↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落内円は落ちている  作者: 七風


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
516/555

勇者会議15

『マドカ【エキドナ公式】:それで、とりあえず暴食の王都が目の前にあったから、観光しながら冒険者してたんだよねー!』


「……観光?」


 傲慢の勇者が、信じられないものを見るような顔でEVの画面を見つめた。


『マドカ【エキドナ公式】:うん! ティニアと二人で、屋台を回ったり、お店を見たりしてたの! それで、屋台のおじさんたちに料理のアドバイスをしてたら、なんかマドカ風とか、マドカ風アレンジとかになっちゃってさ! ちょっと味を変えたらどうかなーって言っただけなんだけど!』


『マドカ風ってそういう誕生秘話だったのかw』

『暴食の王都で食べ歩きしてたら料理の流行を作ってた女』

『本人は観光のつもりなのがひどいw』


『アーノルド【エキドナ公式】:なるほど……確かにマドカ風が流行していた……そういうことか……』


 アーノルドは納得したように呟いた。


「お前、普通に受け入れるんじゃねえよ!」


 傲慢の勇者がすかさず声を張り上げる。


「子供が二人で、知らない土地をうろついてたんだぞ!? しかもダンジョン帰りにそのまま観光って、危機感はねえのかよ!」


「確かに、見知らぬ土地でティニアさんと二人きりというのは危険ですわね」


 アナスイも同意するように頷いた。


「何事もなかったからよかったものの、何かあったらどうするつもりだったのです?」


『マドカ【エキドナ公式】:んー? でも、暴食の魔物って、怠惰の最難関ダンジョンの一階層より弱いんだもん。何を心配してるの?』


「……あ?」


 傲慢の勇者が固まった。


『アーノルド【エキドナ公式】:確かに……王都周辺はザコだな』


「そうじゃないわよ!!」


 今度はキシリアが声を張り上げた。


「あなたの強さはわかったわよ! でも、子供だけで行動するのはダメよ!?」


『マドカ【エキドナ公式】:お姉さん、優しいんだね!』


「えっ?」


『マドカ【エキドナ公式】:でも、なんでいつも怒ってるのさ。ツンデレ?』


「ツン……? 何それ! わからないわよ!」


 キシリアは目を白黒させた。


『マドカ【エキドナ公式】:ゴールではわかる人が多いんだけどなぁ。いつもツンツンして怒ってる人が、たまに心配してくれたり優しくなったりするんだよ! そういうときに、デレってなるんだ!』


「あー……」


 アナスイが何か思い当たったように声を漏らす。


「なるほど……」


 憤怒の勇者も、口元を押さえて小さく笑った。


「ぶふっ……なるほど……」


「おい、待て! こいつがそんな感じだっていうのか!?」


 傲慢の勇者がキシリアを指さした。


「誰がツンデレよ!!」


『マドカ【エキドナ公式】:えー、違うの?』


「違うわよ!!」


『マドカちゃん、本人に説明してあげてるw』

『キシリア様、めちゃくちゃ反応してるじゃないですか』

『憤怒さんが笑ってるの珍しいw』

『傲慢、余計なことを言うから巻き添え食らってるぞw』


『マドカ【エキドナ公式】:まぁ、いいや!』


 マドカは、まるで興味を失ったかのようにあっさり話を戻した。


『マドカ【エキドナ公式】:それで、十日くらい観光しながら食べ歩きしてたら、お姉ちゃんたちが、私たちが二十階層で消えたって魔力の痕跡をたどって、転移魔法陣の残骸を調査したんだよ。それで暴食とつながったわけ!』


「十日!?」


 キシリアが思わず聞き返した。


「あなたたち、十日も帰らずに何をしていたのよ!?」


『マドカ【エキドナ公式】:えー? 観光と食べ歩き?』


「聞いた私が馬鹿だったわ……!」


『十日間も食べ歩きw』

『そりゃマドカ風も広まるわけだ』

『探す側は大変だっただろうな……』


『マドカ【エキドナ公式】:それで、帰るときに二十階層と暴食をつないだままだったんじゃないかな? そのあとにアーノルドが入って、怠惰に来たんじゃない?』


『アーノルド【エキドナ公式】:なるほど……通りで珍しいモンスターばかりで、うまかったわけだ』


「そうじゃないわよ!!」


 キシリアの叫びが、勇者会議の会場に響き渡った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。