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僕たちが出来ること  作者: 環流 虹向
九夏三伏
123/174

禍色

僕たちは迫り来る凶妖の目線から分散する。


樂が唄い、清くんがそのリズムに乗りながら唱えると凶妖の動きが鈍くなる。


その様子を見てせいさんが自分の手を噛み両手を合わせ、開くと同時に何か太い縄の様なものが現れる。


世永「この鞭デ、凶妖の喉をヅぶす!」


「「「はい!」」」


せいさんの動きに合わせて僕と絢愛さんで凶妖の両側から攻撃をし、真司が近くに落ちている木片をすくい上げる様にこん棒を振り凶妖めがけて飛ばす。


凶妖はそれを見てもそのまま前に直進し、せいさん目掛けて進む。


世永「痛いが我慢ジデくれ。」


せいさんが避けることなく凶妖の喉めがけて鞭を振る。


[バジジジジジジジッ!]


と、電流が流れるような音がしてせいさんと凶妖は真っ白な光に包まれる。


虎雅「せいさん!」


僕は光の中心に駆け寄ろうとすると、その光の中から大きいものが上に飛ぶのが見える。


その瞬間、光が解け倒れているせいさんが現れた。


5人で駆け寄り安否を確認する。


絢愛「世永さん!…背中から血が出てる。」


絢愛さんは抱き上げたせいさんを掴む片腕を僕たちに見せる。


真司「俺の団服を巻きつけます。」


樂『息は?』


虎雅「してる。」


清『意識はある?』


虎雅「せいさん、意識があったら僕の手を握ってください。」


僕はせいさんの手を掴む。

するとぎゅっと力強く握られる。


虎雅「意識はあるけど、これ以上体を動かしたらだめだ。血を流しすぎだ。」


樂『俺たちでやれる。』


「「「うん!」」」


樂の指文字にみんなで頷く。


せいさんを木の陰に隠れさせ、体制を立て直す。


『全て、あいつのせいだ。』


また凶妖の声がする。


『あの白装束の奴が川を堰き止めたせいでまだあの街は飲まれない。…まあ、時間の問題か。』


と言って、凶妖は僕たち視界の見えやすい位置まで降りてくる。

よく見ると凶妖の首元が禿げている。

さっきせいさんが鞭で当ててくれたからあの硬い羽毛を剥ぎ取ってくれたのだろう。


『あとはこの子供を食べるだけ。全員いい肉の香りがする。これで力をつけて範囲を拡大しよう。』


ゲラゲラと声を出して愉快そうに笑う凶妖。


虎雅「せいさんが川を堰き止めてくれているらしい!でもこのままだとせいさんの意識が持たない!一刻も早く封印しよう!」


僕は大雨の中みんなに届くよう大声出した。


『…こいつ、何で知っている?』


虎雅「人を食らって人殺しをするな。その魂は君のための物ではない!」


『…お前の名は。』


虎雅「佐伽羅虎雅。今日お前を封印する。僕たちは君を…」


『この世に生まれて間もない人間が私に気安く話しかけるな!』


と言って、凶妖が叫ぶ。

咄嗟に耳を守るがそれでも目眩がするほどだ。


虎雅「みんな…。大丈夫?」


焦点が定まらないながら周りを見ると、ぼやけた清くんの口から血を出てている。


真司「轟!声を出すな!」


清『まだやれる。』


清くんの声はガラガラと音を出しながら森中に広がる。

片耳にマイクをつけていたから守りきれなかったんだろう。

樂は清くんの口を拭きながら耳あてをつける。


樂『まともに受けるな。布は気休め。他は自分の肉で守れ。』


と言って、自分の手を耳に当てるジェスチャーをする。


絢愛「分かった!清、ハンカチあげる。」


と言って、絢愛さんは清くんに口元を拭くためのハンカチを渡した。


『少し体が軽くなったな。あの雑音のせいだったか。次は肉体もろとも引き裂いてやる。』


と、凶妖が僕たちめがけて羽を暴風に乗せ撒き散らす。


虎雅「あの羽は鋼鉄のように硬い!みんな避けて!」


僕がみんなに伝えるが早いか、絢愛さんが僕たちの前に立つ。


絢愛「…みんな。後で自己紹介よろしくね!」


絢愛さんはそう言って体をメキメキと音を鳴らせながら捻らせ足を地面に埋める。


絢愛「掴まって!」


みんなが絢愛さんの足元に掴まり、その場から飛ばされないよう必死でしがみつく。


絢愛さんが振った剣の風圧でフクロウが放った羽が圧力に負けその場で粉となり消えるのを霞み目で確認する。


絢愛「…い、ない?」


絢愛さんが目の前を見てそう言った。

僕もその視線の先にいた凶妖を見つけようとしたがどこにもいない。


真司「え?飛ばされた?」


樂『そんなはずがない。』


僕たちは目の前の光景に驚き探すがその目線の先には見つからない。


虎雅「どこだ…?」


と、言った瞬間、後ろから間が禍々しい雰囲気と駱駝らくだ色が背後から感じる。

僕は瞬きを止め、体を急いで振り向かせるとあと5mの所に凶妖が僕に向けて足爪を向け飛んできていた。


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