勇者会議23
「……そういえば、暴食がいないんだが」
プライドが、ふと思い出したように尋ねた。
『マドカ【エキドナ公式】:あー、アーノルド? 飽きたって言って、朝ご飯の仕込みしてるけど』
「……ふっ、ふはははは!」
それまで静かに話を聞いていたジークフリートが、とうとう声を上げて笑った。
「自由な奴だな! 勇者会議に飽きたから朝食の仕込みとは!」
「まぁ、あいつは料理以外、あんまり考えてなさそうだしな……」
プライドも呆れたように肩をすくめる。
『マドカ【エキドナ公式】:でも、アーノルドのご飯おいしいよ!』
「いや、そういう話じゃねえ!」
プライドのツッコミが飛んだところで、マドカが話を切り替えた。
『マドカ【エキドナ公式】:で、後はなんか聞きたいことある?』
「そうね……」
キシリアが顎に手を当て、少し考え込んだ。
「トライアングルとのコラボは可能?」
「ダメですわね」
「何であんたが断るのよ!!」
即答したアナスイに、キシリアが勢いよく食ってかかった。
『マドカ【エキドナ公式】:私もビックリなんだけど!?』
マドカまで驚いていた。
「だって、キシリアさんと並ぶナナリー様が汚れますわ」
「どういう意味よおおおお!!」
キシリアの叫びが会議室に響き渡った。
「ちょっと待って! 私、まだ何もしてないでしょう!? なんでコラボする前から汚れることが確定してるのよ!」
「普段の言動を振り返っていただければ、ご理解いただけると思いますわ」
「この女ぁ……!」
キシリアがわなわなと震える。
『マドカ【エキドナ公式】:うーん……まぁ、ちょっとそのキレてるキャラだと絡みづらいかな……』
「マドカまで!?」
『マドカ【エキドナ公式】:いや、だってナナリーって元気でかわいい系じゃん? そこにキシリアさんがずっと怒ってたら、コラボ動画がケンカしてるみたいになっちゃうし……』
「ずっと怒ってないわよ!!」
『怒ってるwww』
『今まさに怒ってるんだよなぁ』
『ナナリー様を守ろうとするアナスイ、保護者すぎるw』
『コラボの相談なのに、出演前から出演者に拒否される勇者』
『キシリアさん、まずは穏やかな笑顔の練習からでは?』
「コメントまで私を馬鹿にしてるじゃない!!」
「ほら、そういうところですわ」
「アナスイィィィ!!」
プライドは頭を抱え、シルヴァは口元を押さえて笑っていた。
「……コラボの可否以前に、キシリアさんのキャラクター性について話し合う必要がありそうですね」
「シルヴァ! あんたまで何なのよ!」
『マドカ【エキドナ公式】:まぁまぁ! 絶対ダメってわけじゃないよ! キシリアさんがナナリーと仲良くできるなら、考えてもいいんじゃないかな?』
「……本当ね?」
『マドカ【エキドナ公式】:うん! でも、ナナリーに無理させるのはダメだからね!』
「分かったわよ! 私だって、かわいい子には優しいんだから!」
「……その言葉を、ぜひ普段から実践していただきたいですわね」
「アナスイ!! あんた、絶対あとで覚えてなさいよ!!」
『マドカ【エキドナ公式】:あははは! やっぱり、ちょっと不安かも!』
「マドカまでぇぇぇ!!」




