20話 お料理を作ろう!
家庭科室に集まったのは男子生徒25人程と私達女子3人と連れの男性10人。
沢山のキッチンがある広い部屋だけど、これだけの人数が集まると狭く感じる。
6個あるキッチンの一つを私達女子が、残りの5個を5、6人のグループに分かれて男子達が使っている。
女子だけのグループだからか、男子達の視線がめちゃくちゃ突き刺さるし居心地は良くない(^∆^;)
今日作るのは肉じゃがとオムライスだ。どちらか片方でも両方でも作っていい。
うちは両方作る予定だよ!
授業が始まって、まずは材料の分配から。
「それぞれ班ごとに取りに来〜い」と先生がみんなに取りに来るよう言うので行こうとすると、副担任の先生と数人の男子が渡しに来てくれた。
接待待遇!!Σ(゜□ ゜;)
これで良いのか悩むが、男子に混じって取りに行っても騒ぎになりそうだし、まぁしょうがないか。
マリアちゃんと麗華ちゃんも参加するから事前に用意して貰った食材だけだと足りないけど、お米だけ時間かかるし備蓄品から貰おう。
使った分は後でちゃんと返すよ!
今、お兄ちゃんとマリアちゃんのお父さんの1人と手伝いに知らない先生が来て買い出しに行ってくれてる。
麗華ちゃんも参加するって人数増えたことを伝えたからかな。買い出しの量が増えるからね!
「お米6合で足りるかな?男性って結構食べるよね?7、ん〜8合くらい炊いちゃおうか?」
「え?藤岡さんに最上さん宝王院さんの女子3人じゃないの?」
お米を持ってきてくれた男子から分けてもらいながら、ちょっと話を振ってみると不思議そうにされた。
そっか、私達女子だけだと思ったんだ。
でもそれにしてはなぜかお米一袋、10kgをそのまま持ってきてくれてる。重いだろうに。
私と一緒に計量カップでボウルに移してるマリアちゃんはよく分かってないのかこちらも不思議そうにしてる。
「みんなの分も作るんだよ!うちは今お兄ちゃんいないけどアーヴァさんエドヴィンと私で4人。マリアちゃんはお父さん達合わせて3人。麗華ちゃんは連れ5人いるから6人で合計13人だよ!」
「護衛の人達も花美さん達の料理食べれるの!?」
「えっ、何それ羨ましい!」
「「えっ、俺達のも!?」」
お米を持ってきてくれた男子達と、なぜか麗華ちゃんの護衛さん達まで驚いてるが当たり前だよね!
「こんな大量のお料理作ったことないから上手に作れるか分からないけど、みんなで作ってみんなで食べようね!」
そう声をかけたらすごく驚かれた。
アーヴァさん達は私のこと理解してくれてるみたいで驚いてないね。
むしろ楽しみなのかニコニコしてる。
多ければ残せばいいやとマリアちゃんと2人でお米を5合ずつボウルに入れ、お米を研ごうとしたら何人かに止められた。
「手が荒れるから」って、これくらい平気なのに。
彼らを説得してお米を研ぐ。
キッチンは広いし蛇口も2つあるから研ぎ方を説明しながらマリアちゃんとやれるからありがたいね。
炊飯器も3個もあるから助かるわ!一般家庭にこんなないよね。
ただ、初研ぎのマリアちゃんの指の隙間からお米がポロポロ流れていくのが切ない(´;ω;`)
回収できる分は回収して洗って混ぜちゃお!
これ怒る人いるよね、流れたの入れるなんて汚いって。でもそんなのもったいないよね?
「え!?」って言ってる人いたけど入れちゃうよ私は!
それから炊飯器に移して水に浸しておく。30分くらい浸しておきたいけど時間大丈夫かな?様子見て考えよう。炊き忘れだけは気をつけなきゃ!
お米が終わったので次は…じゃがいもとか切ってこうか。絶対切るの時間かかるし。
ちょっと材料が足りないけどお兄ちゃん達がいつ帰ってくるか分からないし、できる分だけやっておこう。
「麗華ちゃんも一緒にじゃがいもの皮むきしよう!」
「嫌よ!さっき手が荒れるって言ってたじゃない!」
「大丈夫だよ!野菜の皮むきだし一緒にやろう!」
「ええ〜」
さっきの男子達の話を聞いていた麗華ちゃんは嫌がるが、一緒にやろうと誘えばいやいやながらやってくれる。
やっぱり良い子だよね。
女性は性格悪いって聞いてたけど、そこまで気にならないけどな。
「野菜洗うの手伝ってくれる?」と男性達に聞けばみんなして野菜を洗ってくれる。
シンクが2つあるのに護衛さん達でぎゅうぎゅうなのでちょっと笑ってしまった。
さてさて、私達3人はまな板の前でじゃがいもとピーラーを片手に並んでいる。
「こうやってピーラーで皮むきしてくんだよ。ほら、スルル〜って皮がむけるの!」
「アハハ!何これ面白い!」
「うまく刺さらないわ」
マリアちゃんは楽しそうにスルスル皮をむいていき、麗華ちゃんはピーラーの刃がうまく入らないのかちょっともたついたけど、ちょっと教えればすぐにコツを掴んでスルスルむいていく。
2人共ニコニコしながら楽しそうにしててホッとした。
せっかく誘ったのにお料理つまらないなんて思われたら嫌だもんね!
私はピーラーを置いて包丁を手に2人が皮むきしてくれたじゃがいもから芽や緑色の部分を取っていく。
素人の2人に包丁を握らせる気はないよ!怪我しそうだもん!
「これ私が知ってるじゃがいもと色が全然違うわ。柔らかくないし。こんな固いの食べられるの?」
「茹でると柔らかくなるんだよ!」
「茹でると?……なんで?」
麗華ちゃんは調理されたじゃがいもしか知らないのか、途中で不思議そうにそんなことを言ってきた。
なんでかって聞かれるとなんでだろうね?
「野菜にはペクチンという細胞同士をくっつけるものがあるんだ。それが煮込まれたことによって分解して柔らかくなるんだよ」
なんて教えてくれる男性もいたけど、麗華ちゃんは眉間に皺を寄せていた。
そうだよね、ペクチンとか言われても?ってなるよね。煮ると柔らかくなる。そういうものだとしか覚えられないよ。
それから2人が皮をむいてくれたじゃがいもが溜まってきたので、男性達に「包丁得意な人はこっち手伝ってもらえる?」と聞いたら一気に来た。
アワワ!まな板足りるかな?包丁も!
アーヴァさんとエドヴィンさんとマリアちゃんのお父さんだけ野菜洗いに残ってくれてる。他の人はみんなこっちに来ちゃったよ ∑(゜o ゜; )
マリアちゃんのお父さんは困惑した顔で、アーヴァさん達は呆れた目で男性達を見ていた。
そうだよね、まだ野菜あるもんね!
それからじゃがいもを一口サイズに切って水入りボールに入れていく。
男性達には女の子が食べやすいように切ってほしいと頼もうとしたら、みんな小さく一口大にしてくれてた。
流石!普段から女性の為に料理を作ってるだけあるね!
私は結構具が大きいのも好きだけど、多分マリアちゃん達は小さい方がいいよね。
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「花美!色々買ってきたぞ」
「ありがとお兄ちゃん!ごめんね、沢山買う物あって大変だったでしょ。マリアパパさんもありがとうございます。
先生方もここまで荷物運んでもらってありがとうございます」
「いえいえ、娘も一緒に作るんですから、買い足しに行くのは当然ですよ!」
「我々は困った女子生徒の為に当然のことをしたまでです」
「ですです!」
途中で買い出しに行っていたお兄ちゃん達が帰ってきた。手伝ってくれた先生方もスーパーの袋を持っている。
やっぱり量が多くて大変だっただろうな。
元々参加予定の私とお兄ちゃん達3人分の材料は用意して貰ってたんだけど、マリアちゃんも一緒に作ることになったからね!
女の子が料理?ってなんか不思議がられたけど、この世界の女性は料理しないのかな?
する人もいるんじゃないのかな?
それと麗華ちゃんも参加することになって、その連れの人の分も買って貰ったからすごい量になってる!
余ってる食材は分けてもらったけど、それでも購入した量は大量だ。
娘の分だってマリアちゃんのお父さん1人とどこからか現れた先生が手伝いますって言ってくれて、学校に着いてからの荷物運びを手伝ってくれた先生もいたみたいでありがたかった!
「最後にオムライスにケチャップで飾りつけするんだよ。動物を描いてもいいし言葉でもいいの。
えっと、例えば私からお兄ちゃんに「いつもありがとう♥」っと。
こんな感じで。マリアちゃんはお父さんのオムライスに何か書いてあげたら?」
「うん!えっとね〜…お父さん大好き❤っと」
「花美っ!」
「「マリアっ!」」
肉じゃがが完成しオムライスの最後の仕上げにケチャップでの書き込みだ。
お兄ちゃんとマリアちゃんのお父さんが嬉しそうに感動している。グッジョブマリアちゃん!(≧∇≦)b
麗華ちゃんは何書くのかな?と見てみると、どうやら宝王院家の家紋を描いてるみたいだ。
箱に……金づち? 宝箱とうちでのこづちかな?
日頃の感謝とかじゃないのか。麗華ちゃんは満足気だけど護衛さん達は微妙な表情。
いや、一人感動してる男性がいる。彼はきっと本気で麗華ちゃんのことが好きなんだね!
なんか、麗華ちゃんの護衛の中の何人か、私に熱のこもった視線を向けてくる人がいるから居心地悪いんだよね。
麗華ちゃんを守る為に、それかアーヴァさん達みたいに夫になりたくて側にいるんだろうになんでそんな態度してるんだろ?
麗華ちゃんに失礼だし、せっかくお友達になれそうなのに関係悪くなったら嫌だからやめてほしいな。
だから彼みたいに他に目移りすることなく麗華ちゃんを見てる人は素敵だよね!
時々私のこと睨んでることがあるけど、それは馴れ馴れしい私が悪いんだし、2人のこと応援しちゃうよ!
あれこれと麗華ちゃんの世話を焼く男性を見てると、ニマニマしそうになる口元を引き締める。
後はアーヴァさんとエドヴィンさんのオムライスにも「いつもありがとう♥」と書いて完成だ!




