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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第5章:【オーバーライド・エンパイア編】「先輩、私はあなたの盾になります」――運営を裏切った後輩(GM)と、世界を上書きするバグの楽園――
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【管理者権限:Level 10】「邪魔ならルールごと書き換える」 ――未実装エリアに君臨した俺と、ゴミのように捨てられたトップギルド――

 新世界、『エターナル・レジェンド』。

 そこは、数百万人のプレイヤーが「第二の人生」を謳歌おうかする、世界最大級の仮想空間だ。


 その朝。

 未実装の原生林を切り裂いて、一隊のプレイヤーが姿を現した。


「……おい。マジかよ、これ」


 トップギルド『鉄血の牙』の斥候せっこうパーティ。

 そのリーダーが、信じられないものを見たという顔で立ち尽くす。


 視線の先には、昨夜まで地図に存在しなかったはずの、白亜の城壁に囲まれた「街」が、朝靄あさもやの中で輝いていた。


「エリアの読み込みエラーじゃない。……おい、見ろよ!

 住人(NPC)たちが歩いてる。それも、見たこともないほど精巧なグラフィックだぞ」


「……不気味だわ。公式のアナウンスなんて一度もなかったのに」


 彼らが恐る恐る街の入り口へ近づこうとした、その時だった。


「――立ち入り禁止だ、と言わなかったか?」


 静かな、だが心臓を直接射抜くような声が突き抜けた。


 プレイヤーたちが目にしたのは、街の門に背を預け、空中に浮かぶ半透明のパネルを操作している一人の青年だった。


 レインが指を弾くと、プレイヤーたちの目の前に、今まで見たこともない真っ赤な『警告(WARNING)』のウィンドウが突きつけられた。


「な、なんだ!? システムメッセージが……文字化けしてやがる!」


「おい、こいつの名前を鑑定しろ!

 ……っ、鑑定が通らない!? レベルが……『ERROR』……だと?」


 プレイヤーたちが混乱に陥る中、レインの視界には、彼らとは全く別の景色が広がっていた。


【管理者権限:システムコンソール】

・世界コード:EL-01『エターナル・レジェンド』接続済み

・現在地:セクター99(未実装エリア)

・ステータス:管理者(Admin)

・干渉権限:Level 10(最高レベル)


【対象:一般プレイヤー 5名】

・処理案:

 1. ログアウト強制実行

 2. 記憶データの改ざん

 3. 物理演算の固定(石化)


「レイン様。お茶の準備が整いました。

 ……その汚らわしい連中、消してしまいましょうか?」


 レインの背後から、完璧なドレスをまとったアリスが優雅に現れる。


 その美しさと、彼女から放たれる殺気のような魔力に、プレイヤーたちは息を呑む。


「……いや、いい。ちょうどいい『観測用サンプル』だ」


 レインはパネルを閉じると、初めてプレイヤーたちへ視線を向けた。

 その瞳には、かつて「番号」で呼ばれていた青年の面影はない。


「ここは俺たちの街だ。

 ……今のところ、お前たちの神(運営)に挨拶するつもりはないが、邪魔をするなら――

 この世界のルールごと、書き換えさせてもらう」


 レインが指を鳴らした瞬間。


 プレイヤーたちの視界が真っ白に染まり、彼らは気づいた時には、数キロ離れた街の外縁まで「座標転送」されていた。


 本来なら記憶を改ざんして消し去ることもできたが、レインはあえてそれを選ばず、恐怖を刻みつけたまま解放した。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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