14話 私のクラスは1-Aです。
入学式も終わり女子から退出することになったが、まずは両親の所に案内された。
これからは寮生活だから当分両親とは会えなくなるからね。ちょっと寂しいけど最後に挨拶させてもらえるのはありがたい。
お母さんは笑顔で「素敵な人を見付けてね花ちゃん」なんて言って、お父さん達は「嫌だー」「花美は誰にも渡さん!」とか何とか騒いでて恥ずかしかった。
でも横を見ると他の女子の家族達もみんな同じだったからいいや。
ただ、マリアちゃんだけ他に家族がいなくて気になった。
お父さん達は護衛の2人だけなのかな?お母さんはどうしてるんだろう?
気になるけど聞けるわけないし……
そのまま5人の先生(なぜか校長先生もいる)に案内され私達は教室へとやってきた。
他にも後方に何人かの先生がいてなんでこんなに先生がいるのかと思ったけど、教室に着く度に女子生徒と共に別れたので分かった。
こっちの4人はそれぞれのクラスの先生なんだね。
なぜか校長先生もいるけど、女子に何かあったら責任問題になるから見張ってるのかな? 後方の先生も。
女子だけこんな贔屓されていいのかなとも思っちゃうけど、女性が少ないからしょうがないのかな?
あ、副担任の先生は男子についてるんだね。ならよかった!
そうしてまずDクラスで女子1人先生2人と別れ、Cクラスでまた女子1人先生2人と別れ、Bクラスとなったところで問題発生です。
「いや!私花美と一緒じゃなきゃ嫌!」
「隣のクラスだから、休み時間にいくらでも会えるよ?」
「嫌!ずっと一緒にいる!!」
仲良くなってくれたマリアちゃんがBクラスなんだけど、私と離れるのをめちゃくちゃ嫌がった。
説得を試みてるんだけど、ガッチリと私の腕を掴んで離してくれない。
先生方も冷や汗流しながら一緒に説得してるんだけどね、だめそうです。
「仕方ない、それじゃマリア嬢もAクラスに移動してもらいましょうか」
「それはないんじゃありませんか!Bクラスの男子が女子1人になってしまいます!」
「待ってください!その女子は入学が決まってから一度も学校に顔を出してないんですよ!このまま来ない可能性が高いです!
女子が1人もいないクラスなんて、うちの生徒が可哀想ではありませんか!!」
Aクラスの先生が説得を諦めマリアちゃんもAクラスにしようと言うと、Bクラスの先生が大反対している。
確かに、今日来てない女子の2人はA、Bクラスの人だからこのまま来ない可能性もあるのかな。
男子生徒を思って反対するBクラスの先生の気持ちも分かる。
女子生徒のいる学校はどこも偏差値の高い学校で、相当努力しないと入学できないと聞く。
女の子に会いたいと努力して入学した男子達からすれば、クラスに女子がいないのは絶望だろう。
「それなら私がマリアちゃんとBクラスに「「それはだめです!!」」」
私がBクラスに行けばいいかなと思い言うと即否定された。ちょっとショック(´;ω;`)
「花美さんと一緒のクラスになる為にわざと手を抜く生徒が続出して、Aクラスは崩壊してしまいます!」「最高の女性は最高の地位にいてくれなければ男子生徒の為になりません!貴女を目指して男子は努力するのです!!」
何だかおかしなことを先生方は力説してきたが、何言ってるのかよく分からない(・_・;)
女子生徒がいればいいなら私とマリアちゃんで丁度2人Bクラスにできるし、Bクラス予定の女子をAクラスにすればいいんじゃないの?
それともやっぱり女子も成績と家柄でクラスを振り分けてるから、そう簡単に替えることはできないのかな?
そうして中々話しが決まらず揉める中、1人の女子生徒が怒り出した。
「何よさっきから花美花美って!私を誰だと思ってるの!?
私は宝王院財閥の娘、宝王院麗華ですのよ!
くだらないことで長々と話し合いしてよくこの私を放置していられるわね!どいつもこいつも花美花美って!
なぜ私よりそこの小娘を優先するの!? 私を敬いなさいよ!私は宝王院財閥の娘ですのよ!」
マリアちゃんに突っかかっていた金髪ツイン縦ロールのお嬢様が怒鳴りながら周囲を睨みつけ、最後に私をギリッと睨みつけてきた。
わっ、私ですか!?
いやさっきから揉めてて申し訳ないけど私だけが悪いわけじゃないと思うの!
そんな私の心の声が届くはずもなく彼女が近付いてくる。
「なんなのよあなたは!どこの財閥の娘だと言うの!?
さぞ有名な家の出なのでしょうね!みんなあなたに媚び売ってるんですもの!この私よりも優先するほどに!!」
ズカズカと怒りの表情で近付いてくる彼女に気圧されていると、さっとアーヴァさんが立ち塞がってくれた。
ジロリと彼を睨みつけた宝王院さん、言い辛いから麗華ちゃんでいいか。
そんな2人をハラハラ見ていると麗華ちゃんは「そこをどきなさい!」と怒鳴りつけた。
しかしアーヴァさんは笑顔だ。怖い。
「まぁまぁおちついて。マリアおじょうさんが花美といっしょにいたい思うの、しかたないです。だって花美はすてきなじょせいだから。
みんな花美すきになるの、当たりまえ。しかたないネ」
「なんですって!?」
「それにあなたはさっきから、ざいばつざいばつうるさいです。それしか言えないですか?」
「なんですって!!?」
うわぁぁ、アーヴァさん麗華ちゃん煽らないで!すごい顔で睨みつけてるから!
ほんとに悪役令嬢が似合う物凄い目力で、私なら泣いちゃいそうな迫力なのにアーヴァさんはずっとニコニコ。
強者!!
「おかねもちえらい。ならわたし王ぞく、えらい。あなたより」
「え"!?」
ニコニコ笑顔でとんでもないこと言い出したアーヴァさん。
その言葉を聞いてバッとこっちを見る麗華ちゃん。やめて、私王族とか何も知らないから!
アーヴァさんは褐色の肌に焦げ茶のふわふわの髪をした男性で、海とか似合いそうな爽やか青年って感じしかしないんだよ。
王族って言われてもそんな堅苦しい感じ全然なくて。カタコトの日本語なせいもあるかもだけど、ほんと明るい爽やか好青年のイメージしかない。
「ど、どこの国の方かしら?」
「バーラトですよ。王ぞくと言っても、たくさんいますが。少なくとも、あなたよりおかねもち!
おかねもちえらくても、けんりょくしゃえらくても、わたしのほうが、あなたより、上」
「っ!! それは……失礼な態度をお詫び致しますわ」
アーヴァさんが王族でお金持ちと聞いたとたん態度が軟化した麗華ちゃん。
さっきまでの形相が嘘のように笑顔になってアーヴァさんに謝罪して、最後にこっちを睨みつけるのはやめよう!
怖い!!
それから先生方はすぐに麗華ちゃんに謝罪し、先に教室へと案内していた。
そしてさささと話し合い、私とマリアちゃんはAクラスになった。
これでAクラスに女子4人、Bクラスに1人、Cクラスに1人、Dクラス1人と分けられることになった。
でもA、Bクラスに来てない女子がいるから、最悪Bクラスは女子なしになるかもしれない。
そしたらほんとごめんね、Bクラス男子!
そんな感じで20分くらい廊下で話し込んで、周りに多大な迷惑をかけつつようやく自分のクラスに入れた。
……疲れた。




