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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第4章:絶対神の新婚生活。説教する精霊女王と究極の箱庭づくり
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【外敵】上位世界から『監査官』が来たけれど。金髪の守護竜(リヴィア)が新種のお菓子と勘違いして完食した件

 レインたちが、再構成した民たちと温かい食事を囲んでいたその時。 平和な空を切り裂いて、真っ白な幾何学模様の亀裂きれつが走った。


「――この世界の管理ログに異常あり。規約違反を確認。直ちに執行手続きを開始する」


 亀裂の中から現れたのは、全身を白銀の鎧で包んだ、人間味のない無機質な男だった。 彼は背中の翼を羽ばたかせ、不遜ふそんな態度で地上を見下ろす。


「……何よ、あの無粋な男は。せっかくの食後のデザートが台無しじゃない」


 エルナが不快そうにまゆをひそめた。彼女は即座に指を鳴らし、神域の空に多重魔法陣を展開して相手の動きを封じる。


「私はこの世界の管理OSそのもの。私の許可なく侵入するなんて、どこのどいつかしら?」


「上位世界『プライム・コア』直属、監査官ザキエルだ。このサーバーは一度デリートされたはず。不正な復旧、および未認可データの再構成……これは宇宙のことわりに反する重罪である」


 監査官と名乗った男は、手に持った光のやりをレインに向けた。だが、レインは椅子から立ち上がることさえせず、静かに紅茶をすする。


「規約、重罪、理……か。そんなものは、この『テラリウム』の中では俺が自由に書き換えられるんだよ」


「口が過ぎるぞ、下等なバックアップデータ風情が! その傲慢ごうまんな存在ごと、今すぐフォーマットして――」


 ザキエルが叫び、槍を振り上げたその時。 彼の背後に、音もなくまばゆい金髪が躍った。


『むふーっ! 主様! あのキラキラした人、なんだか珍しい匂いがしますな!』


 リヴィアだ。彼女はいつの間にか監査官のすぐ背後まで肉薄し、じゅるりとよだれを垂らしていた。


「なっ……!? いつの間に背後を……貴様、何者だ!」


『リヴィアはお腹が空いているのですな! そのよろい、硬くてサクサクしてそうで、とっても美味しそうですぞ! 主様、これ、新しいお菓子ですかな!? 食べていいのですかな!?』


「な、何だと……!? 私を『お菓子』だと……っ!?」


 金髪を激しく揺らし、リヴィアがそのあごを大きく開く。黄金の守護竜としての本能が、上位世界のエネルギーを「上質な栄養源」として認識したらしい。 監査官が恐怖に顔を歪めた瞬間、レインが冷ややかに指を弾いた。


「いいぞ、リヴィア。ただし、その鎧だけにしておけよ。中身の『データ』はエルナに解析させるからな」


「了解よ。リヴィアが噛み砕いて脆弱ぜいじゃくになったところを、私が根こそぎ吸い上げるわ」


 エルナとリヴィア。世界の意志と黄金の竜による、完璧な連携。


「ま、待て! 私は監査官だぞ!? こんな非論理的なことが――ひぃ、あああああぁぁぁっ!!」


 リヴィアの「食事(攻撃)」が始まり、絶対的な力を持つはずの監査官は、ただの「栄養価の高いおやつ」として処理されていく。


 かつての世界で、俺たちは常に「何かのルール」に縛られ、使い捨てられてきた。 だが、今の俺はこの庭の王だ。例え上位世界の法だろうと、俺たちの幸せを邪魔するなら、美味しくいただくだけである。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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