34話 マリアちゃんに夫候補!? それと2人に提案があります!
三浦由麻さんが学校に来たことが週刊誌の記事にされていた。
困ったことに、メイのことは隠してたけど麗華ちゃんやマリアちゃんについては実名で記載されていた(^_^;)
麗華ちゃんについては宝王院財閥の娘という大物なので、名前を出したくなる気持ちも分かるけど。
マリアちゃんはお父さんについてまで載ってたので、こっちから苦情を入れました。
私じゃなく章司お父さんがね。私から文句を言おうとしたら、メイから苦情来たなんてご褒美になるって止められました(^_^;)
マリアちゃんは気にしてないって言ってるけど、お父さんのことがまた話題になるようになっちゃって傷付かなければいいな。
と、勝手にちょっと心配してたんだけど……
「あっ、あの!マリアちゃんは俺が守ります!」
「ん〜?もしかして私の夫になりたいの?」
「へ!? そっ、いやっそんな大それた……いえ、俺はマリアちゃんの夫になりたいです!!」
「本当に?私のお父様は犯罪者なんだよ?」
「構いません!! 俺はいつも元気で可愛いマリアちゃんが好きなんです!!」
1人の同じクラスの男子生徒がマリアちゃんに近付いてきて、私とマリアちゃんの護衛(お父さん)は警戒してたんだけど。
その男子がね、みんなの前でマリアちゃんに告白をしてクラス中を騒然とさせた。
マリアちゃんはお父さんのこともあるから戸惑ってたけど、それから彼に触発されたのか「僕もマリアちゃんが好きです!!」「おっ、ズルいぞ!俺だってマリアちゃんが好きだ!」と次々声が上がってマリアちゃんは目を丸くして驚いていた。
お父さん達もすごい驚いてたよ!
私は友達が告白されてドキドキ興奮しながら見てたんだけど、なんかマリアちゃんへの告白に紛れて「花美ちゃんが好きです!!」や「麗華様が好きです!」とかも聞こえたな(^_^;)
お兄ちゃん達や麗華ちゃんの護衛さん達と揉めてたけど、そっちは放置で。今はこっちのが大事!
ドキドキしながらマリアちゃんが何て答えるのか見守っていると、
「じゃあみんな夫候補にしてあげる!」
「やったー!!」「「おおー!!」」
と、告白してきた男子生徒みんなを夫候補として選んだのでビックリした!
「ちょっと夫候補よ?厳選しなくていいの?」と麗華ちゃんが聞いてくれて、私もなぜかと不思議に思ったから耳を澄ませたら。
「これで私も女子寮に住めるよ!お母さんと麗華ちゃんと一緒!」と、可愛くピョンピョン跳ねて喜んでたから納得した。
そうなんだよね、マリアちゃんは護衛の数が足りないから女子寮に住めなかったから。
彼らがマリアちゃんの護衛になってくれたらマリアちゃんも一緒に女子寮に住めるようになるんだよね。
そんな理由かと男子諸君には申し訳ない気持ちにもなるけど、私もマリアちゃんと一緒に女子寮に住めるなら嬉しい!
「「やったー!」」とマリアちゃんと手を繋いで喜んでたら呆れた目で麗華ちゃんに見られた。
んもう素直じゃないな!麗華ちゃんも嬉しいくせに!
あの記事から三浦由麻さんは活動を休止している。
帰りの憔悴しきった姿を思い出すと心配だが、ただの一般人でしかない私にできることはないだろう。
彼女も私とは会いたくないだろうし。
しかし彼女のお陰で麗華ちゃんの素晴らしさはみんなにも分かってもらえたと思う。
ただ、まだマリアちゃんへの評価は悪い。
ネットで麗華ちゃんを称賛する声は沢山見掛けたけど、マリアちゃんに関しては、
「犯罪者の娘がメイちゃんの友達なんて心配だ!」って言う声が度々あった。
マリアちゃんは悪い子じゃないのに……
お父さんの横領と、最近私をマネたのか女性YTuberが増えてて本物の女性の性格の悪さが露呈してきてるんだよね(^_^;)
女性達は最初私と同じように女性VTuberとしてデビューして、でも自称女性VTuberって沢山いるじゃん?
だから全然信じてもらえなくて、YTuberに転身して本物の女性だって証明する人が続出したんだ。
それで見に来てくれた人達にあれ欲しいこれ欲しいって色々お強請りしたりしてね(^_^;)
そんな本物の女性をYTubeや2525動画や色々な配信で見て、女性を神格化してた人達の目が覚めたというか……
で、その人達はマリアちゃんとその女性達を同一視してそうなんだよね。全然違うのに!
だからマリアちゃんが良い子なんだって知ってもらいたい私は、前々から考えていたことを2人に提案してみた。
「あのさ、2人も一緒にVTuberしてみない?」
「「「は!?」」」「はぁ!?」「えっ!?」
「ぶいちゅーばー?」
「は?」
男性達は驚き、マリアちゃんは不思議そうに麗華ちゃんは訝し気な顔をしている。
そうだよね、いきなり何言ってるんだってなるよね!
麗華ちゃんはVTuberに悪いイメージを持ってるし、マリアちゃんはそもそも知らないし!
「あのね、私がメイって名前でVTuberをしてるのは話したよね?
あの記事のせいで2人の名前が世間に知れ渡っちゃったし、いっそのこと一緒に配信したりしたら面白いんじゃないかなと思って」
「ま、待て花美。それは流石に止めた方がいい!」
「そうですよ!本物の女性3人が配信なんてしたら大騒ぎになります!!」
「「そうそう!」」「そうだよ!」
お兄ちゃんはすぐ待ったをかけてきて、他の男性達も口々に同意してくる。
でもさ、友達が良い子なんだって言ってもみんな信じてくれなかったから。
実際に見てもらったら分かるんじゃないかって思うんだ。
それを2人に説明するが周囲は反対一色だ。
「……ふ〜ん失礼な人達ね。私達のことをその辺の我儘女と一緒にするなんて」
「う〜ん、その人達の気持ちも分かるよ?女の子ってみんな我儘ばかりだから。
それに私のお父様の1人が犯罪者なのは事実だし」
ネットでの女性の評判にご立腹の麗華ちゃんと、同意しつつ事実だからと寂しそうに微笑むマリアちゃん。
思わずギュッとマリアちゃんの手を握る。
「マリアちゃんは何も悪いことしてないでしょ!それなのに悪く言われるのは許せないよ!
お母さんはネットの人達に、うちの子は全然悪い子なんかじゃないって知らしめたいの!」
「……まぁ、花美の気持ちも分かるわ。何も知らない人から色々言われるのは不愉快だもの」
拳を握りしめ語る私に麗華ちゃんが同意してくれる。
やっぱり麗華ちゃんもマリアちゃんへの誹謗中傷に怒ってくれてるんだね!
「それで?VTuberがどんなものかよく分かってない私達にできるようなものなの?」
「うん!これ見て!」
2人の前にノートPCの画面を見せる。
これは配信に使う部屋にある性能の良いゲームPCとは違い、YTubeのチェックなどで使っているノートPCだ。
どこにでも持ち運べてすぐ起動できるから便利なんだよね。
こっちもそこそこスペックは高く配信もできそうだけど、こっちで配信したことはない。
ゲーム用PCの方が性能良いしね。
で、そのPC画面にはオカメインコの着ぐるみを着た女の子、【メイ】が映っている。
何人かの男性が「あっ」「メイちゃん」と反応するのでちょっと恥ずかしい。
もちろんまだ何もしてないのでその表情は無表情……ではなく薄っすら微笑んでいる。メイの標準顔は微笑んでるんだよね。
「この子が私がVTuberのとき使ってるメイちゃんです」
「この女の子がお母さん?」
「……」
私の説明にマリアちゃんは不思議そうに、麗華ちゃんは何やら考え込んでいる。
ちょっとドキドキしてくる。
「いつも使ってるのは別のパソコンなんだけどカメラが…あっ、ありがとうアーヴァ!
このカメラで自分を映してね、「こんな風に私の口の動きや表情に合わせてメイちゃんを動かすことができるの!」
「っ!」
「おお!」
このPCにも内蔵のカメラがついてるけど、2人に見せ辛いのでいつも使ってるカメラをもって……来ようとしたらアーヴァさんがもって来てくれた。
それを私の方に向けセットし、同期をONにして喋るとメイちゃんの口が動き笑う。
その動きに麗華ちゃんは驚き、マリアちゃんは感嘆の声を上げた。
「ね!面白いでしょ!
私はいつも生放送をしてるんだけど、友達とお喋りしながらやると身バレするようなこと言ったりトラブルが起きる可能性が高いから。
3人でやるときは撮った動画を編集して、身バレするようなことを言ってたらカットして投稿しようと思ってるの!
どうかな?」
2人とみんなに向け尋ねるが、お兄ちゃんは断固反対は変わらず他の人達も反対している。
マリアちゃんは「楽しそう!」とノリノリだが、これだけ反対が多くてはやることはできないな。
どう説得するか少し考え口にする。
「私はね、3人で活動して得たお金を国に渡そうと思ってるの」
「「え?」」
「私達3人で活動して、マリアちゃんが良い子だって分かっても絶対に文句を言ってくる人っていると思うんだ。
だからマリアちゃんのお父さんが着服したお金を返したら文句言われる筋合いないと思うの。お金は完済済みです!って言えるから」
私の言葉を聞きみんな驚いている。
そうだよね、マリアちゃんのお父さんの着服額は1億円だよ。そう簡単に返せるものじゃないのは分かってる。
そんな中マリアちゃんのお父さんが「お金を着服したのは源蔵だ!マリアが返す必要なんてないんだ!」と焦ったように言う。
それに対して私は冷静に返す。
「それはそうなんですけど、それで納得しない人って絶対いると思うんです」
「……」
マリアちゃんのお父さんは俯き悔しそうに拳を握った。
そうだよね、同じ夫というだけで不当に責められたり、娘というだけでマリアちゃんが責められるのを間近で見てるんだもん。
悔しかったよね。お父さんの気持ちを考えると胸が苦しくなる。
でも、それは私だって同じだ。
「私は友達が誹謗中傷を受けているのに黙ってるなんてできません。
でもそれでマリアちゃんに責任はない、お父さんがしたことだと正論を言っても叩かれる。
なら、文句なんて言えないようにします。マリアちゃんへの悪口は絶対に許しません!」
今までずっと思っていたことを言い切ってスッキリしたけど、誰も何も言わない。
やっぱり自己満足な考えでしかないのかなと落ち込みそうになっていると、「なら私もやるわ」と麗華ちゃんが言った。
「麗華様!」
「私だってマリアのお父様がしたことでマリアを責めていた人間の1人ですもの。
これでマリアへの世間の目が軽くなるのなら協力してもいいわよ」
「麗華ちゃん!」
「麗華ちゃん……」
止める護衛の島津さんを黙らせ、麗華ちゃんがマリアちゃんの為にやると言ってくれて感動した!
マリアちゃんは驚いたように麗華ちゃんの名前を呟いた後、麗華ちゃんに抱きついた。
「ちょっ、離しなさいよ!」
麗華ちゃんはいつも通り顔を赤くして怒っているが、感極まった私も麗華ちゃんに抱きついた!
それを見ていた男性達は、止めたいのに止められないというジレンマに陥ったらしい。




