一度やってみたかったんだよね...こういうの」


ガリガリと酷い音を立当てる手足と重たくなった体を引きずってコンピューターの上に歩いて行く


スパルナ「ああ、ここまで来たか」


「一つ聞きたいことがあるんだよね、答え次第では壊さないで上げるけど?」


スパルナ「情けはいらん、何だ?」


「最初の通信で話していたセミオンは?」


スパルナ「我々とアダムを完成させた後、屋上で焼身自殺した 部屋も持っていた


     誰も入れるなと言っていたのでそのままだ、そこに部屋番号を書いた書置きがある」


「なるほどね」


有機コンピューターのカプセルに斧を振りかぶる


「いいのか?私を破壊したらこの国は...」


「私には関係ない」


ガシャンと容器に斧が入る


「どうせ私や、あなたが居なくなっても世界は変わらない、それに人間達なら多分うまくやる、と思うけど」


電算室をあらかた壊して書置きのメモを頼りに部屋へ向かう


辿り着いた部屋のドアをそっと開けると埃が舞い上がる


(トラップはない)


窓際の机に黄ばんだ紙とテープレコーダーが置いてあった


【皆で頂上まで登ればゴールだと思っていた、もし僕が作った怪物を倒してくれたのが君なら、お詫びの印に新型の魔導中性子炉を君に】


「うーん...」


やや大きい椅子に腰かけてクルクル回しながらイヤホンを耳につけてテープレコーダーを回し、燃え盛る街を眺めた。

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