五色の光、集う時。 ~愛を貫く羅針盤は、再会の座標を指す~
漆黒聖域が完全に消滅し、柔らかな光が満ちていた。
「……あ、あの……」
シルヴァーナが震える声で呼びかける。
「助けてくれて、ありがとう。……貴女は、一体……」
葵はゆっくりと振り返り、シルヴァーナを見つめた。
「葵、と申します。……貴女の一途な想いは、次元すら超える力になります」
葵がそっと掌を差し出すと、バロールが独占していた「ロウィンの座標」が、淡い光を放つ羅針盤となって浮かんでいた。
「……彼の魂へ辿り着くための、ささやかな贈り物です」
シルヴァーナはその光を両手で包み込み、ボロボロと涙をこぼした。
「……いつか、私も貴女みたいに……強くなれるのかしら。愛する人を、守れるくらいに」
「ふふ……。何を仰いますか。敵が卑劣だっただけで、貴女の奥の手は最強の一手のはず」
葵の言葉は、単なる慰めではなかった。
「……さあ、羅針盤が指す先へ。愛する人を守り抜くための、本当の戦いはこれからですよ」
その時、天の向こうから四つの巨大な輝きが降り注ぐ。
一切の汚れを許さぬ潔白の閃き、万物を照らす黄金、森羅万象を司る精霊光、そして――空腹の蒼光。
「……ようやく五色の輝きが揃い、レインへの『扉』が開いたようです」
葵の体が、黄金の粒子に包まれ始める。
「シルヴァーナ、貴女の旅に幸あらんことを。……レイン、今すぐその胸に飛び込みに参ります」
葵は最後にもう一度、愛を貫く少女へ微笑むと、光の奔流となって次元を跳躍した。
後に残されたシルヴァーナは、握りしめた羅針盤の光を見つめ、力強く立ち上がる。
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