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第35話「奪われたもの」


【騎士団本部】


ホト「契約者は…契約の代償に何かを奪われる」

ホト「奪われたものは…奪った悪魔にしかわからない」

ホト「戻ることも…ない…」

トウナ「な、なんで戻ったんですか……?」

ホト「さぁ…もしかしたら…悪魔の気まぐれかもしれない」

ホト「すごく辛いことだから…ここぞって時に解き放ったのかも」

トウナ「……ケレマ」

トウナ「立ち直れ………ますかね…」

ホト「…信じよう、あの子は強い」



ケレマは暗い自室でひとりぼっちでいる


ケレマ「………」


カテラーデは自室をノックし、開けずにドア越しに話す


カテラーデ「ケ、ケレマ…?今…いいか……?」

ケレマ「…ごめん…まだ…ちょっと……」

カテラーデ「そ、そうだよな!でもここ2日飲まず食わずだろ!あとで飯持ってくるから!」

ケレマ「………いらない」

ケレマ「1人に…してほしい……」

カテラーデ「あっ……」

カテラーデ「わ、悪りぃ……」


セイマは突然やってきて勢いよくドアを開ける


セイマ「ふんっ!!」

カテラーデ「えちょセイマさん!!?」

カテラーデ「ちょ何やってんすか!!やめてってば!!」

ケレマ「……」

カテラーデ「うっ…!」

セイマ「…」


セイマは鼻から思いっきり息を吸う


セイマ「オエッ」

ケレマ「…え」

セイマ「くっっさい!!ケレマ!!お前風呂入ってこい!!!激臭だぞ!!!カテラーデ窓開けろ!!!」

カテラーデ「オエェェッ」

セイマ「バ、バカ吐くな!!」



ケレマはシャワー室に行き浴びていた


ケレマ「……」




ケレマ「……」

カテラーデ「俺の枕ちゃんが…」

セイマ「捨てろ捨てろ!」

ケレマ「…」

セイマ「あ、帰ってきたな」

カテラーデ「…ゴクッ」

セイマ「カテラーデ、匂いチェックだ」

カテラーデ「やっぱり……」

ケレマ「ちょ、おい…」


カテラーデはケレマの匂いを嗅ぎ始める


カテラーデ「あ」

カテラーデ「無臭っす!」

セイマ「よし!」

ケレマ「はあ……」



ケレマは2人に蘇った記憶を話した


セイマ「殺されたと思ってたじいさんはお前が殺していたと…」

セイマ「ホトさんも言ってたが…それが契約した時に奪われたものみたいだな」

セイマ「ったく……辛ぇな…」

ケレマ「……」

ケレマ「…オレ………」

カテラーデ「辞める気か?」

ケレマ「あっ……」

ケレマ「……」

カテラーデ「団長に言われたろ?戦いから逃げるなってさ」

ケレマ「でもオレは人殺しで……」

ケレマ「人を守る価値なんか……」

セイマ「ケレマ、守るっていうのは誰が守るかじゃないんだ」

セイマ「お前が…どんな気持ちで守るかなんだよ」

セイマ「お前はどうするべきだ?ん?」

ケレマ「オレ………」

ケレマ「っ…」

セイマ「たしかに人を殺すことは許されない行為だ」

セイマ「でもお前のせいじゃない」

セイマ「けどそれじゃあ消化できないよな」

セイマ「だからお前は…」

セイマ「罪を噛み締めて生きろ」

ケレマ「……」

セイマ「お前のその罪は、一生消化不良だ」


ケレマは静かに涙を流す


セイマ「えっ」

セイマ「あっ」

セイマ「ごっ」

セイマ「ごめん!まさか泣くとは……!!」

カテラーデ「ははっ」

ケレマ「いやその…正直…めっちゃ響いて……」

ケレマ「……オレは…戦いから逃げようとしてた……悪魔のこと…考える度に…じいちゃんのことを思い出す…でも違う…罪を噛み締める…」

ケレマ「…そっか」

ケレマ「セイマさん、カテラーデ」

ケレマ「すみませんでした」

ケレマ「オレもちゃんと戦います」

セイマ「おう」

カテラーデ「たんまりやってもらうぜ」

ケレマ「ああ!」



エナド「………」

エナド「……あと少しか」




第一節、完


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