22話 5時間目は体育です。
その後は3人でお喋りしながらお昼休みを楽しく過ごした。
最初はマリアちゃんが麗華ちゃんを怖がってぎこちなかったけど、一緒に料理を作って大分打ち解けたんじゃないかな。
2人で慣れない料理をしながら「中々面白いわね」「ね〜!楽しい〜!」なんて普通に喋れるようになってたし。
そして5時間目の授業の為に体育館に向かった。そう、これから体育の授業がある。
食後の後に休憩時間があるとしても運動するのはきつい。
でも、お腹が空いてくる4時間目が体育なのも空腹で力が出ないので辛いけど。
そうして体育館を見たときは気が遠くなった。
まず男子と別に体育館があるって聞いて驚いたけど、女子の人数は少ないのに男子と同程度の規模なんだよ?
むしろ男子の体育館より綺麗だし、覗き防止でか窓が少ないけど圧迫感を感じずに明るく綺麗だし!
入り口には警備員さんがいて女子とその護衛と体育の先生しか入れないし中に更衣室があって、それが5室もあるの!
なんで??って思ったらマリアちゃん達は連れの男性達数人と中に入って行ったの。
不思議に思っていたらエドヴィンさんが「普通女性の着替えは付き人が手伝うんですよ?」って!
嘘でしょ!? 「花美の着替えも手伝ってやるよ♪」ってお兄ちゃんに笑顔で言われたけど、全力で拒否し更衣室に入って鍵を閉めさっさと体操着に着替えた。
ちょっと、いやかなりカルチャーショックだよ!
女同士の友達がいないから全然知らなかったけど、前の私もお父さんや兄弟達に手伝ってもらってたのかな(^_^;)
それから、こんな広い体育館にたった女子3人で何をするのかと思えば体力測定だった。
測定方法は向こうと変わらず、握力計を握って握力を測ったり前屈何cmか調べたりとそんな基礎的なことだけだった。
ただ、反復横跳びや20mシャトルランとかを2人はやる気なさそうにやってたよ。
体力測定だけだからすぐ終わっちゃって、後は自由にしていいよと先生に言われて何するか話し合った。
ゆったりのんびりしたいと言う2人に、せっかく体育館使えるんだし何かやろう!と私が言い、乗り気じゃない2人を説得してバスケットボールをただ投げてゴールに入れるだけだけど遊んだ!
2人は走ったりしたくないらしいから(^_^;)
まぁ、汗で化粧落ちたり服に汗染みがつくの気にする気持ちはすごく分かるけども。
何度か挑戦してゴールにボールが入るようになった私と違い、マリアちゃん達はボール付近で投げても中々ゴールに届かなかった。
見てて思ったけど、2人共筋肉がないんだよね。運動なんて殆どしてないのでは?と、少々心配になったりした。
一応2人ともゴールにボールが入るようになって喜んでて良かったけど、筋肉痛にならないかちょっと心配だね。
それでもう運動なんかしたくないって言われたら辛いし。
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そうして授業も終わり下校の時間になった。
「花美も一緒に帰ろう!」とヤムチャを言ってくるマリアちゃんを必死に宥めていたら麗華ちゃんが突然、「悪かったわね」と謝罪したので私達は動きを止め彼女を見た。
「犯罪者の子とか言って…悪かったわね。
別に悪いとは思ってないけど、一応謝罪しておくわ」
そっぽを向きながらだけど、チラリとマリアちゃんを見て謝る麗華ちゃんを見て感動した!
周りの人々はみんな目を見開いて驚いている。
そうだよね!驚くよね!
同じように驚いていたマリアちゃんだが、何とか返事をした。
「う、うん!ありがとう麗華ちゃん」
「ふんっ、…貴女に友達なんていないだろうから私が友達になってあげてもいいわよ」
「本当!?」
「なっ、なんで貴女が反応するのよ!」
麗華ちゃんが友達になってくれるなんて言うから食い気味で答えたら引かれた。
あうっ、そりゃ引くよね。マリアちゃんに言ったんだもんね私じゃなく。しょんぼり(´; ω ;`)
「しょ、しょうがないわね。貴女とも友達になってあげてもいいわよ」
「わっ、ほんと!? 嬉しい!!」
「私も嬉しい!!」
マリアちゃんと2人で麗華ちゃんに抱きついたら「離れなさい!」と必死に引き剥がそうとしてきた。
麗華ちゃん顔真っ赤で可愛い!
「ちょっと!貴方達も何とかしなさいよ!」
「麗華様が嬉しそうですので」
「はあ!? どこ見てそんなこと思うのよ!」
真っ赤な顔の麗華ちゃんが護衛さんに文句を言いあっさり拒否されて涙目になってた。
可愛い!
これ以上は可哀想だと離れて(マリアちゃんはまだ引っ付いてる)麗華ちゃんを見て「友達!」と笑顔で言うと「フンッ!」と顔を背けられた。
うわあ〜!可愛いツンデレの友達ができて嬉しいな!
ニコニコしながらお兄ちゃん達を見ると、みんな優しい顔で私のことを見てて何だか恥ずかしくなってきた。
ちょっと浮かれ過ぎたかな?
でも、女性の少ないこの世界で友達ができるかずっと不安だったから嬉しくて。
アーヴァさんもエドヴィンさんも、もちろんお兄ちゃんも私のことを温かく見守ってくれて、私に友達ができたことを喜んでくれてる。
親しい人達が一緒に喜んでくれるとすごく嬉しいな。
……どうしよう、麗華ちゃんじゃないけど私も顔赤くなってきたかも。
そのままもう一度チラッ振り返る。
アーヴァさんは天真爛漫な明るい笑顔で、エドヴィンさんとお兄ちゃんはお父さんみたいな子供を見守るように優しく微笑んでる。
それからまた麗華ちゃんを見ると、赤い顔でマリアちゃんを引き剥がそうとしてて声を出して笑ってしまった。
「ちょっと!何笑ってるのよ!貴女もこの引っ付き虫を剥がすの手伝いなさいよ!」
「ごめん、私もマリアちゃん引き離すの大変だったから無理!」
「ふざけるんじゃないわよ!」
「そろそろ私達は帰ろうか」
「ちょっと!!」
お兄ちゃん達にこの隙に帰るか聞けば笑いながら頷かれた。
ほんと、マリアちゃん引き離すの大変だからね!私も昨日大変だったから。
「頑張って麗華ちゃん!」と声をかけたらめちゃくちゃ罵倒が飛んできた。
お嬢様とは思えない暴言!!
仕方ないなぁ〜とマリアちゃんを引っ張るも本当に引き離すのが大変だった。
マリアちゃん……
それから泣き喚くマリアちゃんと別れて、私と麗華ちゃんは寮に向かう。
マリアちゃんも寮に住む!って叫んでたけど、家のゴタゴタがまだ完全に片付いたわけじゃなく、護衛男性達もいなくなってしまったから人手が足りないんだって。
可哀想だけど、こっちから人手を出すのは違うから。ほら護衛男性って夫候補でもあるわけだからね。
ちゃんとマリアちゃんを愛してくれてるしっかりした人じゃないとだめだから。
「麗華ちゃんは何階に住んでるの?」
「私は2階の205号室よ」
「お隣だ!」
偶然にも麗華ちゃんがお隣だと分かり、キャッキャッキャッキャッしながら歩いているうちに部屋の前に着いていた。
「また明日ね!」
「…ええ、また明日」
「あっ、明日一緒に学校行く?」
「それはちょっと…」
「そっかぁ〜」
そんな感じで別れたが、麗華ちゃんは終始私のテンションに引き気味だった(´;ω;`)




