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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第3章:聖域に金髪巨乳の守護竜が加わりました 〜今さら戻ってきてと言われても、隣には神話級の美女がいるのでお引き取りください〜
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【悲報】勇者アルディス、生贄として出撃。管理者が「一国を買える果実」をおやつにしている頃――

 王宮の謁見えっけんの間は、阿鼻叫喚あびきょうかんの地獄と化していた。かつてレインを無能と笑い、アルディスを英雄とあがめていた貴族たちは、今や崩れゆく天井を見上げて震えることしかできない。


「……もう、終わりだ。あの男がいなければ、この国は……」


 玉座で頭を抱える国王の前に、一人の男が引きずり出されてきた。追放された後、王都付近で野盗のような真似をしていたところを、騎士団に「戦犯」として捕縛された勇者アルディスである。


「アルディスよ。……お前に最後のチャンスを与える」


「……あ? チャンスだと? 俺様を戦犯扱いして牢屋にぶち込んでおいて……」


「黙れ! お前がレインを追い出したせいで、結界は消え、武器は朽ち、国は滅びかけている! 今すぐレインを捜し出し、土下座でも何でもして連れ戻してこい! さもなくば、今度こそお前の首をねる!」


 国王の目は血走っていた。もはやプライドなどない。レインを連れ戻すための「生贄いけにえ」として、かつての英雄を差し出そうというのだ。


「……フン、いいだろう。レインの野郎、俺様が直々に迎えに行ってやれば、泣いて喜んで戻ってくるに決まっていやがる。あいつは俺様がいなきゃ、何にもできないゴミだからな」


 アルディスは相変わらずの傲慢ごうまんさを崩さないまま、王宮の宝物庫から適当な剣をつかんで外へと飛び出した。 だが、彼には分かっていない。今のレインがいる場所は、人間に見つけられるような場所ではないということを。



 一方、座標NULL(レインの庭)。


「……ふぁ。よく寝たな。アリス、今何時だ?」


「お目覚めですか、レイン様。ちょうどおやつの時間にございます」


 アリスはレインの乱れた髪を優しく整えながら、水晶のトレイを差し出した。そこには、リヴィアが庭の奥で見つけてきたという、神秘的に輝く果実が盛られている。


「主様! この果実、食べると魔力が無限にあふれてくる不思議な味がしますぞ! むふー、リヴィアはもう十個も食べたですな!」


「……それ、伝説の『神霊果』じゃないか? 一つで一国の予算が飛ぶって言われてる……」


 レインは苦笑しながら、リヴィアが差し出してきた果実を一口かじった。確かに美味い。そして、力がみなぎる。かつては一滴の魔力も無駄にしないよう神経を削っていたが、ここでは「世界を支える力」が、ただの果物として消費されている。


「あ、レイン様。一応、ご報告が。……例の『旧知の方』が、こちらに向かって座標を検索しようとしているようです」


「えっ、誰か来るのか?」


 アリスは虚空を見つめ、ゴミを見るような瞳で微笑んだ。


「いえ。ただの『システムの不純物』です。この聖域の門を叩く権限すら持たぬ羽虫ですので、私が――処理しておきますね」


 アリスが指先を空中でスワイプする。それだけで、レインの居場所を必死に探していたアルディスの羅針盤コンパスの数値は書き換えられ、目的地は「絶海の孤島」へと強制変更された。


「……よし、美味しい果実も食べたし、次は庭の噴水でも直そうか。アリス、手伝ってくれるか?」


「はい、喜んで。レイン様と共にいられるなら、私は何でもいたします」


「リヴィアも噴水で水遊びしますぞ! 主様も一緒にザブーンですな!」


 外の世界で、アルディスが「こっちじゃねえ! どこだレイン!」と荒野を彷徨さまよい始めていることなど、平和な三人には知る由もなかった。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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