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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第5章:【オーバーライド・エンパイア編】「先輩、私はあなたの盾になります」――運営を裏切った後輩(GM)と、世界を上書きするバグの楽園――
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【神罰】運営会社、買収完了。シュガーを傷つけたゴミ共は、今日限りで「全員解雇(クビ)」だ

 三柱の女神による全力の魔力。そして、レインによるシステムそのものへの強制介入。砂のように消えかけていたシュガーの体は、実体を取り戻し、レインの腕の中へとつなぎ止められた。


「……ぁ。せん、ぱい……」


 シュガーが震えるまぶたを開ける。レインは彼女を抱き寄せたまま、その背中を静かに、だが力強く叩いた。


「もう大丈夫だ。アリス、エルナ、リヴィア。……シュガーを任せる。俺は、ゴミ捨てを終わらせてくる」


 レインが腕を離すと、アリスたちが神速でシュガーを支え、王宮の奥へと避難させる。


 独り玉座の前に残ったレインは、宙に浮かぶ無数のウィンドウを高速で操作し始めた。



 一方、現実世界の運営会社『ゼンニス・オンライン・エンターテインメント』の管理室。


「オーバーロードに失敗! シュガーのアカウントが消失しません!」


「馬鹿な! 何が起きている……!?」


 開発部長の絶叫をさえぎるように、室内に赤い警告灯が回り始めた。だが、それはシステムエラーの警告ではない。――株主総会を管理する法務部からの、緊急通知だった。


「部長、大変です! 我が社の株式が市場から一瞬で消えました!」


「……何だと?」


「正体不明の個人投資家が、暴落した株をすべて買い占めたんです! その額、一千億以上……出所は、換金された『レイン・コイン』です!」


 管理室の全モニターが、一斉に砂嵐へと変わる。そして、そこには一つの紋章が浮かび上がった。オーバーライド・エンパイアの、王の紋章だ。


『――聞こえるか、無能ども』


 スピーカーから響いたのは、死神の宣告よりも冷たい、レインの声だった。


「レ、レイン……っ! 貴様、何をした! これは犯罪だぞ!」


『犯罪? 笑わせるな。俺は合法的に市場のルールに従い、価値のないゴミ会社を買い取っただけだ。……今、この瞬間、ゼンニス社の筆頭株主は俺だ』


 部長のスマホが鳴り響く。銀行口座の凍結通知。会社の資産差し押さえ。そして――「解雇通知」。


『シュガー……佐藤に手を出した罪は重い。お前たちの席は、もうこの世界にはない』


「待て! 話し合おう! お前を、いや貴方を正式に神として認め……」


『黙れ。――オーバーライド。全権限パーミッション剥奪はくだつ


 レインが指を弾いた瞬間、管理室の全端末が火花を散らして爆発した。電源が落ち、闇に包まれた部屋で、役員たちはひざから崩れ落ちる。


 彼らが必死に守ろうとした地位も、名誉も、そして会社という「現実」すらも、ゲーム内の王によって上書きされた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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