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落内円は落ちている  作者: 七風


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オセロ勝負

 第一戦が終わった。


 シルヴァがジャスティスを破り、王子側が一勝を手にした。


 そして――


「続いて、第二戦!」


 司会の声が響く。


「第二王子殿下が選ばれた競技はこちら!」


 闘技場中央にいたスタッフたちが、一斉に準備を始める。


 戦闘用のフィールドが片付けられ、その代わりに大きな盤が用意されていく。


「これは……?」


 観客がざわつく。


 やがて中央へ運び込まれたのは――


 白と黒の駒が並ぶ、一枚の巨大な盤だった。


「まさか!」


 マドカが立ち上がる。


「オセロ!?」


「はい!」


 司会が声を張り上げる。


「こちらは先日、エキドナの皆様が発表された新たなるボードゲーム!」


 会場が沸く。


『出た!』


『オセロじゃん!』


『もう強欲大陸でかなり流行ってるぞ!』


『王位継承戦でオセロやるのかw』


「ですが――」


 司会が続ける。


「このままでは観客の皆様には盤面が見えません!」


 その瞬間。


 盤の上空に、巨大な映像結晶が浮かび上がった。


 魔力を帯びた光が広がり――


 オセロ盤そのものが巨大な映像として映し出される。


 観客席のどこからでも、盤面の状態がはっきり見える。


「おおおお!」


 会場から歓声が上がる。


『めっちゃ見やすいw』


『こういう観戦設備まであるのか』


『これならオセロの試合も楽しめるな』


「これなら、離れた場所でも問題ありませんね」


 クリスティーナが感心する。


「ええ」


 エレノアも頷く。


「競技場を移動しても、観客が同じように試合を見られるようにしているのでしょう」


 司会が宣言する。


「それでは、第二王子殿下の代表選手を――!」


 第二王子が立ち上がる。


「この競技なら、私が信頼する者に任せよう」


 そして。


「怠惰第二王女殿下ガブリエル様!」


「はい!」


 ガブちゃんが堂々と立ち上がった。


「私が参りますわ!」


 マドカが目を輝かせる。


「ガブちゃん!」


「このゲームなら、私の出番ですわね」


 ガブちゃんは自信満々に盤を見る。


「オセロは、かなり遊びましたもの」


 ニコラが笑う。


「ガブちゃん、普通に強いんだよね~」


「ええ。結構勝っておりますわ」


 第二王子側の対戦相手も、すでに盤の前に座っていた


「こちらも、発表されてから10日ほどですがこのゲームをかなり研究しています」


「そうですの?では、良い勝負をいたしましょう」


「開始!」


 盤上に最初の駒が置かれる。


 巨大な映像結晶にも、同じ動きが映し出される。


 観客全員が盤面を見守る。


 一手。


 また一手。


 序盤は互いに中央を取り合う。


「ここですわね」


 ガブちゃんが一枚置く。


 駒がひっくり返る。


『おお』


『ちゃんと考えてるな』


『ガブちゃん本気だw』


 相手もすぐに返す。


「では、こちらを」


 さらに駒がひっくり返る。


 中盤。


 両者の読み合いが激しくなっていく。


 角を取らせない。


 相手の選択肢を減らす。


 あえて駒を取らない手まで使う。


「……」


 ガブちゃんの表情が真剣になる。


「なるほど。そう来ますのね」


 相手も盤面を見つめる。


「次は――」


 しばらく考え。


 置く。


 巨大な映像結晶の盤面が切り替わる。


 観客席からどよめきが起きる。


「おおっ!」


「そこを取ったか!」


「いや、あれは罠じゃないのか!?」


 マドカも身を乗り出す。


「ガブちゃん、これどうなるの?」


「まだ分かりませんわ」


 ガブちゃんは楽しそうに笑う。


「ですが――」


 一手。


 さらに一手。


 盤面の流れが少しずつ変わっていく。


 終盤。


 空いているマスが少なくなっていく。


 最後の数手。


「…………」


 ガブちゃんが盤面全体を見る。


 そして。


「こちらですわ」


 パチン。


 駒が置かれる。


 大量の駒が一斉にひっくり返った。


「なっ!?」


 対戦相手が目を見開く。


 巨大映像結晶の中でも、盤面が一気に変化する。


 白が黒へ。


 黒が白へ。


 そして――


「勝負あり!」


 司会が声を上げる。


「勝者――ガブリエル!」


 会場が大歓声に包まれた。


『ガブちゃん勝った!』


『普通に強いw』


『最後の一手すごかったな』


『ガブちゃんゲームは強いもんな!』


 ガブちゃんは満足そうに笑う。


「ふふっ」


 そして盤を見ながら。


「良いゲームですわね」


「ガブちゃんすごーい!」


 マドカが拍手する。


「ありがとうございますわ!」


 ガブちゃんが軽く頭を下げる。


 第二王子側の選手も、悔しそうながら笑っていた。


「完敗です」


「ありがとうございました」


 こうして――


 第二戦はエキドナ側の勝利。


 これで特別試合は一勝一敗となった。


 そして。


「次は第三戦!」


 司会が告げる。


「会場を移し、第三王子殿下の得意競技へと移ります!」


 再び巨大な映像結晶が浮かび上がる。


 今度は、次の競技会場へ向かう様子そのものが映し出された。


『次は何だ!?』


『まだまだ続くぞ!』


『第一戦は戦闘、第二戦はオセロ!』


『第三王子は何を出してくるんだ?』


 会場中の期待が高まっていく。


 そして――


 第三戦の舞台が姿を現した。


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