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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第8章:神の宣告を笑い飛ばす最強のヒロインたち 〜運営のアバターを塵に変え、管理階層まで蹂躙する〜
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運営殺しの黄金王 〜無能運営、アバターロストの恐怖に震える〜

 第1サーバー『監獄都市エデン』の空が、物理的に「割れた」。黄金の光で満たされる視界を、強引に塗りつぶす漆黒のウィンドウ。そこに刻まれた『真なる運営 (ゼネラル・マネージャー)』の文字は、この世界の住人にとって「神の宣告」と同義だった。


「……エラー・オブジェクト『レイン』、および随伴ずいはんデータ。直ちに削除デリートを実行せよ」


 空の亀裂きれつから降りてきたのは、巨大な「指」だった。雲を突き抜け、数キロメートルに及ぶ肉の柱となって、レインへと振り下ろされる。指先が触れる場所から、世界のテクスチャが「砂の嵐」のように分解され、虚無へと消えていく。


「お、おい……嘘だろ、運営が直接手を下しに来たのかよ!?」


「逃げろ! 触れたら魂ごと消されるぞ!」


 歓喜に沸いていた民衆が、再びパニックにおちいる。だが、レインは動かない。振り下ろされる「神の指」を、退屈そうに見上げている。


「削除……か。あいにくだが、コマンドはもう受け付けていないんだ」


 レインが右手を軽く振り上げる。その瞬間、背後に控えていた四人のヒロインが、同時にその力を解放した。


「主様への不敬……万死に値しますな」


 黄金竜のリヴィアが吠える。彼女の咆哮ほうこうが物理的な衝撃波となり、空間を分解していた「削除の力」を強引に押し留めた。本来、システムの絶対命令であるはずのデリートが、「風」によって押し返されたのだ。


「解析完了。……この『指』、単なる遠隔操作のプログラム・アバターです。本体は依然として管理階層サーバー・トップに潜伏中」


 アリスの瞳が青く発光し、空の亀裂きれつの先にある「真の敵」の座標を特定していく。


「あーあ、せっかく先輩レインが用意してくれた綺麗きれいな空を汚しちゃって。……お仕置きが必要だね、これは」


 シュガーが不敵に笑い、指先で空中をなぞった。彼女が干渉したのは、運営の「管理システム」だ。指に、ザザーッと激しいノイズが走る。



【警告:当該オブジェクトの維持リソースが不足しています】



「な、なんだと……!? 私の権限が拒絶された!?」


 空の彼方から、初めて「動揺」を含んだ声が響く。そこへ、りんとした足取りでエルナが前に出た。彼女は、ふんと鼻を鳴らして空を見上げる。


「……勘違いしないで。私が守っているのはレインであって、この無能な民衆やサーバーの平和なんて、どうでもいいのよ」


 ほほを赤く染めながら、しかし眼差しは「削除の光」すら凍りつかせるほどの鋭さを帯びている。


「ただ、私のレインを『消去』しようなんて……その思い上がり、許せない。これ以上近づくなら、規約システムごと存在を切り捨ててあげるから。……分かったら、さっさとその見苦しい指を引っ込めなさい!」


 エルナが杖を地面に突き立てると、そこから衝撃波が走り、空を覆っていた黒いウィンドウがガラス細工のように粉々に砕け、音を立てて崩れ落ちた。


 レインが視線を天へと向ける。


「金も、民も、システムも。お前たちが握っていた『支配のひも』は、もう俺の手の中にあるんだ。……降りてこいよ、序列第7位。その指、一本ずつへし折ってやる」


 王の宣言が、反逆の狼煙のろしとなる。


「……左様。後悔こうかいしても、もう遅いですな」


 リヴィアが天へと跳ね、その爪を振り下ろした。世界のシステムを物理的に切り裂く一撃が、数キロメートルに及ぶ「神の指」を真っ向から両断する。


 断絶されたアバターが修復不可能なノイズとなって弾け飛ぶ。


「ぐああああっ!? 私のアバターが、認識できない……だと!?」


 空の向こうで、苦々しい吐捨はきだしが、大気を震わせた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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