ベルリンの恋人(上)
1945年4月、ナチスドイツ第三帝国の命は風前の灯となっていた。英米軍は空から空爆を繰り返し、復讐心に燃えるソ連赤軍は地上から首都ベルリンへなだれこんだ。ナチス政府高官を夫に持つエリザベートは廃墟と化した首都に取り残され、途方にくれていた。略奪と暴行が横行する大混乱の中、彼女は紳士的な敵軍将校と運命的な出会いをする。誰も問うことのなかった戦勝国の犯した戦争犯罪……わが日本よりはるかに辛酸をなめさせられたドイツの戦後を描く。
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