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青鬼 -開-  作者: ハジメ
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13/14

最終章:鬼 5/8 <名も無き戦場へ>

戦場へ向かう高山隊。

しかし、高山たちへ用意された船はボロ船と言っても過言ではない船。

その船が向かう先は名もなき島

◆名も無き戦場(いくさば)


翌朝、生水港へ寄った船に高山部隊は乗り込んでおり、すでに生水港を後にし、向かうは名も無き島。

向かう船もすでに修理を無視した最後の航海が分かるような船…船名が擦れて見えない。


「特攻と変わらぬな。この船とお陀仏だけはさけたい。」


既に空では神風と称する特攻を行っているとの話だ…噂で耳にするぐらいだが、特攻する者達は既に死しているのか生きているのかが分からぬ者が搭乗し、ただただ、命令に忠実に動くが、人間を感じず少し肌が青いらしいとの事だ。


遠くで破裂音が聞こえて来た時、高山は己の部隊を呼び寄せた。


「いいか。これから我等は遠くで聞こえる破裂音の元に行く!!そこでの我等の任務は敵を抑えることだけだ!!」


部隊の顔が一層引き締まり、高山を見る。


「敵部隊は軍上層部の予想通りの進路を通っている。そこで我等部隊は足止めだけだ。空に対する対空兵器はこの船に装備してある物のみ。向かう場所には他の部隊も上陸し別作戦の実行に当たっているであろう。」


高山は淡々と自分達が実行する作戦内容を語った。中身がない作戦内容を国土防衛という作戦…少し前までは頭に無かった作戦だ。そんな沈黙の中、秀風(ひでかぜ)が口を開いた。


「別働隊が別作戦を行っているとの事ですが、どんな作戦かを聞くことは可能でしょうか?」


「そうだな…お前達にも関係することだ。話しても構わないだろう。」


高山は秀風(ひでかぜ)に目を送り、再び部隊全員を見ると、続けて話し始めた。


「お前達は香山(かやま)の件を覚えているか?俺があの件をまとめて、上層部へ報告書を提出し、香山(かやま)に研究所が建った。お前達も噂に聞いているだろうが、青き肌の兵をあれが研究結果だ。」


部隊兵の顔色が変わった。当時の自分達が香山(かやま)で目撃、遭遇した鬼のことを…


「あ…あの鬼が…これから向かう先にいるのでありましょうか…それなら…」


兵が先を話そうとした時に、高山は遮るように口にした。


「大丈夫だと思うか?所詮は命がある者がなった果ての姿だ…我々が行う足止めが少しマシになると考えるのが妥当だ…それに推測に過ぎないが、神隠しや…佐久耶(さくや)村の人間達が鬼になった姿だ…」


高山の推測という事実に近いであろう発言に誰も反論は出来ず、秀風(ひでかぜ)のみが呆けた顔をしており、高山は秀風(ひでかぜ)に向け口を開いた。


秀風(ひでかぜ)香山(かやま)を覚えているか?そこで俺がお前達捕虜を逃がしたことを。」


「はい。覚えてますが、それが鬼と関係しているんですか?」


「恐らくお前は、そこまで行かずに速く香山(かやま)を抜け、佐久耶(さくや)村に行ったのだろう…あの山には昔から伝わる伝承があってな」


秀風(ひでかぜ)は村の人達が語っていた事を思い出した。"香山(かやま)は鬼が住む場所"と言っていたこと、その時に高山に対しての憤りを感じていたことを今となっては国と名目上やっていたと理解しているが。


「つまり鬼はいたと…」


秀風(ひでかぜ)は恐る恐る高山に尋ねると、高山は静かに答えた。


「そうだ。鬼はいた。この部隊も襲われた奴がいた。」

高山が元捕虜である秀風に語る鬼…

これから向かう先には『鬼』がいるのだろうか。

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