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落内円は落ちている  作者: 七風


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勇者会議雑談21



# 第16話 勇者会議場への設置計画と、嫉妬の勇者の野望


『リゼット【エキドナ公式】:アナスイ。そこの会場には、任意で飛べるのよね?』


リゼットが確認すると、アナスイは落ち着いた様子で頷いた。


「ええ。開催で連絡のメッセージ、集合でここに転移、解散で元の場所への、参加拒否されても一人で移動することができますわ。」


『リゼット【エキドナ公式】:そうね。誰かに拒否されれば、一人でここに来ることになるわけね』


「その通りですわ。勇者会議場への転移が認められなければ、個人で移動することになりますわね」


『リゼット【エキドナ公式】:とりあえず、設置についてはアナスイに頼むわ。それと、勇者三人にはエキドナの門の前と、元いた場所へ戻るための転移アイテムを配布しましょう。それを使って、会場内でアイテムのやり取りしなさいな。エキドナへの訪問も、帰還も、必要なときに自分たちでできるようにしておけばいいでしょう』


「そうですわね。勇者用の転移アイテムは、短いメッセージを伝えることもできますから、それで連絡を取り合う形にいたしましょう」


アナスイも賛成した。


『マドカ【エキドナ公式】:おお、便利だね! じゃあ、これでみんなもエキドナに来られるようになるんだ!』


『会議場にヒロバト設置、いよいよ現実味が出てきたな』

『勇者専用の転移アイテムまで配られるのか』

『訓練環境が整ったら、みんな入り浸りそうw』


「アナスイ!できるだけ早く頼むわよ!ゴールで買い物をしなきゃいけないんだから!」


キシリアは、さっそく身を乗り出した。


「お前、ヒロバトの話をしていたんじゃなかったのかよ……」


プライドが呆れたように突っ込む。


「ヒロバトも大事よ!でも、せっかくゴールに行けるようになるのだから、買い物だって大事でしょう!?」


「俺も装備の相談に行かないとな」


プライドも、今後の予定を考え始めたようだった。


「エキドナの技術班が、どんな装備を作ってくれるのかは気になるからな。素材も含めて、一度相談してみるか」


「とうとう、お顔を合わせるときが来ましたか……」


その声には、長年抱えていた思いがにじんでいた。


三百年以上もの間、会いに行く勇気を持てなかった相手。


配信を通して活躍を見守ることはできても、直接顔を合わせることだけは避けてきた。


それが今、ようやく実現しようとしている。


『リゼット【エキドナ公式】:……あなたの場合、いつでも会いに来られたのよ? 相変わらず決断が遅いわね。本当に呆れるわ』


「申し訳ありません……」


ジークフリートは、素直に頭を下げた。


『マドカ【エキドナ公式】:でも、これでようやく会えるんだね!』


『三百年以上のためらいが、ついに終わるのか』

『リゼット様、容赦ないけど正論w』

『ジーク、今度こそちゃんと会いに行けよ』


『マドカ【エキドナ公式】:ところでキシリアさん、毎日来るよね。絶対』


「な、なによぉ……」


キシリアの声が、急に小さくなった。


「ダメなの?」


『マドカ【エキドナ公式】:いや、別にダメじゃないけど……。なんだか、そのうちエキドナのメンバーになってそうなパターンだなって思って!』


「……ああ」


プライドも納得したように頷いた。


「もうすでに実例が出てるしな。ありえるわな」


「ちょっと! 何よ、その言い方!「そうよ!ズルいわ!」


『マドカ【エキドナ公式】:えっ、何が!?』


「アナスイとシルヴァはエキドナに関わっているのに、私だけダメなんておかしいでしょう!?」


「いや、誰もダメなんて言ってねぇだろ……」


プライドの指摘も、今のキシリアには届いていないようだった。


『マドカ【エキドナ公式】:まあ、別にいいんだけどね! 私も嫉妬に行かせてもらうわけだし!』


「そうよね!」


キシリアは一瞬で笑顔になった。


「嫉妬は私が案内するわ! マドカはゴールを案内してちょうだい!」


『マドカ【エキドナ公式】:うん、いいよ! ゴールには面白いお店もあるし、観光するところもいっぱいあるからね!』


「ふふん! 任せておきなさい! 嫉妬の大陸にも、見せたい場所はたくさんあるんだから!」


キシリアはすっかり案内役を引き受ける気になっていた。


先ほどまでヒロバトの戦闘データや特注装備について話していたはずなのに、今では旅行の予定で頭がいっぱいらしい。


『リゼット【エキドナ公式】:……あなたは、勇者の仕事をほったらかしにしそうね?』


「うっ……そ、それは……気をつけるわ!」


『マドカ【エキドナ公式】:あははは! ちゃんと勇者のお仕事もしてね!』


『観光案内に全力を出す嫉妬の勇者w』

『エキドナに通う気満々じゃねぇか!』

『これは本当にメンバーになる日も近いのではw』

『まずは仕事を片づけてから遊びに来ような、キシリア様w』


「わ、分かっているわよ! 仕事はちゃんとするわ! そのうえで、ゴールにも遊びに行くの!」


「欲張りだな、お前……」


プライドが呆れたように呟いた。


「何よ! せっかく行ける場所が増えるんだから、楽しまなきゃ損でしょう!?」


『マドカ【エキドナ公式】:それはそうだね! 私も嫉妬に行くの、楽しみにしてるよ!』


こうして、勇者会議場へのヒロバト設置と、エキドナへの移動手段の準備が進むことになった。


ジークフリートは、ようやくリゼットと直接会う決心を固めた。


プライドも特注装備の相談に行く気になり、キシリアに至っては、すでにゴールと嫉妬の観光計画を立て始めている。


勇者たちの新しい交流は、どうやら訓練だけでは終わらなさそうだった。


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