「放課後の続き」ですよ、先輩! 後輩シュガー、現実(リアル)を見据えた夕暮れ混浴
三人のヒロインたちによる怒涛の「ご褒美タイム」を終え、疲れ果てたレインの前に、頬をこれ以上ないほど膨らませた少女が立っていた。
「……先輩! みんなズルいです! シュガーだけ置いてけぼりなんて、公式権限で暴れちゃいますよ!?」
後輩のシュガーである。
彼女はレインの腕に抱きつくと、ぐいぐいと彼を引っ張り出した。
「わかった、わかったから。……それで、シュガーは何をしたいんだ?」
「決まってます! 『放課後の続き』ですよ!」
シュガーが指を弾くと、周囲の風景が一変した。
そこはファンタジーな帝都ではなく、夕暮れ時のどこか懐かしい「放課後の教室」、そしてその先に続く、現実味 溢れる素朴な浴室だった。
「ここ、現実で先輩と一緒に行きたかった場所を再現したんです。……いつか、ログアウトしても本当に行けるように」
二人は、部活終わりのような空気感で、タイル張りの浴室へと足を踏み入れた。
これまでの幻想的な魔法の湯とは違う、少し熱めのお湯と石鹸の香り。
シュガーは、アバターの虚飾を剥ぎ取り、「現実の自分」を強く投影した姿で、レインの隣に座った。
「……私、二人が出会った頃から、ずっと先輩のことだけ見てました」
お湯の熱気のせいか、それとも別の理由か。
シュガーの顔は真っ赤に染まっている。
「一億人の王様になっても、先輩は私の先輩です。……でも、後輩のままでいるのは、もう嫌なんです」
シュガーはそっと、レインの肩に頭を乗せた。
「……大好きです。ゲームの中の『王様』としてじゃなくて、リアルで私を叱ってくれる先輩として、愛してます。……いつか、この世界がどうなっても。私の隣には、先輩にいてほしいんです」
それは、四人の中で最も「未来」を見据えた告白だった。
特権も魔力も関係ない。ただの少女としての真っ直ぐな想いが、レインの胸に静かに染み渡っていく。
「今日は……ずっと隣にいてくださいね。約束ですよ、先輩」
夕暮れ色の光が差し込む浴室で、二人は現実と仮想の境界が溶け合うような、穏やかで温かい時間を共有した。
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