【最強の布陣】世界の壁を固めるエルナと、敵の居場所を暴くアリス。そして、全てを食い破る黄金の竜
「……ぷはぁ! ごちそうさまでしたな、主様!」
神域の空に、満足げなリヴィアの吐息が響く。監査官ザキエルのエネルギーを飲み込み、彼女は黄金の髪をふわふわと弾ませて笑った。
「ふむ、上位世界の『魔法の仕組み』、なかなか興味深いわね。これを使えば、この世界の『壁』をもっと頑丈にできそうだわ」
感心したように宙の数式を弄ぶのは、伝説の精霊女王エルナだ。彼女の知性が、敵の残した力を「箱庭」の防御バリアへと作り変えていく。
「……お上手ですわね、エルナ。ですが、もっと直接的な『弱点』を握っておくべきですわ」
エルナの横で、レインの影から滑り出すように現れたのはアリスだ。彼女はレインの手元に新しい紅茶をそっと置き、冷徹な微笑みを浮かべる。
「レイン様、ご安心を。この男が隠し持っていた『上位世界の地図』と『ボスの居場所』は、私が全て抜き取っておきました。……向こう側の連中がどこに隠れているか、もう筒抜けですわ」
「助かるよ。エルナが守りを固め、アリスが敵の喉元を掴む。……最強の布陣だな」
レインに褒められ、エルナは得意げに胸を張り、アリスは頬を染めてうっとりと微笑む。だが、その平和な空気をリヴィアの「喜びの足踏み」が切り裂いた。
――パキィィィィン!!
「え……? リヴィア、何もしてないですぞ?」
リヴィアが監査官の権能を喰った影響で、彼女の無意識の動作が「空間」そのものに亀裂を入れてしまったのだ。
「ちょっと! リヴィア、動かないで! せっかく強化した壁が壊れるわ!」
「あらあら……。リヴィア、お行儀がよろしくありませんわね。レイン様の庭を傷つけるなんて、お仕置きが必要ですわよ?」
慌てて魔法で空間を固定するエルナと、光を呑み込んだ聖痕の糸で次元の裂け目を縫い合わせるアリス。二人がかりで規格外な「進化」を遂げたリヴィアをフォローする姿は、まさにこの神域の日常そのものだった。
「……リヴィア、お代わりは後だ。まずはその力を制御できるようにならないとな」
レインがリヴィアの頭を優しく撫でると、彼女は「はーい!」と素直に大人しくなった。その様子を、次元の隙間から見ていた上位世界の役人たちは、恐怖に顔を引きつらせて逃げ惑う。
防御のエルナ、解析のアリス、そして突破力のリヴィア。三人のヒロインのバランスが完璧に整い、レインは確信した。この「箱庭」はもはや、誰にも汚させない究極の聖域へと進化したのだと。
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