第三十一話「人付き合いは楽じゃない!」
《――“ハイテンション事件”から数日後の事。
大統領執務室では、約一年ぶりに
主人公を交えた会議が執り行われて居た――》
………
……
…
「……以上が本日までの事故とそれに対する対応策です」
「うむ……報告ご苦労じゃったカイエル殿
概ね順調に行っておる様じゃな。
……主人公殿は何か報告があるかね? 」
「……ええ、外交とそれに関連する法整備関係が幾つか
此処の所急ぎ足で我が国へ編入された国と種族が多いので
関連する法整備にはやはり少し遅れが目立ちます……
……関連法の制定を急ぐべきかと」
「うむ……各種族での話し合いも含め
慎重かつ迅速な法整備を行わねばならんのぉ。
……教育についてはどうじゃね? 」
「教育に関しては、多種族に対する差別派が激減した事や
国民の意識が大幅に変わった事、学校教育が上手く機能している事で
識字率も少しずつ上がっては居ますが
まだ完璧とは程遠く……看板、店のメニュー等は
未だ文字よりも絵が多いと言った現状です、なので……」
《――この後の会議も滞りなく終えた主人公だったが
久方ぶりの公務に些か疲れた様子の主人公は
夕方頃、ヴェルツに戻ると――》
………
……
…
「……はぁ~っ!!!
何だよちきしょぉ~! ……ヒック!
……ミリアさんッ!
この“ジュース”おかわりでッ! ……ヒック! 」
「どうしたんだい? ……えらく荒れてるじゃないかい?
あたしでよけりゃ相談に乗るよ? 」
「あ、有難うございます……でも
女性にこんな“内容”の相談って問題があるので……」
「……嫌な話だったら聞かなかった事にしてあげるから
気にしないで言ってみな。
主人公ちゃんが荒れてる方があたしには辛いんだよ? 」
「……気を使わせてしまって申し訳有りません。
えっと……見て分かると思うんですが
此処の所マリアとメルちゃんが一緒じゃないですよね?
それもこれも“ある問題”の所為なんですけど……」
「……ああ、数日前から距離感がおかしいとは思ってたんだ。
一体、何があったんだい? 」
「そ……その
皆で“水の都跡地”に行った時なんですが……」
<――この後、ミリアさんに対し
“ハイテンション事件”の全貌を説明した俺。
全てを説明し終えると、ミリアさんは――>
………
……
…
「……成程ね。
年頃の男の子なら仕方が無い事なんだろうが
それで皆に避けられてるって言うのかい? 」
「は、はい……」
「……今何が一番つらいんだい? 」
「特にキツイのは何時も一緒の二人が居ないのが……」
「だろうねぇ……分かった、ここはあたしに任せな。
主人公ちゃんはこの件についてもう考えない……良いね? 」
「えっ、でも……」
「……じゃあ無視され続けるかい?
いいから、ミリアさんに任せな」
「はい……でも、何から何までご迷惑おかけして本当に申し訳有りません」
「馬鹿だねぇ……そんな事は良いから
落ち込んでないでしっかりご飯食べるんだよ? ……良いね? 」
「は、はいっ! ……頂きますッ! 」
《――この日から更に数日の後
ヴェルツには“事件”に関係のあるメンバーが
ミリアに依り呼び出されて居た――》
………
……
…
「……今日は貸し切りさね。
さて……このメンバーに集まって貰った理由は
勘のいい子ならもう分かってるかもしれないね? 」
《――と訊ねたミリアに対し
エリシアは――》
「ん~……メンバー的に
“主人公っちの事”かなって思ってるけど~……当たってるぅ~? 」
「その通りさね……あんたも何だい無視なんて。
……男のそんな“様”なんて
あんたの年齢なら一度や二度は見て来てる筈だよ? 」
「ん? ……別に私は無視してないよぉ~?
そもそも主人公っち自身が此処の所ギルドに来ないし~
合う機会がないんだから喋れる訳無いじゃんか~!
……あと、年齢の話は出さないでミリア」
「相変わらず“年齢の話”に成ると怖いねぇあんたは……
……まぁ、あんたの件は解決さね。
次はメルちゃんだが……
……メルちゃんみたいに可愛い子が
多感な時期の主人公ちゃんに引っ付いたら
“そう言う風に”成る事も有るんだよ?
あの年頃の男の子って言うのはそう言う物さね。
別にメルちゃんを傷つけようとはして無い筈さ……
……ゆっくりでいいから許してあげなよ? 」
「……ち、違うんですっ!
私は唯びっくりしてつい悲鳴あげちゃっただけで!
し、主人公さんをき……嫌いとかそう言う事は無いですからっ!
寧ろ私を想ってそんな……ハッ。
なんでも無い……ですっ! 」
「……なら何で避けてるんだい? 」
「そ、それは……恥ずかしくて……」
「そうかい……でも、それが理由なら避けちゃダメさね。
本人は相当落ち込んでたよ?
何せ――
酒の“入って無い”飲み物を飲んで
酔っ払いの管巻きをやってた位だからねぇ。
――そう言えば
何でマリアちゃんは同じ様に避けてるんだい? 」
「えっと……私はメルちゃんと一緒に居てあげようと思ってただけで
別に主人公さんに含む所は無いですよ? 」
「なら何も怒ってないって事かい? 」
「まぁ、私を見て元気になって欲しかったとは思いますけど? 」
「正直で良いじゃないかい! ……その想いは伝えないのかい? 」
「ちょ!? ……冗談ですってば!
ツッコミを入れてくれないと変な空気に! ……むぅ。
主人公さんに会わないと“ツッコミ不足”ですよ~!! 」
「……なら早く話し掛けてあげな。
あんたも怒ってるんだと思って主人公ちゃんは落ち込んでる
徐々にで構わないから、ちゃんと話し掛けてあげなよ? 」
「は、はい……」
《――と、ここまでを順調に解決して来たミリア。
だが、マリーンはこの問題に対し頑なで――》
………
……
…
「わ……私は別に無視したって別に良いでしょ?!
一緒にパーティ組んでる訳じゃ無いし?
……べっ、別に組んで欲しい訳じゃないけどっ!
てか、昔……“約束してくれた”装備とかも忘れられてる位だし!?
私以外の民達はみ~んな国から支援して貰えたみたいだけど?! 」
「成程ね……要するに、マリーンちゃんは
主人公ちゃんの事が大好きなのに
他の子に夢中な主人公ちゃんを見て“妬いた”訳だね? 」
《――ミリアは何故か少し意地悪げにそう言った。
だが、これに強く反発したマリーン――》
「なっ!? 好きとかそんな事……」
「隠す事はないさ……それと、一つ質問しても良いかい? 」
「な、何よ……」
「……主人公ちゃんがマリーンちゃんに対して
喋り方やキャラ付けの“嘘”について
一度でも文句を言った事はあるのかい? 」
「そ、それは……無いけどっ! 」
「大体、主人公ちゃんは
貴族共の掛けた冤罪で捕まってたんだよ?
その状態でどうやって約束を守れるってんだい?
それに、その後直ぐにまた“例の問題”で幽閉されちゃっただろう?
その後釈放されるまで一年も掛かったんだ。
……にも関わらず、釈放されてから日も浅いのに
あの子はこの国の民の為に必死で働いてる
自分が楽しめる時間なんて殆ど無い筈なのに
この国を良くする為にずっとさね……
……そんな主人公ちゃんが久しぶりの息抜きに失敗しちゃった事と
マリーンちゃんとの約束を忘れている
“かも知れない”からって責めるのかい?
あの子の事を少しでも大切に思っているなら
もう少しだけ、待ってやれないかい? 」
「……で、でもっ!!
どんなに待ってても……思い出してくれなかったら? 」
「……いいや、あの子は約束を必ず守る子さね。
それはあたしが保証するよ」
《――そう自信を持って宣言したミリアの意見に
マリーンの母であるマリーナも賛同し――》
「……確かにそうですわね
あの方が仰られた事は必ず実行されています。
それがどんなに困難な事だとしても……必ず」
「……その口振りならマリーナさんは別に避けてる訳じゃないんだね? 」
「ええ……私は大臣としての職が忙しいので
主人公さんに対して何か含みがある訳ではございませんわ? 」
「成程……エリシアの件といい
主人公ちゃんが勘違いしてる節もあるって事かい。
そこは本人に言って聞かせないと駄目だねぇ……さて
マリーンちゃんはどうなんだい? 」
「……分かった、もう少し待ってみる。
メルちゃんに対しての件もきっと
私がメルちゃんと同じ立場だったら……ハッ!
……な、何でも無いからっ!! 」
「隠さなくても良いさ……人を好きになるのは素敵な事さね」
《――と、解決への糸口が見え掛けたその時
貸し切りの札をよく見ずヴェルツに入店した一人の男――》
………
……
…
「ん? ……あれ?
今貸し切りって書いてあった様な……ってぬわっ!?
し……失礼しましたっ!!! 」
《――入店直後、勢揃いした女性陣に気付くと
慌てて走り去ろうとした男……それは、主人公であった。
だが、直ぐにミリアに引き止められ
居心地悪そうにモジモジとして居た彼は、覚悟を決め――》
………
……
…
「あっ……あのッ!
ま……先ずは皆さんに一度謝罪をッ!
水の都での事……本当に申し訳有りませんでしたッ!!
そ、その……メルちゃんにも本当に嫌な思いをさせちゃって
しかも俺、あの時言い訳までして……本当にごめんッ!!! 」
《――そう言って頭を下げ続けて居た主人公
だが、そんな彼にそっと近づくと――》
「あ、あのっ……さ、避けてたのは……そのっ……
ちょっと……恥ずかしくてっ……でも
その所為で主人公さんを不安にさせちゃって……私こそごめんなさいっ! 」
《――そう言って頭を下げたメル。
無論、そんな彼女に対し主人公は更に謝り――》
「そ、そんな……メルちゃんは悪くないよ!!
俺が圧倒的に悪いんだって! ……本当にごめんっ!! 」
《――この後も暫くの間、お互いに謝り続けていた二人
だがそんな流れを止めるかの様に、マリアは――》
「……あの~因みに私は
メルちゃんに付添ってただけなので、そもそも怒ってませんよ~」
「いや、だとしても本当に……ごめん」
「そ、そんなに真剣に謝られると困りますから気にしないでください
……仲間なんですし! 」
「だとしても、許してくれてありがとうマリア」
「い、いえ……此方こそ……」
《――先ず二人との問題を解決した主人公
だが……ホッと胸を撫で下ろしていた彼に対し
ミリアは――》
「……因みに主人公ちゃんの勘違いも多いみたいだよ?
エリシアは避けてなんか無い、寧ろ
主人公ちゃんがギルドに来ないから喋る機会が無いだけだって言ってたよ?
マリーナさんだって似た様な状況さね……仕事が忙しくて
そもそも話せる機会が無いって言うじゃ無いかい。
……これは主人公ちゃん自身の欠点でもあるけど
一人二人がそうだったら“全員そうだ”と思い込む
“はた迷惑”なマイナス思考は少し控えなっ!
良い加減にして置かないと、周りも変に気を使って
余計に拗れる事に成るんだよ? ……今回だってそうだっただろう?
……分かったら肝に銘じておきなっ!! 」
《――珍しく声を荒げ
そう、主人公を叱った――》
「……い、以後気をつけますっ!!
えっと……あの……エリシアさん、マリーナさん。
ご迷惑をお掛けして本当に申し訳有りませんでしたっ!! ……」
「……いえ、私も配慮が足りませんでしたわ
そうお気になさらないで下さいませ」
「うん! 私も別に気にしてないよぉ~……って言うか!
そもそも有耶無耶に成っただけで
主人公っちったら浅瀬でも“元気”だったもんねぇ~? 」
《――エリシアのこの暴露に依り
主人公の顔は信じられない程に引き攣り――》
「へっ?! ……何でそれを!? 」
「フッフッフッ……秘密にしてたけど喋ってみた~♪ 」
「ほ……本当に、重ね重ね申し訳ありませんでしたっ!!
ドラゴン騒ぎで有耶無耶になったのを良い事に
俺は……って。
そう言えば! ……マリーンさん、本当にすみませんでした
俺……」
「なっ……“そう言えば” って何よ?!
……私はついでなの?!
私許すとか言って無いから! ……喋り掛けないでよ! 」
「う゛っ……ご、ごめんなさい……」
「マリーンちゃん! ……素直に成りなっ! 」
「いえ、ミリアさん……俺が悪いんです……」
「そっ……そんな落ち込まれたら私が悪いみたいじゃないっ!
仕方無いから“言い訳”聞いてあげるわ……けど、一分だけだから! 」
「?! ……あ、有難うございますっ!
では急いで説明を!! ……そ、そのライラさんがドラゴンで現れた時
マリーンさんが構えた武器を見て思い出したんです。
そう言えば俺、一年位前に――
“マリーンさんの装備を奢ります! ”
――なんて言って置きながら、ずっとその約束を放置してしまって居て
タイミングが合わなかったとは言え本当にすみませんでしたッ!
もしまだ間に合うなら、改めて俺にプレゼントさせて頂きたくて……」
「何なのよ今更……べ、別に要らないわよ!! 」
「でも俺、本当にマリーンさんのやりたい事を……」
《――と、堂々巡りしていた二人の会話に
痺れを切らしたミリアは――》
………
……
…
「……主人公ちゃん。
マリーンちゃんの態度が頑なな理由はね……」
《――ミリアがそう言った瞬間
マリーンはとても慌てた、だがミリアは話を続けた――》
「……主人公ちゃんに想いを寄せてるからなんだよ。
だから、約束を放置されてた事やメルちゃんに対して“そう”なった事。
その二つが悲しくて当たってるんだ……だけど、この子は優しいから
主人公ちゃんに気を使わせまいと必死で我慢して
悪役を気取ってるんだ……見ていて余りにも可哀想さね。
良い加減分かってやりな」
《――このミリアの暴露にマリーンは俯き黙り込んだ。
そして――》
………
……
…
「……そんな。
そ、その……光栄ですっ!
俺まさかマリーンさんに好意を持って頂けてるなんて全然気が付かなくて
寧ろ、嫌われてすらいるんじゃないかって思ってた位で……」
「何でよ? ……嫌う訳無いじゃない」
「……なのに俺、ずっと放置してしまって
本当にすみませんでしたッ! 」
「もう良いわよ……許すから。
その……お詫びにちょっと高い装備買ってくれるならだけど! 」
「はいっ! ……一番高い奴買いますっ! 」
《――そう必死に成った主人公に対し
ミリアは更に――》
「……主人公ちゃん、恐らくは気付いて無いだろうから教えて置くけど
メルちゃんだってあんたの事が大好きなんだよ?
目の前でそう言う会話したらメルちゃんがどう言う気持ちになるか位
ちゃんと気配りしてあげな……分かったかい? 」
「えっ?! ……メルちゃんも俺の事を!?
ちょっと待って下さい……頭が整理出来ないですよ。
……俺、女の子に好意を持って貰えたのとか初めてで
それも二人同時とかどうして良いか判らないですし……その……」
《――主人公を筆頭に、メルとマリーンは言葉に詰まり
この場に如何ともし難い静寂の時間が流れた……だが。
そんな中、マリーンは思い切った様に立ち上がり――》
………
……
…
「メルちゃん、私……貴女から
主人公を取ったりなんてしないから安心して」
《――そう言った。
だが同時に、その瞳は悲しさを放って居て――》
………
……
…
「あ、あのっ!!
気の利いた事の一つも言えなくて……
どうして良いのか本当に分からなくて……
俺……俺……」
《――居ても立っても居られず立ち上がり何かを言い掛けた主人公は
この直後、言葉に詰まり俯いてしまった。
だが……そんな主人公に対し
マリーンは――》
「無理しないで主人公……私が好きになった初めての人は貴方だって
分かってくれたならそれだけで良いから」
《――そう言うと悲しく微笑んだ。
そんな彼女に対し、彼が精一杯に絞り出した言葉は
“光栄です”……の一言だけだった。
だが、そんな彼の不甲斐無い態度に文句の一つも言わず
“ふふっ……主人公らしいわね”
と、笑顔で応えたマリーン……だが、そんな彼女の態度を受け
主人公は激しい自己嫌悪に陥って居た――》
………
……
…
<――転生前
アニメとかで“ハーレム物”見てて羨ましいと思ってた俺だが
実際そんな状況に成ったらこんなに苦しい事は無いのだと知った。
嬉しさよりも申し訳無さだけが勝つこの状況に
何も出来ない俺は“メルちゃんの為よ”……と
身を引く決意を発したマリーンさんの事を一切気遣えて居ない。
どうしたら……何をしたら……一体何があれば
誰も傷付けず、居られるのだろうか……だが
そんな事を考えていた俺の眼の前では――>
………
……
…
「あの……わ、私っ! マリーンさんに譲られるのだけは嫌ですっ!
主人公さんはまだ誰の者でも無いのに
マリーンさんが勝手に“譲る”なんてっ!
……そんな風に言うなんてずるいですっ!!
だから……私決めたんですっ!
じ、実力で主人公さんを勝ち取りますからっ!!!
マリーンさんを正式に負かさないと……私……私っ!!
……絶対にダメなんですっ! 」
《――と
精一杯の勇気を振り絞りマリーンに言い放ったメル。
メルが何故此処までの発言をしたのか……理由は明白であった。
彼女は、マリーンが抑えた“本当の気持ち”を痛い程理解し
敢えて挑発的にそう言い放ったのだ。
そして……この発言を受けたマリーンは
メルの“読み”通り――》
………
……
…
「なっ……何よッ?!
私だって本当は諦めたくないわよ! ……良いわ。
其処まで言うなら、私だって本気を出して主人公を勝ち取るんだから!
メルちゃん……覚悟しなさいよ?!! 」
「……はいっ! のっ、望む所ですっっ!! 」
《――と言う二人の“宣言”に対し
その“原因”である主人公は――》
………
……
…
「えっ、何この幸せな状況……ってそうじゃなくてッ!!
あの~っ……お二人共、もう少し穏便にですね……」
《――と、穏やかに話し掛けた主人公に対し
二人は――》
「主人公は黙ってて!!! 」
「主人公さんは黙っててくださいっ!!! 」
《――と言った。
そして……この瞬間
二人の凄まじい迫力に押された主人公は――》
「は……はひっっっっ!! 」
《――と答えると
しょんぼりとした表情を浮かべつつ席に座ったのだった――》
………
……
…
「あらら……別の問題が浮上しちゃったみたいだねぇ。
こればっかりはあたしじゃ解決出来ない問題さね!
さて……あたしはそろそろ料理の仕込みに戻るとしようかねぇ! 」
《――そう言い残すと
そそくさと厨房へと戻っていったミリア――》
「いぃっ!? ちょっとミリアさん!? 全部任せろって……」
《――ともあれ。
全員と仲直りする事が出来た主人公……だが同時に
この日を境に、長きに渡り“女性経験皆無”な主人公を悩ませる事と成る
メルVSマリーンの、主人公を賭けた女の戦いが勃発し
より一層、解決に苦労する事となるのはまた別のお話――》
===第三十一話・終===




