35話 体育祭と事件1
2人がVTuberデビューするにはまずキャラクター作りからしなければならない。
絵師さん達に絵の依頼をまずして、えっと私がいつもお世話になってる【オカモトですが】さんと【春夏秋冬】さんに依頼したの。
春夏秋冬さんは動きは作れないからそっちは別の方にお願いして、オカモトですがさんはキャラクターイラストから動きまで全て1人で作れるって。すごいね!
えっとマリアちゃんはモモンガになる予定だ。イラスト担当はオカモトですがさんがやってくれる。
「私はモモンガになりたい!モモとリリと一緒!」と、飼っているペットとお揃いにしたいらしい。
……今のところ本当に動物のモモンガになる可能性が高いよ。
「メイみたいな着ぐるみにする?」って聞いたら「ううん、モモンガがいい!」って言って聞かないから!
視聴者的にどんな反応になるのか不明だよ。
たまに人外キャラでVTuberやってる人いるけど男性受けしないイメージがあって、実際はどうなのか不明だけど……
麗華ちゃんは黒髪和風美人さん!イラスト担当は春夏秋冬さんで動きは外注だ。
実は麗華ちゃん和風美人に憧れがあったらしく、「私は金髪だし和服って似合わないのよね」としょんぼりしつつ話してくれたけどそんなことない!絶対似合うと思うけどな。
目の色は麗華ちゃんと同じ紫になる予定だよ!
2人の完成が楽しみだね!
そうして今日は体育祭です!
年々暑さが厳しくなっていくから時期が少しずつ早くなっていき、今では6月前後に行われるようになったそうだ。
今日の天気は快晴で少し暑いくらいで温度は27℃。結構夏に近い温度だよね、ビックリ!
体育祭っていったらみんなで走ったり飛んだりするイメージだけど、女性は参加せず特別席から見てるだけなんだ。
でも、それじゃつまらないからと応援団として頑張る予定です!
「みんな〜頑張れーーー!!」
「「ありがとう花美ちゃん!」」
「「「俺頑張る!」」」「頑張るよ〜!」
「他のクラスのみんなも頑張ってね〜!」
「「「おお〜!!」」」「「頑張るよ!!」」
声援を送るとすぐに大きな声で返事が返ってくる。うん!流石進学校やる気がすごい!
ただうちのクラスの男子を応援したら、他のクラスの男子が人でも殺しそうなすごい目で彼らを睨むから慌ててそっちも応援した。
そしたらみんないい笑顔で返事してくれて良かった!
それにしても、普段からキラキラ眩しいくらいのイケメン達が体操服を着て整列してるのを見ると、一層格好良く見える!
学校のグラウンドにそんなイケメン達が大集合してて、ここはとんでもない空間になってるよ!
ほんとに顔面偏差値が高過ぎる!
「花美はよくそんな大きな声が出せるわね」
「みんな頑張れ〜〜!!」
「うるさっ」
「「ありがとうマリアちゃん!」」「「俺頑張るよ!」」
私の隣にはマリアちゃんと麗華ちゃんもいる。
麗華ちゃんは体育祭に興味なくてお休みする予定だったんだけど、誘ったらこうして一緒に来てくれた。
マリアちゃんは私と同じようにみんなに声援を送ってくれている。
今日はマリアちゃんが真ん中ですぐ側にいた麗華ちゃんは耳を押さえている。うん、マリアちゃん声大きいから(^_^;)
そんな私達がいるのはちょっと小高いステージになっていてそこにソファがあり周りにパイプ椅子、上に日除けの布まで張ってある特等席だ。
私達女子3人が中央に座りそれを囲うように、でも競技がよく見えるように護衛が左右後方に座ったり立ったりしている。
みんなで座ろうって言ったら、何かあったとき素早く動けるように何人か立ったままでいるって拒否されました。
護衛するのにその方がいいならしょうがないと、そのかわり交替で座るってことで納得してもらいました。
そんな私達の隣にも同じようなステージがあって女性が1人座っている。
他に女性は参加しないって聞いてたからちょっと驚いた。
艶々した深海のような深い青の髪をポニーテールにしてるんだけど、長さが足元まである。
現実でこんな長い髪の人初めて見たよ。
それに白い肌に真っ赤な唇はプルッとして、胸や足は露出した青いマーメイドドレスを着ている。すごい美女!水の女神みたい!
そんな彼女の連れてる男性は8人程いるんだけどみんな顔が良い。
でも系統がバラバラで、年齢もバラつきがあるけど3、40代と高めの人が多そうだ。
ヤのつく稼業っぽい人から仕事のできるインテリ眼鏡さんにヒョロっとした研究者のような人も。
どういった理由でこんな様々な男性が集まってるんだろう?
と、あまりに綺麗な人でジロジロ見てたせいか彼女と目が合った。
澄んだ水色の目が綺麗で見惚れていたらニコッと微笑まれて、なんか一瞬で顔が赤くなりました。
いやん!妖艶美女怖い!女同士なのにドキッとした!
「花美、みんなを応援しないのか?」
「あ!みんな頑張れ〜〜!」
お兄ちゃんに言われて慌ててみんなに声援を送る。
いけないいけない!余所見してる場合じゃないよね!
そんな私はお兄ちゃんやアーヴァさんにエドヴィンさん、更には麗華ちゃんやその護衛達までもが警戒して彼女を見ているのに気付かなかった。
いやだってさ、とんでもない人が現れてそれどころじゃなかったんだよ!?
競技に参加する人達がグラウンドに集まる中、こちらにやって来た1人の男子生徒。
護衛のみんながピリピリし出したが彼はそのまま進み、私達のステージまで後1mのところで止まった。
ウルフヘアの黒髪に鋭い目、日に焼けた肌の野性的なイケメンだ。
狼のような捕食者の鋭い目線を、なぜか私に向けたまま言う。
「俺は伊沢時雨2年だ!
もし俺が全種目で1位になったら、藤岡花美!貴女の夫にしてほしい」
と彼は宣った。
周囲は物凄いざわめきで埋め尽くされたけど、すぐ隣から聞こえたマリアちゃんの黄色い悲鳴が一番キツかった(^△^;)
お兄ちゃんは激怒、エドヴィンさんは殺気がすごかったけどアーヴァさんは「すごい度胸!」と笑顔。
おいっ、そこは怒らないのかい!と思わず心の中でツッコむ。
それからはもう「俺も!」「俺が1位になったら」「私も!」となぜか便乗する人々が続出して暫く収拾がつかなかった。
先生の静止の言葉も届かない中、なぜか「私も!」と言い出すおかしな先生もいたりした。
もうほんと酷いものだったよ( ›´_`‹)




