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女性が少ない世界でVTuberやります!  作者: ブル(犬川)


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26話 慌てて人を突き飛ばしてしまうのは罪ですか?



「……ん?」

「Guten Morgen, Friedrich(おはようフリードリヒ君)」

「わっ、お目々綺麗なエメラルド!」

「!?」

「えっと、Entschuldigung, das muss Ihnen einen Schrecken eingejagt haben. Vater…Papa ist gerade beschäftigt.

 (ごめんね、ビックリしたよね。お父さんは…パパは今忙しいんだ)」



現在私は目が覚めたフリードリヒ君を抱っこしてる状態です。ドイツ語はまだ半人前なのでスマホの翻訳片手に頑張って会話中です。

私の横には頬を赤く染めたマリアちゃんと興味なさそうにしながら興味津々な麗華ちゃんがいる。

マリアちゃんはフリードリヒ君の透き通った黄緑の目が気に入ったみたい。

確かに、水色の髪と黄緑の目と白い肌と全体的に薄い色合いで本当にお人形さんみたいだもんね。可愛い!

お兄ちゃんアーヴァさんエドヴィンさんと、英和お父さんは保健室で暴れたので反省の為に保健室の隅で正座中です。

目が覚めたらお父さんがいなくて知らない女性達に囲まれてるフリードリヒ君。うん、驚くよね。

頭を撫でて少しでもリラックスしてもらおう。

「……Was ist mit Papa?(パパは?)」

周囲をキョロキョロ見回し、不安いっぱいの目に見詰められ尋ねられると胸がギュッと締め付けられる。

お父さんの所まで連れて行こうと、フリードリヒ君を抱っこしてソファから立ち上がろうとした。

そのとき、


「Fritz, Papa ist da, also benimm dich.(フリッツ、パパはいるから大人しくしてなさい)」

「Papa!(パパ!)」

「っ」

「「花美!」」

「「「花美様!」」」


エドヴィンさんがフリードリヒ君が暴れたら危ないからと声をかけたら、その声でお父さんに気付いたフリードリヒ君は私を突き飛ばしてエドヴィンさんに駆け寄った。

その瞬間、周囲は一気に殺気だった。

全員がフリードリヒ君を睨みつける。怖っ!

あんな可愛いと相好を崩していたマリアちゃんも、いつも笑顔のアーヴァさんも厳しい表情だ。

エドヴィンさんも自分の元に来たフリードリヒ君に「女性に乱暴なことをするんじゃない!」と怒り、フリードリヒ君は怯えながら謝罪した。

いけない!子供はこういうことがあるから女性に会わせられないんだよね。

フリードリヒ君は悪くないんだから止めないと!



「私は大丈夫!Mir geht es gut! Wie schön, Papa zu sehen!(私は大丈夫!パパに会えてよかったね!)」

「…Ja(うん)



目が覚めたら知らない人達に囲まれて(私達)知らない場所にいて不安で、そんな状況でお父さんを見付けて駆け寄ったら怒られて。

突然のことに理解できず、目に涙をいっぱい溜めて今にも泣き出しそうなフリードリヒ君を怖がらせないよう明るく声をかける。

起きて早々不安いっぱいだっただろうフリードリヒ君の目から涙が溢れた。

それをハンカチで拭いて、安心させられるよう意識して笑いかける。



「Du warst erschrocken, als du geschimpft wurdest, nicht wahr?(叱られてビックリしたね)」

Ja(うん)

「でも、人を突き飛ばしたりしたらだめだよ。えっと、Du darfst andere Menschen nicht umstoßen.」

「Habe ich das getan?(ボク、そんなことした?)」

「Ja, Ich werde das nächste Mal vorsichtiger sein.

(うん、次からは気を付けようね)」

Ja(うん)



不安そうに揺れる瞳が、少しずつ理由が分かってホッとしたのか最後には笑顔で返事をしてくれた。

そのことにホッとしてフリードリヒ君をギュッと抱き締める。

「いい子いい子」背中をポンポンして安心させつつ私も安堵から力が抜ける。

よかった、これでフリードリヒ君が怒られたら罪悪感でいっぱいになる所だった。

そのまま周囲を見るとみんな目を見開いて固まっている。ええ?私また何かやらかした!?

おかしいことしてないよね!?と内心ドキドキしていたらアーヴァさんの笑い声が聞こえた。



「アハハ!花美らしい!ふつうしかるとこ、ですよ?」

「叱るとこじゃないよ。いきなり知らない人達に囲まれて不安でいっぱいの状況で周囲に気を配るとかできないよ。

 フリードリヒ君はまだ子供なんだよ?」

「そうですね!」



叱る所だなんてそんなわけない。フリードリヒ君はまだ3歳なんだよ?

そう言えばアーヴァさんは笑って同意してくれてホッとした。

やっぱり私おかしくないよね!殺気立つみんながおかしいんだよ!



「…そうだ。普通はそうだが、相手が女性となると話しは別だ」

「そうですよね?女性に暴力は絶対だめですよね!?」

「だよな!普通そうだよな!」

「うんそう!普通はそうだ!」

英和お父さんが難しい顔で呟くと、次々同意してお互いに確認している男性陣。

なんでそんな混乱してるの?…でもそっか、女性相手だと子供だからって許されないんだね。

まだ3歳なのに……ううん、たぶん何歳とか関係なく。赤ちゃんでも叱られるのかも。……怖いな。

気を付けないと今回みたいにフリードリヒ君が叱られちゃうんだね。これはほんとに気を付けないと!

1人反省しているとエドヴィンさんがやってきた。



「花美、息子が突き飛ばしたりして、本当に申し訳なかった」

「大丈夫、気にしないで!ビックリしただけだから!」



私の前で跪き深刻そうな顔で謝罪してきたエドヴィンさんに笑顔で返事をすると、眩しそうに目を細められた。

それから片手を取られ手の甲にキスをされて…恥ずかしくて真っ赤になる。

みんなの前でやめてください。切実に!

そしてなぜかアーヴァさんも私の前で跪いてもう片方の手を持ち、手の甲にキスした。

なぜ!?

それから私の顔を見て、



「こころから花美を愛しています」

「!!」

「先を越されたな。

 私も花美を愛しています。貴女を生涯守り、誰よりも幸せにすると誓います」

「!!!」



とろけるような笑顔で言われて一気に顔が熱をもつ。

どどどっ、どうしてこうも平然とキザなことができるのかなこの2人は!!

恥ずかしくなって俯くと、お兄ちゃんの「何してやがるてめぇーら!!」とブチギレた怒鳴り声がして喧嘩になった。

止めないといけないのは分かってるんだけど私はフリードリヒ君に、「お姉ちゃんがパパの想い人?」と質問され慌ててそれどころじゃなくなった!

なっ、なんて答えればいいの!?

自分から「そうだよ」とは言い辛い!



「ははは、Es ist Edwins unerwiderte Liebe.(エドヴィンの片思いだよ)」

「Ich würde mich sehr freuen, wenn sie Mutter würde!

(この人がママになったら嬉しいな!)」



英和お父さんがエドヴィンさんの片思いだと伝えると、笑顔でママになったら嬉しいなんて言われて撃沈しました。

子供を使って落とそうとは……エドヴィンさん恐るべし!



ほんとは「お姉ちゃんがママになったら嬉しい」の方がいいんですけど、身内のお姉ちゃんと他人のお姉ちゃんと親密度で単語が変わったりとか難しくて(^_^;)

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