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女性が少ない世界でVTuberやります!  作者: ブル(犬川)


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閑話 はじめてのデート 〜アーヴァ・ナート〜

ストックが尽きました(´;ω;`)



朝起きてキッチンに行くと、花美が俺達のために料理を作ってくれていた。

いつもならまだ花美は寝ている時間で、俺達の為に早起きして作ってくれてたんだろう。

エドヴィンは物音で起きたのか、いつもはまだ寝てるはずなのに既に起きていて花美を見ている。

それとなく花美に手伝いを申し入れたけど断られた。

「2人の為に自分1人で作りたい!」なんて可愛いことを言ってくれて嬉しいけど、花美が作ってるのは3人分なんかじゃない。多分大和達の分も含め6人分は作ってる。だって量がすごいもん、とても1人で作れる量じゃない。

確かに花美の腕前は良く手慣れている。微笑んで時々鼻歌を歌いながら料理をする姿は楽しそうで見ているだけでも癒されるし、花美も俺達とのデートを楽しみにしてくれているのだと思うと嬉しい。

でもこんな負担をかけたいわけじゃない。

このままでは料理だけで時間をかけすぎてデート前から疲れてしまう。これから自然公園を歩き回るんだって忘れてないかな?

エドヴィンと目でアイコンタクトして協力し、何とか説得に成功して手伝うことができてホッとした。

花美は完成した料理を前に、「2人が手伝ってくれなかったらもっと大変だったよ!あ、お兄ちゃんも手伝ってくれてありがとう!はじめて挑戦する料理を作るのが楽しくてつい熱中してた」なんて照れ笑いしながら言ってくれて可愛かった!

大和は途中で起きてきてすぐ手伝いに参加してたよ。

時雨は朝食の用意ができて起こしに行ったけど、それでも中々起きれず一番遅く起きたからと何度も謝罪してくれた。



「すまん!一番年下なのにぐ〜すか寝てた!次からは気をつける!」

「そんなの気にしなくていいよ!それに一番年下なのは私だよ!時雨さんは先輩でしょ?」

「ボクがいちばんとしした!」

「気にすんなよ。時雨は見るからに朝苦手って顔してるから。それと花美、さんまたつけてるぞ」

「あっ、ごめん!時雨!」



見た目不良なのに真面目だから90度の深いお辞儀して謝る時雨はほんと良い奴!

微笑って気にするなと言う花美はもちろん優しいし一番年下は自分だと主張するフリッツは可愛い。花美の兄の大和も怒鳴ったりせず笑って軽く流すし、俺もエドヴィンも遅れて起きるくらい全然気にしない。

普通のところだったらこんな些細なことで怒鳴られ罵られ夫候補から落とされたりするから、ほんとにここは良いところ!

そんな話をよく聞くから女性に夢見てなかったし結婚なんてしたくもなかった。

でも花美の周りはポカポカ、すごく温かい。花美みたいに。

俺は花美が好きで心から愛してるし、その周りのみんなも大好きだ。

ここには良い奴しかいない。不思議。でもすごく素敵!





そうして花美との、そして俺にとって初めてのデートに心臓がドキドキワクワクしてる。

無理やり親戚の女性に買物とか付き合わされたことあるけど、あれはノーカンだよね?身内だし。

自然公園まで車で2台に分かれて向かう。こっちの車はエドヴィンが運転して助手席に花美、後ろに俺。後続車に大和運転でフリッツと時雨。

普通3人になると2人が会話して1人仲間外れにされたりするけど、ここではそんなことなく3人でワイワイお喋りして、すごく楽しい!

俺は友人が多くみんなでよく遊んでたけど、俺が気を使って話しかけたりしないと1人ぼっちの人ができたりしてたし。

もちろんあまり構われるのが嫌いな奴もいるけど、そうじゃない奴もいるから。主催者はすごく気を使う!

でもここでは全然気を使わなくていい。気を使ってたのなんて最初だけですぐ普段通りに過ごせた。それは多分みんな一緒。

時雨は大人の男達の中で自分だけ10代の子供だってことで緊張してたけど、大和と俺は緊張をほぐすようにフランクに、エドヴィンは大人の男の余裕ある態度で接してた。

でも時雨は良い奴なのに人に優しくされるのに慣れてないのか暫く戸惑ってたのが印象的。

「すぐに別れろって言われると思ってた。それでも絶対別れない、花美の側にいるって覚悟決めてきたんだけど……ここではみんな優しくて、なんか調子狂う」なんて照れたように笑ってた。

何も悪いことしてなくても見た目で損してたの感じて悔しくなる。

大和は「バカだな、別れろなんて言うなら夫候補に入れてねーよ!」なんて笑って時雨の頭撫でてた。気持ち分かる。時雨は苦労した分幸せにしてやりたい。そう思える。

花美は男同士でじゃれてる俺達見て笑ってる。「私を無視して何遊んでるのよ!」って怒る女性も多いのに花美はいつも優しく見守ってくれる。

エドヴィンもそう。あいつ父親みたいな目で時雨見てる。子持ちだから?その余裕ちょっと悔しい!

後続車の中もこっちと同じように楽しくお喋りしてるんだろうなと分かるから、ほんとに花美の周りの人は全員信頼できる。素晴らしい人が集まってる。

好きになったのが花美で本当に良かった!毎日出会えた奇跡を神に感謝してる。




自然公園に着くと車から降りて伸びをする花美。まねて俺も伸びをする。

女子寮からここまで1時間近くかかるからちょっと疲れたな。背中がポキポキ鳴ってちょっとスッキリした!

嬉しそうにキラキラした目で公園の入り口を見詰める花美を見ていたら、エドヴィンがさり気なく花美の手を握る。

その瞬間あっ、と慌てて俺も花美のもう片方の手を握ると花美は顔を赤くして俺達を見てから俯いた。可愛い!

しかしやっぱりエドヴィンには敵わないな。こうやって手を握るとか、そんなスマートにできる気がしない。やっぱり悔しい。

後続車から降りて来た大和がそんな俺達に気付くと目を吊り上げ文句を言おうとして、時雨とフリッツに止められてた。

花美への恋愛感情と妹への感情と俺達への嫉妬と色んな感情がごちゃ混ぜな大和の大人気なさにちょっと呆れてしまう。

デートの許可を出してくれたのに。あ、それとこれとは別?いいじゃん手を繋ぐくらい大人気ない。

そうして歩き出して一面の花畑を見ると、さっきまで恥ずかしがっていたのに目をキラキラ輝かせる花美。可愛い。

嬉しそうにはしゃいで花に近付きじっくり見て匂いを嗅いで、飛んでる蝶にも可愛い!と褒める花美が可愛い。

でも、そんな可愛い花美だから行く先々の係員がわざわざ声をかけてくる。

花についての解説を熱心に聞いてくれて、花束を渡せば嬉しそうに喜ぶから係員はみんなデレデレした顔をして、ハッと俺達全員から殺気を当てられ青褪める。

何度これを繰り返しただろう。

花美は男を引っ掛けるプロ。魔性の女だと思う。

普通に男がイメージする色っぽい女性は露出も多く唇も真っ赤で男を誘うような目をしてる誘惑的な女性。でも花美は全然違うから一見分からないけど、そんな魔性の女性よりずっと強力な魅力を持ってる。

俺達をどれだけ嫉妬させたら気が済むんだろう。

花美は全然男の下心に気付かないで純粋に喜んでるから何も言えないけど。やっぱり大和の言う通りどこに連れて行っても花美は男の気を引いてしまう。

家に閉じ込めるなんて可哀想だけど、もう出てほしくないと思ってしまう。俺自身インドアな人間なのにね。

大和がいなければキスして自分達の女だって主張できるのに。そんなことしたら花美怒りそうだけど、俺達は周囲を牽制できるからしたい。

そんな感じでちょっと、いやかなりフラストレーションが溜まってたんだけど……



「あっ、チャパティ!花美が作ってくれたやつ!」



花美が作ってくれたチャパティを見付けて嬉しくて少し溜まってたイライラはあっという間に飛散した。

いや、周りの男達がいなくなって3人だけになった時点でもう喜びしかなかったけど。今は飛び上がるほど嬉しい!

花美の料理を手伝ったから何か色々作ってるなとは思ったけど、チャパティを作ってたなんて気付かなかった!

バーラト(インド)人の俺に合わせてわざわざ作ってくれたんだと思うと嬉しくて顔が崩れてしまう。おっと、変な顔して幻滅されないよう気をつけないと!

花美が作ってくれたチャパティは世界一美味い!こんなに美味しいもの初めて食べた!他のサンドイッチも全部美味しい!好きな人が作ってくれただけでこんなに美味しく感じるの、ほんとに不思議!

楽しく3人でお喋りしながら食べてるだけで楽しいのに、エドヴィンがチラッと大和達を見て俺を見たので俺も大和を見ると何やら騒いでいる。

チラッと時雨がこちらを見てこそっと花美を指差すので視線を戻すと、エドヴィンが花美にキスしてて驚いた!



「あ!ズルいエドヴィン!私も!」

「…え、ええ!? ちょっと待っ……」



ほんとに油断も隙もない!

サッと立ち上がり花美に近付きチュッと触れるだけのキスをした。

誰かとキスするなんて初めてだから内心心臓バクバクだったのだけど、そっと目を開いたら真っ赤になった顔に潤んだ瞳をした花美がいて嬉しくて嬉しくて気持ちが溢れて止まらなかった。

もっとキスしたくなったけど、グッと我慢して顔を離した。見られたら大和が怒るからね!

それからの花美は終始俯いていて俺達が話しかけても殆ど答えてくれない。怒ってるのかな?と一瞬不安になったけど顔も耳も赤い。

照れて怒って無視する花美も可愛くて「可愛い」と思わず言えば睨まれた。その拗ねた顔も可愛くて胸が苦しい。

それから暫く大和からの追求が来たけど俺もエドヴィンものらりくらりと躱したよ!

だって正直に話したら花美と引き離されちゃうからね!ちょっと大和は厳し過ぎだよ!



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